結論から言うと——アイソレーション種目は、1つの関節だけを動かして特定の筋肉を集中して鍛える種目です。単関節種目とも呼ばれ、アームカールやレッグエクステンションが代表例です。複数の関節を動かすコンパウンド種目の後に、狙った筋肉を追い込む「補助種目」として入れるのが基本の使い方です。
| よくある誤解 | 正しい理解 |
|---|---|
| アイソレーション種目は1つの筋肉しか使わない | 動く関節は1つでも、支えるために周りの筋肉も働く。「主に狙う筋肉が1つ」という意味 |
| アイソレーション種目は初心者には不要 | 弱い部位を補う、ケガ明けで負荷を限定するなど、目的があれば初心者にも役立つ |
| 腕を太くするにはアームカールが必須 | コンパウンド種目だけでも腕は太くなり、カールを足しても差が出なかった研究がある |
アイソレーション種目で鍛えられる筋肉と効果
| 種目 | 動く関節 | 主に狙う筋肉 |
|---|---|---|
| バイセプスカール | 肘(屈曲) | 上腕二頭筋・上腕筋 |
| トライセプスプッシュダウン | 肘(伸展) | 上腕三頭筋 |
| ラテラルレイズ | 肩(外転) | 三角筋中部 |
| リバースフライ | 肩(水平外転) | 三角筋後部・菱形筋 |
| チェストフライ | 肩(水平内転) | 大胸筋 |
| レッグエクステンション | 膝(伸展) | 大腿四頭筋 |
| レッグカール | 膝(屈曲) | ハムストリングス |
| カーフレイズ | 足首(底屈) | 腓腹筋・ヒラメ筋 |
- 狙った筋肉に集中できる:コンパウンド種目で先に疲れる筋肉に邪魔されず、狙った筋肉を追い込める
- 弱い部位や左右差を補える:コンパウンド種目で使われにくい部位を個別に鍛えられる
- フォームを覚えやすい:動く関節が1つなので技術が単純で、重さも扱いやすい
アイソレーション種目のやり方の基本
- 動かす関節以外は固定する。アームカールなら肘の位置を体の横で止める
- 重さは、反動を使わずに8〜15回できる程度にする
- 下ろす動作もゆっくりコントロールする
- プログラムでは、コンパウンド種目の後に行う
アイソレーション種目のよくある失敗と直し方
| 失敗 | 起きること | 直し方 |
|---|---|---|
| 体を振って反動で上げる | 他の関節が動き、狙った筋肉への負荷が抜ける | 重さを下げ、壁に背中をつけるなどして体を固定する |
| 重すぎる重量を選ぶ | 可動域が狭くなり、関節に負担がかかる | 最後の2〜3回がきつい程度の重さにする |
| コンパウンド種目より先に行う | 補助に使う筋肉が先に疲れ、メイン種目の重さが落ちる | メインのコンパウンド種目の後に回す |
アイソレーション種目とコンパウンド種目の違い
| 項目 | アイソレーション種目 | コンパウンド種目 |
|---|---|---|
| 別名 | 単関節種目 | 多関節種目 |
| 動く関節 | 1つ | 2つ以上 |
| 代表例 | アームカール、レッグエクステンション | スクワット、ベンチプレス、デッドリフト |
| 扱える重さ | 軽め | 重い |
| プログラムでの役割 | 補助種目 | コア種目(主要種目) |
| 行う順番 | 後 | 先 |
コンパウンド種目の詳細はコンパウンド種目の記事で解説しています。
研究からわかること
トレーニング経験2年以上の男性20人を対象にした8週間の研究では、コンパウンド種目だけのグループと、アームカールなどのアイソレーション種目を足したグループで、肘を曲げる力と腕の太さの伸びに差がありませんでした(de Françaら、2015)。
総挙上量をそろえて8週間比べた研究では、体組成の変化は同じでした。一方、筋力と最大酸素摂取量はコンパウンド種目のグループのほうが大きく伸びました(Paoliら、2017)。ただし、2つのグループは1セットの回数も違っていたと著者ら自身が指摘しています。
これらから、時間が限られるならコンパウンド種目を優先し、アイソレーション種目は狙いがあるときに足す、という使い方が合理的です。
アイソレーション種目のバリエーションと選び方
| 目的 | 選び方 |
|---|---|
| 腕や肩の見た目を整えたい | カール、プッシュダウン、ラテラルレイズを週2回ほど補助で足す |
| コンパウンド種目で弱い部位がある | 弱い部位を狙う種目を1つ選ぶ(例:スクワットで膝が伸びにくい→レッグエクステンション) |
| 関節への負担を抑えたい | マシンやケーブルを使うと軌道が安定し、重さも細かく調整できる(マシンとフリーウエイトの記事) |
アイソレーション種目の試験に出るポイント
- 単関節種目=アイソレーション種目、多関節種目=コンパウンド種目
- NSCAの区分では、大筋群を使う多関節種目が「コア種目」、小筋群・単関節の種目が「補助種目」
- 種目の配列は、多関節種目(大筋群)→ 単関節種目(小筋群)の順が基本
- 動く関節の数で判断する問題が多い。例:ラットプルダウンは肩と肘が動くので多関節種目
アイソレーション種目のよくある質問
- Qアイソレーション種目だけで筋トレしてもいいですか?
- A
筋肉を大きくすることはできますが、全身を鍛えるには種目数が多くなり時間がかかります。筋力の伸びもコンパウンド種目のほうが大きかった研究があるので、コンパウンド種目を中心に組むのがおすすめです。
- Qアイソレーション種目は何回×何セットがいいですか?
- A
補助種目として行うなら、反動を使わずにできる重さで8〜15回を2〜3セットが目安です。重さよりも、狙った筋肉に効かせるフォームを優先します。
アイソレーション種目の理解度チェック
- Q問題1:アイソレーション種目(単関節種目)はどれか。
A. バックスクワット
B. ベンチプレス
C. レッグエクステンション
D. ラットプルダウン - A
正解:C。レッグエクステンションは膝だけが動きます。スクワットは股関節・膝・足首、ベンチプレスは肩と肘、ラットプルダウンは肩と肘が動く多関節種目です。
- Q問題2:1回のトレーニングの種目の順番として適切なものはどれか。
A. アームカール → ベンチプレス
B. ベンチプレス → アームカール
C. どちらでも同じ
D. アイソレーション種目は別の日に行う - A
正解:B。大筋群を使う多関節種目を先に、単関節種目を後に行うのが基本です。
- Q問題3:NSCAの区分で「補助種目」に当たるものはどれか。
A. パワークリーン
B. デッドリフト
C. トライセプスプッシュダウン
D. バックスクワット - A
正解:C。小筋群を狙う単関節種目は補助種目です。ほかの3つは大筋群を使う多関節のコア種目です。
アイソレーション種目の覚え方
isolate =「孤立させる」→ 1つの関節だけを動かす
判断のコツ:「動いている関節を数える」
1つ → アイソレーション(単関節)= 補助種目 = 後
2つ以上 → コンパウンド(多関節)= コア種目 = 先
アイソレーション種目のまとめ
- アイソレーション種目は1つの関節だけを動かす単関節種目
- 狙った筋肉に集中でき、弱い部位を補うのに向く
- コンパウンド種目の後に補助種目として行うのが基本
- 研究では、コンパウンド種目に足しても追加の効果が出なかった例があり、時間が限られるならコンパウンド種目を優先する
アイソレーション種目の語源と必須用語
| 語 | 語源 | 意味 |
|---|---|---|
| Isolation | イタリア語 isolato(島のように離れた)、ラテン語 insula(島) | 孤立させること |
| Single-joint | single(1つの)+ joint(関節) | 単関節 |
| Compound | ラテン語 componere(組み合わせる) | 複合の=多関節 |
| 用語 | 読み方 | 意味 |
|---|---|---|
| 単関節種目 | たんかんせつしゅもく | 1つの関節だけが動く種目 |
| 多関節種目 | たかんせつしゅもく | 2つ以上の関節が動く種目 |
| コア種目 | こあしゅもく | 大筋群を使う多関節の主要種目(NSCAの区分) |
| 補助種目 | ほじょしゅもく | 小筋群や単関節を狙う種目(NSCAの区分) |
| 種目の配列 | しゅもくのはいれつ | 1回のトレーニングで種目を行う順番 |
参考文献
- de França HS, Branco PAN, Guedes Junior DP, Gentil P, Steele J, Teixeira CVLS. (2015) The effects of adding single-joint exercises to a multi-joint exercise resistance training program on upper body muscle strength and size in trained men. Applied Physiology, Nutrition, and Metabolism 40(8): 822–826. doi:10.1139/apnm-2015-0109
- Paoli A, Gentil P, Moro T, Marcolin G, Bianco A. (2017) Resistance Training with Single vs. Multi-joint Exercises at Equal Total Load Volume: Effects on Body Composition, Cardiorespiratory Fitness, and Muscle Strength. Frontiers in Physiology 8: 1105. doi:10.3389/fphys.2017.01105


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