笑われても、笑顔を返す小さな王子ボッジ。そのまわりには、同じように人に寄りそうキャラが集まっていました。十日草輔のマンガ『王様ランキング』(KADOKAWA)と、そのテレビアニメ(WIT STUDIO制作、2021〜2022年)に登場する主要キャラ16人を、ソーシャルスタイル(コミュニケーションの取り方で人を4タイプに分ける考え方)で分けた結果です。影の一族のカゲや、大蛇のミツマタも、1人と数えています。いちばん多かったのは、人に寄りそう「エミアブル」の7人で、主人公のボッジも、師匠のデスパーも、父のボッス王もこのタイプでした。この記事では、各キャラをそのタイプに分けた理由と、16タイプで考えるとどれに近いかを紹介します。ミランジョやオウケンのように、物語の中で人を傷つけるキャラも、ほかのキャラと同じ基準で分けています。タイプ分けは、その行いを持ち上げるものではありません。
※この記事は、テレビアニメ第1期(全23話)の結末までの内容に触れます。
4タイプの特徴はソーシャルスタイルとは?4タイプの特徴と付き合い方で詳しく説明しています。
16人のタイプ一覧

| キャラ | ソーシャルスタイル | 16タイプで考えると(筆者の推測) |
|---|---|---|
| ドーマス | ドライバー | ISTJ |
| アピス | ドライバー | ISTP |
| カゲ | エクスプレッシブ | ESFP |
| ダイダ | エクスプレッシブ | ESTJ |
| ヒリング | エクスプレッシブ | ESTJ |
| デスハー | エクスプレッシブ | ENFJ |
| ボッジ | エミアブル | ISFP |
| ボッス | エミアブル | ESFJ |
| ベビン | エミアブル | ISFJ |
| ホクロ | エミアブル | ISFJ |
| ミランジョ | エミアブル | INFJ |
| デスパー | エミアブル | ENFP |
| シーナ | エミアブル | ISFJ |
| ドルーシ | アナリティカル | ISTJ |
| オウケン | アナリティカル | INTJ |
| ミツマタ | アナリティカル | ISTJ |
タイプ分けは、作中の言動をもとにした筆者の考察で、公式の設定でも、作者の意図でもありません。タイプに優劣はなく、キャラの良し悪しを決めるものでもないので、推しが意外なタイプでも、ひとつの見方として楽しんでもらえたらうれしいです。「別のタイプでは?」というご意見も歓迎です。
16タイプは、作中の言動から筆者がファンとして推測したものです。本来は本人が質問に答え、結果を自分で確かめるものなので、キャラの性格を楽しむための目安として読んでください。MBTIはMyers & Briggs Foundationの登録商標です。4タイプはまわりから見える振る舞い、16タイプは内面の好みの推測なので、2つがずれて見えるキャラもいます。ネットの無料診断(16Personalitiesなど)は、正式なMBTIとは別のものです。詳しくは日本MBTI協会「MBTIとは」をご覧ください。
ドライバー:ドーマス、アピス
ドーマス(ドライバー)
ボッス王国の四天王のひとりで、「ソードマスター」と呼ばれる剣の達人です。幼いボッジに剣を教えていた師でもあります。ボッジに父ほどの力はつかないと見切りをつけてダイダを支持し、ダイダの命を受けて、旅の途中のボッジを冥府へ続く崖から突き落とします。迷いを顔に出さず、自分で決めたことをそのまま実行する振る舞いから、ドライバーに入れました。そのあと深く悔やみ、自分の右手を切り落として、処刑されかけたホクロを救いに向かいます。決めたら迷わず動くところは、償うときも変わりませんでした。
騎士としての務めと、自分の決めた筋を通そうとするところは、16タイプで考えるとISTJが近そうです。
アピス(ドライバー)
四天王のひとりで、長い槍を使う「王の槍」です。表情をほとんど変えず、淡々と話します。ボッジを王に推していたために、いったん城を追われますが、それでも自分の考えを曲げません。感情を表に出さず、自分の判断で動く振る舞いから、ドライバーに入れました。いまの落ち着いた姿からは想像しにくいですが、もとは臆病な若者で、ミランジョに支えられて臆病さを乗りこえ、「王の槍」を任されるまでになった人でもあります。
言葉は少なく、目の前の戦いで腕を見せるところから、16タイプならISTPと見ました。
エクスプレッシブ:カゲ、ダイダ、ヒリング、デスハー
カゲ(エクスプレッシブ)
暗殺者集団「影の一族」の生き残りです。ボッジの服を盗もうとしたことがきっかけで出会い、ボッジのやさしさに触れて、友だちになると誓います。ボッジがばかにされればその場で本気で怒り、うれしいときも悲しいときも、声と涙で気持ちをまっすぐに表します。思ったことをすぐ口にして、ボッジの代わりに周りとぶつかっていく振る舞いから、エクスプレッシブに入れました。
目の前のボッジのために体ごと動き、その場の気持ちに正直なところは、16タイプで考えるとESFPが近そうです。
ダイダ(エクスプレッシブ)
ボッス王国の第二王子で、ボッジの異母弟です。剣も勉強もでき、王としての自信を周りに隠しません。その一方で、兄のボッジや父ボッスへの思いを、いら立ちや悔しさとして表に出してしまう場面も多く描かれます。自分の考えをはっきり主張し、気持ちも顔と言葉に出る振る舞いから、エクスプレッシブに入れました。魔法の鏡(ミランジョ)の言葉に揺れながらも、物語の終わりには、自分の足で王として立とうとする姿を見せます。
結果を出して認められたい、王として国をまとめたいという思いが強いところから、ESTJに近いと考えます。
ヒリング(エクスプレッシブ)
ボッス王国の王妃で、ダイダの母です。もとは僧侶で、回復の呪文を得意とします。ボッジには厳しい言葉をかけ、次の王を決める投票を発案して、ボッジを跡継ぎにという遺言をくつがえし、ダイダを王位につけます。ボッジには王の激務は耐えられない、という思いからでした。思ったことをはっきり言い、怒りも心配も表情に出す振る舞いから、エクスプレッシブに入れました。きつい言い方の裏で、物語の終わりには、カゲを気にかけるボッジの背中を押してあげる、情の深い人でもあります。
王国のためになるかどうかで、言いにくいこともきっぱり判断するところは、16タイプで考えるとESTJが近そうです。
デスハー(エクスプレッシブ)
冥府の王で、三兄弟の長男です。雷を操る力を持っています。冥府の民からは名君として慕われています。そのいっぽうで、弟のデスパーには、張り合う気持ちを隠しません。怒るときも笑うときも気持ちがそのまま声と顔に出て、王として先頭に立つ振る舞いから、エクスプレッシブに入れました。
民の前に立って国を引っぱり、人を思う気持ちの強いところから、16タイプならENFJと見ました。
エミアブル:ボッジ、ボッス、ベビン、ホクロ、ミランジョ、デスパー、シーナ
ボッジ(エミアブル)
ボッス王国の第一王子で、物語の主人公です。巨人の両親から生まれましたが、体は小さく、耳が聞こえず、話すこともできません。ボッジの分類は迷いました。相手が強くても逃げずに向かっていき、決めたことをやり抜く姿は、ドライバーにも見えるからです。それでも、作中のボッジがいちばんよく見せるのは、笑われても怒らずに笑顔を返し、相手の口の動きを読んで、気持ちを受け止めようとする姿です。人に寄りそう振る舞いを決め手に、2022年の表のとおりエミアブルにしました。
言葉より行動とまなざしで気持ちを伝え、目の前の人を大切にするところは、16タイプで考えるとISFPが近そうです。
ボッス(エミアブル)
ボッス王国を一代で築いた初代国王で、強さだけなら世界一とも言われた巨人です。ボッスの分類は迷いました。圧倒的な強さで国をつくった王の姿は、ドライバーそのものに見えるからです。それでも、物語の中で描かれるボッスは、大きな体で豪快に笑い、最期には、小さく非力なボッジを跡継ぎにと言い残す父親です。周りの声より、わが子を信じる気持ちを選んだその姿を決め手に、2022年の表のとおりエミアブルにしました。
大きな声で笑い、家族や国の人とのつながりを大切にするところから、ESFJに近いと考えます。
ベビン(エミアブル)
四天王のひとりで、蛇を使いこなす諜報担当です。ダイダの指南役として、ダイダのことをいちばん近くで見守ってきました。ボッジの力も認めていて、デスパーへの紹介状をカゲに託します。蛇たちを家族のように大切にする姿も描かれます。自分が前に出るより、仕える相手や周りの人を支える振る舞いから、エミアブルに入れました。
仕える相手のために、目立たないところで黙々と力を尽くすところは、16タイプで考えるとISFJが近そうです。
ホクロ(エミアブル)
ボッス王国の一般の兵士です。母を亡くしたときにボッジに慰めてもらったことがあり、ひそかにボッジを慕っています。ボッジと話すために、独学で手話を身につけていました。ボッジが冥府へ落ちたことを、処罰を覚悟で城へ戻ってヒリングに伝えます。相手を思って自分にできることを積み重ねる振る舞いから、エミアブルに入れました。
受けた恩を忘れず、相手のために地道に努力を続けるところから、ISFJに近いと考えます。
ミランジョ(エミアブル)
肉体を失い、魔法の鏡の中に心だけが残っている女性です。王国を滅ぼそうとたくらみ、ダイダの相談相手として近づいて、ダイダの体をボッス復活の器にする計画を進めます。ミランジョの分類は迷いました。自分の目的に向かって人を動かしていく姿は、ドライバーにも見えるからです。それでも、作中のミランジョがいちばんよく見せるのは、ダイダの話をやさしく聞き、相手の望みに寄りそうように言葉をかける姿です。臆病だったアピスの修業を見守り続けたのもミランジョでした。相手に寄りそう振る舞いを決め手に、2022年の表のとおりエミアブルにしました。物語の後半では、ミランジョ自身が抱えてきたつらい過去も明かされます。
人の心の動きを深く読み、内側に強い思いを抱え続けるところは、16タイプで考えるとINFJが近そうです。
デスパー(エミアブル)
冥府の三兄弟の次男で、ボッジの剣の師匠です。デスパーの分類は迷いました。身なりに気をつかい、お金にもうるさく、指導料をしっかり取ろうとする姿は、エクスプレッシブにも見えるからです。それでも、ボッジを教えるときのデスパーは、まずボッジの体と動きをよく見て、ボッジにしかできない戦い方を一緒に探していきます。相手に合わせて力を引き出す振る舞いを決め手に、2022年の表のとおりエミアブルにしました。
相手の可能性を見つけて、型にとらわれない方法を考えるところは、16タイプで考えるとENFPが近そうです。
シーナ(エミアブル)
ボッス王の最初の妻で、ボッジの実の母です。巨人族の出身で、ボッス王国の最初の王妃でした。ボッジが幼いころ、ボッジをかばって命を落とします。作中で描かれる場面は多くありませんが、そのわずかな場面でも、いつも小さなボッジのそばにいて、わが子を守ろうとする姿が描かれます。その振る舞いから、エミアブルに入れました。
家族をそっと支え、わが子を守るために自分を差し出すところから、16タイプならISFJと見ました。
アナリティカル:ドルーシ、オウケン、ミツマタ
ドルーシ(アナリティカル)
四天王のひとりで、「王妃の盾」としてヒリングを守っています。四天王最強とも言われる戦士です。もとはボッス王に仕えていましたが、王の命で王妃の護衛に回され、その務めを果たし続けています。口数は多くなく、感情を大きく表に出さずに、与えられた役目を黙々とこなす振る舞いから、アナリティカルに入れました。真面目でまっすぐなうえに、情にもろい一面もある人です。
与えられた務めを大切にし、納得したうえで最後までやり抜くところは、16タイプで考えるとISTJが近そうです。
オウケン(アナリティカル)
冥府の三兄弟の末っ子で、元冥府騎士団長です。剣の腕から「剣王」と呼ばれました。若いころは心やさしく謙虚な騎士でしたが、望まない不老不死の体になってから、少しずつ人の心を失っていきます。冥府の牢に閉じこめられていたところをミランジョに解き放たれ、ボッス王国を襲います。オウケンの分類は迷いました。強い力で人を押しのけていく姿は、ドライバーにも見えるからです。それでも、作中のオウケンは口数が少なく、感情を顔に出さないまま、静かに剣をふるいます。その振る舞いを決め手に、2022年の表のとおりアナリティカルにしました。
多くを語らず、ひとりで考えを深めていくところから、INTJに近いと考えます。
ミツマタ(アナリティカル)
ベビンに仕える大蛇です。ボッジに、相手の口の動きから言葉を読みとる読唇術を教え、攻撃をかわす力も鍛えました。言葉で励ますより、相手の動きをじっと見て、必要なことを一つずつ身につけさせていく振る舞いから、アナリティカルに入れました。ボッジの戦い方の土台をつくった、陰の先生のような存在です。
決まった手順で、こつこつ相手を鍛えていくところは、16タイプで考えるとISTJが近そうです。
考察:ふたつの兄弟は、タイプがみんな違った

『王様ランキング』には、ふたつの兄弟が出てきます。ボッス王国のボッジとダイダ、そして冥府のデスハー、デスパー、オウケンの三兄弟です。上の図は、この5人だけを並べたものです。それぞれの兄弟の中では、タイプが一つも重なりませんでした(兄弟をまたぐと、ボッジと師匠のデスパーは同じエミアブルです)。
ボッジはエミアブル、ダイダはエクスプレッシブ。2人とも感情を表す側ですが、ボッジは相手の気持ちを受け止める側、ダイダは自分の考えを主張する側にいます。ダイダは、いつも笑顔で周りから愛されるボッジを、ずっと気にしていました。自分は結果を出して認められようとするダイダにとって、主張しないまま人に好かれていく兄は、わかりにくい存在だったのかもしれません。
冥府の三兄弟は、さらにはっきり分かれました。気持ちを表に出して国を率いるデスハー(エクスプレッシブ)、相手に合わせて力を引き出すデスパー(エミアブル)、感情を見せずに剣をふるうオウケン(アナリティカル)。張り合いながらも、デスハーとデスパーは離れていても声を交わし合い、ここぞという場面では弟の言葉が兄の判断を後押しします。
タイプが違う兄弟は、すれ違うこともあります。けれど、違うからこそ、相手にできないことを自分が引き受けられる。物語の終わりに、ボッジがダイダに国を託して旅に出るのも、そんな兄弟の形のひとつとして読むことができそうです。
まとめ:寄りそう人が多い国
16人のうち7人がエミアブルでした。笑顔を返すボッジ、ボッジを慕って手話を覚えたホクロ、ボッジの力を引き出したデスパー。人の気持ちを受け止めようとするキャラが多いのは、「強さとは何か」を、力の強さだけでなく、人を思う強さとして描くこの作品らしいところです。
その中で、気持ちをまっすぐぶつけるカゲやヒリング、王として先頭に立とうとするダイダが、物語を大きく動かしていきます。寄りそう人と、ぶつかっていく人。その両方がいたから、小さな王子の旅はここまで進んでこられたのかもしれません。


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