熱くなるとすぐ声を荒らげる兄のエドワードは、気持ちを表に出す「エクスプレッシブ」。その兄をいつも冷静に支える弟のアルフォンスは、考えてから動く「アナリティカル」でした。2人は、4象限図で対角にいる正反対のタイプです。『鋼の錬金術師』(荒川弘、スクウェア・エニックス『月刊少年ガンガン』で2001〜2010年に連載、全27巻で完結)のキャラ27人を、ソーシャルスタイル(コミュニケーションの取り方で人を4タイプに分ける考え方)で分けた結果です。この記事では、主要な19人について、そのタイプに分けた理由と、16タイプで考えるとどれに近いかを紹介します。なお、この作品には戦争や多くの命が奪われる場面があります。この記事は、誰かの行いを持ち上げるものではなく、コミュニケーションの取り方だけをタイプで見ていきます。
※この記事は、原作の終盤(結末を除く)までの内容に触れます。
4タイプの特徴はソーシャルスタイルとは?4タイプの特徴と付き合い方で詳しく説明しています。
27人のタイプ一覧

図と本文では主要な19人を紹介し、残りの8人は表だけに載せています。
| キャラ | ソーシャルスタイル | 16タイプで考えると(筆者の推測) |
|---|---|---|
| リザ・ホークアイ | ドライバー | ISTJ |
| オリヴィエ・ミラ・アームストロング | ドライバー | ENTJ |
| キング・ブラッドレイ | ドライバー | ISTJ |
| 傷の男(スカー) | ドライバー | ISTP |
| ゾルフ・J・キンブリー | ドライバー | INTJ |
| エドワード・エルリック | エクスプレッシブ | ENTP |
| ロイ・マスタング | エクスプレッシブ | ENTJ |
| イズミ・カーティス | エクスプレッシブ | ESTP |
| グリード | エクスプレッシブ | ESTP |
| ウィンリィ・ロックベル | エミアブル | ESFJ |
| マース・ヒューズ | エミアブル | ESFJ |
| アレックス・ルイ・アームストロング | エミアブル | ENFJ |
| リン・ヤオ | エミアブル | ENFP |
| メイ・チャン | エミアブル | ESFJ |
| アルフォンス・エルリック | アナリティカル | ISFJ |
| ヴァン・ホーエンハイム | アナリティカル | INFJ |
| ティム・マルコー | アナリティカル | ISFJ |
| ランファン | アナリティカル | ISTJ |
| ラスト | アナリティカル | INTJ |
| ピナコ・ロックベル | ドライバー | ESTJ |
| ジャン・ハボック | ドライバー | ESTP |
| お父様 | ドライバー | INTJ |
| エンヴィー | エクスプレッシブ | ENTP |
| マダム・クリスマス | エクスプレッシブ | ESTJ |
| ニーナ・タッカー | エミアブル | ISFP |
| グラトニー | エミアブル | ISFP |
| マリア・ロス | アナリティカル | ISTJ |
タイプ分けは、作中の言動をもとにした筆者の考察で、公式の設定でも、作者の意図でもありません。タイプに優劣はなく、キャラの良し悪しを決めるものでもないので、推しが意外なタイプでも、ひとつの見方として楽しんでもらえたらうれしいです。「別のタイプでは?」というご意見も歓迎です。
16タイプは、作中の言動から筆者がファンとして推測したものです。本来は本人が質問に答え、結果を自分で確かめるものなので、キャラの性格を楽しむための目安として読んでください。MBTIはMyers & Briggs Foundationの登録商標です。4タイプはまわりから見える振る舞い、16タイプは内面の好みの推測なので、2つがずれて見えるキャラもいます。ネットの無料診断(16Personalitiesなど)は、正式なMBTIとは別のものです。詳しくは日本MBTI協会「MBTIとは」をご覧ください。
ドライバー:リザ・ホークアイ、オリヴィエ・ミラ・アームストロング、キング・ブラッドレイ、傷の男(スカー)、ゾルフ・J・キンブリー
リザ・ホークアイ(ドライバー)
ロイ・マスタングの副官で、銃の名手です。感情を表に出さず、ロイに対しても、言うべきことははっきり言います。いざというときは、自分の判断で引き金を引く覚悟を持っています。自分で決めて動くので、ドライバーに入れました。
任務と約束を、黙って守り抜くところは、16タイプで考えるとISTJが近そうです。
オリヴィエ・ミラ・アームストロング(ドライバー)
北の国境を守るブリッグズ要塞の司令官で、アレックス・ルイ・アームストロングの姉です。オリヴィエの分類は迷いました。2022年の表では、部下や弟を激しい言葉でしかりつけるところから、エクスプレッシブに入れていました。けれど、オリヴィエは感情をぶつけるより、状況を見て即座に決め、部下を動かす人です。いちばんよく見せるこの振る舞いを決め手に、ドライバーに見直しました。
強い組織を率い、迷わず決断するところから、ENTJに近いと考えます。
キング・ブラッドレイ(ドライバー)
アメストリスの頂点に立つ大総統で、剣の腕は並はずれています。穏やかな態度の裏で、迷いなく物事を決め、国を動かしています。イシュヴァールの人々を滅ぼす戦いを命じたのも、大総統のブラッドレイでした。その行いは、決して許されるものではありません。自分で決めて人を動かすので、ドライバーに入れました。
決められた道を、迷わず進むところは、16タイプで考えるとISTJが近そうです。
傷の男(スカー)(ドライバー)
額に傷を持つイシュヴァール人で、一族を滅ぼした国の国家錬金術師たちを、次々に襲っていきます。その行いで、多くの命が奪われました。復讐の重さは理解できても、その行いが許されるものではありません。のちにスカーは、復讐とは別の道を歩みはじめます。言葉少なく、自分の決めた目的のために動くので、ドライバーに入れました。
黙って目的を定め、行動で示すところから、ISTPに近いと考えます。
ゾルフ・J・キンブリー(ドライバー)
「紅蓮の錬金術師」と呼ばれる国家錬金術師で、物を爆弾に変える錬金術を使います。イシュヴァールの戦いでは、多くの人の命を奪いました。その冷酷な行いは、決して許されるものではありません。感情に流されず、自分の美学どおりに動くので、ドライバーに入れました。
自分の基準を持ち、計画どおりに動くところは、16タイプで考えるとINTJが近そうです。
エクスプレッシブ:エドワード・エルリック、ロイ・マスタング、イズミ・カーティス、グリード
エドワード・エルリック(エクスプレッシブ)
「鋼の錬金術師」と呼ばれる、史上最年少の国家錬金術師です。母を生き返らせようとした人体錬成で左脚を失い、弟アルの魂を鎧に定着させる代わりに右腕を差し出しました。今は、機械鎧(オートメイル)の右腕と左脚で旅を続けています。小柄なことを言われると、すぐに怒りだします。怒りも喜びも隠さず、思ったことをすぐ口にするので、エクスプレッシブに入れました。
ひらめきで錬成し、相手の予想を裏切って勝ち筋を見つけるところから、16タイプならENTPと見ました。
ロイ・マスタング(エクスプレッシブ)
「焔の錬金術師」と呼ばれる国軍の大佐で、指を鳴らして炎を起こします。大総統になって国を変えるという大きな目標を、部下たちにも隠しません。自信に満ちた言葉で人を引きつけるので、エクスプレッシブに入れました。
大きな目標を掲げ、人を率いるところは、16タイプで考えるとENTJが近そうです。4タイプと16タイプでは見ている軸が違うので、ずれることもあります。
イズミ・カーティス(エクスプレッシブ)
エドとアルの錬金術の師匠です。「主婦です!」と名のりながら、弟子にも容赦なく体ごとぶつかっていきます。怒るときも、ほめるときも、感情をそのまま表に出すので、エクスプレッシブに入れました。
言葉より先に体が動くところから、ESTPに近いと考えます。
グリード(エクスプレッシブ)
「強欲」の名を持つホムンクルスです。金も女も権力も、欲しいものは欲しいとはっきり口にします。仲間も自分の「持ち物」として大事にします。欲も気持ちも隠さないので、エクスプレッシブに入れました。
欲しいものに正直に、すぐ動くところは、16タイプで考えるとESTPが近そうです。
エミアブル:ウィンリィ・ロックベル、マース・ヒューズ、アレックス・ルイ・アームストロング、リン・ヤオ、メイ・チャン
ウィンリィ・ロックベル(エミアブル)
エドとアルの幼なじみで、エドの機械鎧を整備する技師です。ウィンリィの分類は迷いました。エドが機械鎧を壊すとスパナで殴りつけるところは、エクスプレッシブにも見えます。けれど、ふだんのウィンリィは、旅を続ける兄弟の話を聞き、帰りを待ち、ぼろぼろになった体を支え続けます。いちばんよく見せるこの振る舞いを決め手に、エミアブルに入れました。
大切な人を支えるために、手を動かし続けるところから、ESFJに近いと考えます。
マース・ヒューズ(エミアブル)
ロイの親友で、軍の中佐です。妻と娘の写真を見せては、誰かれかまわず家族の自慢をします。ロイを陰で支え、エドとアルのことも気にかけます。人を思って動く振る舞いから、エミアブルに入れました。
家族や友人を何より大切にするところは、16タイプで考えるとESFJが近そうです。
アレックス・ルイ・アームストロング(エミアブル)
「豪腕の錬金術師」と呼ばれる国軍の少佐です。人の話に感動すると、涙を流して上着を脱ぎ捨てるほど情に厚い人です。エドとアルの事情を知ると、自分のことのように心を寄せます。人の気持ちを受け止める振る舞いから、エミアブルに入れました。
人の痛みに寄りそい、力になろうとするところから、ENFJに近いと考えます。
リン・ヤオ(エミアブル)
シン国の皇子で、不老不死の法を求めてアメストリスにやって来ました。いつもにこにこしていて、相手の出方をよく見ながら、うまく周りに合わせます。臣下のランファンやフーを家族のように大切にし、のちにはエドたちとも手を組みます。人に寄りそい、関係を大事にする振る舞いから、エミアブルに入れました。
人とのつながりを大事にし、柔軟に動くところは、16タイプで考えるとENFPが近そうです。
メイ・チャン(エミアブル)
シン国の皇女で、小さなパンダのシャオメイを連れています。錬丹術の使い手で、アルのことを慕っています。周りの人の気持ちに寄りそって動くので、エミアブルに入れました。
人を思い、素直に気持ちを向けるところから、ESFJに近いと考えます。
アナリティカル:アルフォンス・エルリック、ヴァン・ホーエンハイム、ティム・マルコー、ランファン、ラスト
アルフォンス・エルリック(アナリティカル)
エドの弟です。人体錬成で体を失い、魂を大きな鎧に定着させて生きています。アルの分類は迷いました。誰にでもやさしく、捨て猫を放っておけないところは、エミアブルにも見えます。けれど、兄が熱くなるときほど、アルは一歩引いて状況を考え、冷静に止めに入ります。いちばんよく見せるこの振る舞いを決め手に、アナリティカルに入れました。
周りを気づかいながら、落ち着いて支えるところは、16タイプで考えるとISFJが近そうです。
ヴァン・ホーエンハイム(アナリティカル)
エドとアルの父です。家族を置いて家を出て、長いあいだ旅を続けていました。多くを語らず、穏やかな態度の奥で、ずっと考え続けています。感情を抑え、考えてから動くので、アナリティカルに入れました。
長い時間をかけて、静かに答えを探すところから、INFJに近いと考えます。
ティム・マルコー(アナリティカル)
医師でもある錬金術師です。かつての研究で多くの人を苦しめたことを悔い、名前を変えて小さな町に隠れ住んでいました。自分の罪を見つめ、慎重に言葉を選ぶので、アナリティカルに入れました。
人の命を救うことで、静かに償おうとするところは、16タイプで考えるとISFJが近そうです。
ランファン(アナリティカル)
リンに仕える護衛で、仮面をつけて戦います。口数は少なく、主君を守ることを第一に、黙って任務を果たします。感情を抑え、状況を見て動くので、アナリティカルに入れました。
役目を、こつこつと黙って果たし続けるところから、ISTJに近いと考えます。
ラスト(アナリティカル)
「色欲」の名を持つホムンクルスで、鋭くのびる指先で人を襲います。何人もの命を奪ってきた、その冷酷さは決して許されるものではありません。感情を見せず、落ち着いて相手の様子をうかがってから動くので、アナリティカルに入れました。
先を見て、静かに計画を進めるところは、16タイプで考えるとINTJが近そうです。
考察:この作品の兄弟は、なぜ正反対のタイプなのか
黄泉のツガイの記事で、兄弟や双子は「正反対か、同じタイプになりやすい」と考えました。この作品にも、それに当てはまる兄弟が2組います。イルミとキルアのように、同じタイプの兄弟もいます。そのうえで、この作品の兄弟を見てみます。
1組目は、エドとアルです。兄のエドはエクスプレッシブ、弟のアルはアナリティカル。4象限図で対角にいる、正反対のタイプです。熱くなって飛び出すエドを、アルが一歩引いて止める。正反対だからこそ、片方が見落とすものを、もう片方が拾ってきました。
2組目は、アームストロング家の姉弟です。姉のオリヴィエはドライバー、弟のアレックスはエミアブル。こちらも、対角にいる正反対のタイプです。姉は決めて命じ、弟は人の気持ちを受け止めます。
この2組を見ると、近くで育つ兄弟は、同じ役割を取り合うより、違う役割に分かれたほうがぶつかりにくい、ということもあるのかもしれません。片方が前に出れば、もう片方は引いて支える。そうして自然と、正反対の場所に落ち着いていく。ここに書いたのは、見える振る舞いから考えた、ひとつの読み方です。
まとめ:正反対の兄弟が、ひとつの旅を続ける
27人のタイプはほぼ均等に分かれ、登場人物の幅の広さが表れる結果になりました。
その中心にいるのは、正反対のタイプの兄弟です。気持ちのままに走るエドと、考えて支えるアル。違うからこそ、2人は体を取り戻す長い旅を、2人で続けていきます。

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