名前のとおり、桃の実に隠れて暮らすカクレモモジリは、図鑑の生態から読むと、静かな「アナリティカル」でした。ところがアニメでは、冒険好きで仲間を巻きこむ、まったくちがう性格で描かれています。『こびとづかん』(なばたとしたか作・絵の絵本・図鑑シリーズ、2006年〜)のコビトは、昆虫でも植物でもない、ふしぎな生き物です。図鑑には、すみかや食べ物、ふしぎな習性が書かれています。この記事では、その生態を「性格」として読み、コビト19種類をソーシャルスタイル(コミュニケーションの取り方で人を4タイプに分ける考え方)で分けてみました。生き物の生態を人の性格に見立てる、いつもより遊びの強い記事です。各コビトをそのタイプに分けた理由と、16タイプで考えるとどれに近いかを紹介します。そのあと、すみかごとにタイプを比べ、アニメで性格をもらったコビトとのちがいも考えます。
※この記事は、『こびと大百科』などの図鑑に書かれた生態と、アニメ『ちょびっとづかん』(2016年放送)の設定までの内容に触れます。
4タイプの特徴はソーシャルスタイルとは?4タイプの特徴と付き合い方で詳しく説明しています。
19種類のタイプ一覧

生態を性格として読むために、この記事では2つのルールを決めました。1つ目は、人目に出てくるか、隠れて暮らすか。出てくるコビトは「感情を表す」側、隠れて暮らすコビトは「感情を抑える」側と読みます。2つ目は、ほかの生き物に向かっていくか、周りに合わせるか。狩りをしたり、ほかの生き物をあやつったりするコビトは「意見を主張する」側、ほかの生き物と共に暮らしたり、身をまかせたりするコビトは「意見を聞く」側と読みます。図と本文では14種類を紹介し、ルールで同じくアナリティカルになった5種類は、表だけに載せています。動物の毛にひそむカクレケダマ、リスと暮らし木にカモフラージュするモクモドキオオコビト、水の中で過ごすイケノミズクサ、なかなか見つからないマツタケノフウミダケ、山奥にすむおとなしいベニキノコビトです。図鑑には、ほかにもたくさんのコビトがいます。ナツノツマミやシボリオオチチのように、図鑑に性格の手がかりになる習性が書かれていないコビトや、オオヒレカワコビト、ヤドダシカムリのように、ルールではタイプが決まらないコビトは、今回は分けていません。
| キャラ | ソーシャルスタイル | 16タイプで考えると(筆者の推測) |
|---|---|---|
| リトルハナガシラ | ドライバー | ESTP |
| ヒメイエコビト | ドライバー | ESTJ |
| セミグルメ | ドライバー | ISTP |
| アラシクロバネ | エクスプレッシブ | ESTP |
| ハダカウミテング | エクスプレッシブ | ESFP |
| バイブスマダラ | エクスプレッシブ | ESFP |
| クサマダラオオコビト | エミアブル | ISFJ |
| イヤシミドリバネ | エミアブル | ENFJ |
| ヨツバカンノン | エミアブル | ISFJ |
| カクレモモジリ | アナリティカル | ISFP |
| ホトケアカバネ | アナリティカル | INFJ |
| シノビイエコビト | アナリティカル | ISTP |
| ヤマビコビト | アナリティカル | INTP |
| ツチノコビト | アナリティカル | ISTJ |
| カクレケダマ | アナリティカル | ISFP |
| モクモドキオオコビト | アナリティカル | INFP |
| イケノミズクサ | アナリティカル | INFP |
| マツタケノフウミダケ | アナリティカル | INTJ |
| ベニキノコビト | アナリティカル | ISFP |
タイプ分けは、作中の言動をもとにした筆者の考察で、公式の設定でも、作者の意図でもありません。タイプに優劣はなく、キャラの良し悪しを決めるものでもないので、推しが意外なタイプでも、ひとつの見方として楽しんでもらえたらうれしいです。「別のタイプでは?」というご意見も歓迎です。
16タイプは、作中の言動から筆者がファンとして推測したものです。本来は本人が質問に答え、結果を自分で確かめるものなので、キャラの性格を楽しむための目安として読んでください。MBTIはMyers & Briggs Foundationの登録商標です。4タイプはまわりから見える振る舞い、16タイプは内面の好みの推測なので、2つがずれて見えるキャラもいます。ネットの無料診断(16Personalitiesなど)は、正式なMBTIとは別のものです。詳しくは日本MBTI協会「MBTIとは」をご覧ください。
ドライバー:リトルハナガシラ、ヒメイエコビト、セミグルメ
リトルハナガシラ(ドライバー)
湿った草むらにすむ、体長8〜12cmほどの小さなコビトです。体は小さいのに、かなりどう猛で、昆虫だけでなく、トカゲやネズミまで食べます。小さな群れで動き、仲間同士の争いが絶えません。草むらに隠れて暮らしながら、獲物には自分から向かっていくので、ドライバーに入れました。仲間同士で争うところは、気持ちが表に出るエクスプレッシブにも見えますが、ルールにあてはめて、ドライバーとしました。アニメでは少しちがう性格で描かれます(後半で紹介します)。
その場で獲物に向かっていく行動力から、16タイプで考えるとESTPが近そうです。
ヒメイエコビト(ドライバー)
家の屋根裏など、高いところにすむコビトです。蚊をあやつり、ものを盗んで屋根裏に隠す習性があります。そして、同じ家にすむシノビイエコビトたちを、とりまとめています。人目につかない屋根裏にいながら、ほかの生き物や仲間を動かすので、ドライバーに入れました。
家という組織をまとめ、役割を決めて動かすところから、ESTJに近いと考えます。
セミグルメ(ドライバー)
森や林、神社の境内など、セミのいるところに現れるコビトです。夏になると、セミを食べるためだけに姿を見せ、ほかの季節にどうしているのかは、まったくわかっていません。ふだんは姿を隠し、夏だけはセミに向かっていくので、ドライバーに入れました。
やるべきときだけ動き、ふだんは姿を見せないところは、ISTPらしいところです。
エクスプレッシブ:アラシクロバネ、ハダカウミテング、バイブスマダラ
アラシクロバネ(エクスプレッシブ)
お墓や荒れた木の上にすむコビトです。気が荒く、乱暴で、きれいな物が大嫌いです。カラスや黒猫といっしょにいることが多いとされます。隠れずに木の上に陣取り、荒っぽさを周りにぶつけるので、エクスプレッシブに入れました。
気分のままに動き、好き嫌いがはっきりしているところから、16タイプならESTPと見ました。
ハダカウミテング(エクスプレッシブ)
ウミガメが産卵する、ひらけた砂浜にすむコビトです。やる気のなさそうな見た目とはうらはらに、どう猛で欲張りです。ウミガメの卵が大好物で、目がありません。ひらけた場所で、ほしいものに向かっていくので、エクスプレッシブに入れました。
見た目に似合わず、好きなものにはまっすぐなところから、ESFPに近いと考えます。
バイブスマダラ(エクスプレッシブ)
緑の多い庭や公園にすむコビトです。特定のすみかをつくらず、転々とします。ふだんは温和ですが、怒ると怖いとされます。バイブスマダラの分類は迷いました。ふだんのおだやかさは、エミアブルにも見えます。けれど、人の近くの庭や公園で暮らし、すみかを決めずに自由に動きまわり、怒れば相手に向かっていく。ルールにあてはめて、エクスプレッシブに入れました。
決まった場所にしばられず、気の向くままに動くところから、16タイプで考えるとESFPが近そうです。
エミアブル:クサマダラオオコビト、イヤシミドリバネ、ヨツバカンノン
クサマダラオオコビト(エミアブル)
陽当たりのいい草むらにすむコビトです。気が弱く、臆病です。大きくなると脱皮します。明るい草むらで暮らしながら、自分から何かに向かっていくことはないので、エミアブルに入れました。
控えめで、まわりの様子をうかがいながら暮らすところから、ISFJに近いと考えます。
イヤシミドリバネ(エミアブル)
自然豊かな森にすみ、空を飛ぶコビトです。親子でいることが多く、羽根の匂いには、リラクゼーションの効果があるといわれます。空を飛んで姿を見せ、家族といっしょにいて周りをいやすので、エミアブルに入れました。
そばにいる相手の心をなごませるところから、16タイプならENFJと見ました。
ヨツバカンノン(エミアブル)
クローバーが群生している場所にすむコビトです。おだやかな顔つきをしていて、わずかな水だけでも暮らしていけるという説があります。ひらけたクローバーの野原で、何かと争うことなく暮らすので、エミアブルに入れました。
少しのもので満ち足りて、おだやかに暮らすところから、ISFJに近いと考えます。
アナリティカル:カクレモモジリ、ホトケアカバネ、シノビイエコビト、ヤマビコビト、ツチノコビト
カクレモモジリ(アナリティカル)
桃園などにすむ、体長15cmほどのコビトです。熟れた桃の実に寄生し、桃の糖分を吸って暮らしています。青い果実には興味がありません。名前のとおり桃に隠れ、桃にまかせて暮らすので、アナリティカルに入れました。アニメでは、まったくちがう性格で描かれます(後半で紹介します)。
自分の好きなものの中で、静かに満ち足りて暮らすところから、16タイプで考えるとISFPが近そうです。
ホトケアカバネ(アナリティカル)
空を飛ぶことができるコビトです。ハトといっしょに行動することが多く、ハトのえさが大好物です。めったに見ることができない、とても珍しいコビトで、「目撃すると幸せになれる」といわれています。ハトにまぎれ、めったに姿を見せないので、アナリティカルに入れました。
人知れず、見た人にだけ幸せを運ぶところから、INFJに近いと考えます。
シノビイエコビト(アナリティカル)
家の暗くて狭い場所にすむコビトです。ゴキブリを自由にあやつって移動し、手先が器用です。ひとつの家に何人もすんでいて、ヒメイエコビトにとりまとめられています。ゴキブリをあやつるといっても、それは隠れて移動するための足で、何かに向かっていくためではありません。暗い場所に隠れ、まとめ役のもとで動くので、アナリティカルに入れました。
手先の器用さで、黙々と仕事をこなすところから、16タイプならISTPと見ました。
ヤマビコビト(アナリティカル)
標高の高い山にすむコビトです。トウチン(頭の上の突起)は、広げるとかなり大きくなります。大きな音、特に人間の声が嫌いです。人の声を避けて、静かな高い山にこもるので、アナリティカルに入れました。
騒がしさから離れ、静かな場所を好むところは、INTPらしいところです。
ツチノコビト(アナリティカル)
奥深い山の中の、土の中にすむコビトです。目はあまりよくありませんが、体の形を変えることができます。人の来ない深い土の中に隠れて暮らすので、アナリティカルに入れました。
決まった場所で、自分の暮らし方を守り続けるところから、ISTJに近いと考えます。
すみか別の考察:山奥には、隠れて暮らすコビトが集まる
| すみか | ドライバー | エクスプレッシブ | エミアブル | アナリティカル | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 山・森の奥 | 1 | 0 | 1 | 5 | 7 |
| 水辺・海 | 0 | 1 | 0 | 1 | 2 |
| 草むら・庭・公園など人の近く | 1 | 2 | 2 | 2 | 7 |
| 人の家 | 1 | 0 | 0 | 1 | 2 |
| 計 | 3 | 3 | 3 | 9 | 18 |
すみかごとに分けてみると、ひとつの傾向が見えてきます(すみかが図鑑で「不明」のホトケアカバネは、表から外しています。動物の毛にひそむカクレケダマは、ペットなど身近な動物の毛にもひそむと考えて、「人の近く」に入れました)。山や森の奥にすむ7種類のうち、5種類がアナリティカルでした。土の中のツチノコビト、人の声を嫌うヤマビコビト、なかなか見つからないマツタケノフウミダケ。人の来ない場所で、ひっそり暮らすコビトたちが集まっていました。
一方、草むらや庭、公園など、人の暮らしに近いところでは、4つのタイプがすべてそろいました。乱暴なアラシクロバネ、群れで狩りをするリトルハナガシラ、臆病なクサマダラオオコビト。人の近くには、いろいろな暮らし方のコビトがいます。
おもしろいのは、人の近くにいるアナリティカルの2種類が、カクレモモジリとカクレケダマだということです。どちらも、名前に「カクレ」がついています。人の近くで静かに暮らすには、桃の実や動物の毛の中に「隠れる」しかない。名前そのものが、暮らし方を表しているのかもしれません。
すみか別の考察:家のコビトは、まとめ役のいるチーム
| キャラ | ソーシャルスタイル | 16タイプで考えると(筆者の推測) |
|---|---|---|
| ヒメイエコビト | ドライバー | ESTJ |
| シノビイエコビト | アナリティカル | ISTP |
人の家にすむ2種類は、ほかのコビトとは少しちがいます。シノビイエコビトがいる家には、必ずヒメイエコビトがひとりいて、シノビたちをとりまとめています。まとめ役のドライバーと、その下で器用に動くアナリティカル。家の中のコビトは、役割の分かれたチームで暮らしています。シノビ(忍び)という名前も、カクレモモジリやカクレケダマと同じく、隠れて暮らすアナリティカルらしい名前です。
人の家という、見つかれば危ない場所だからこそ、ばらばらではなく、まとめ役のいるチームで動く。そう考えると、コビトの中でいちばん「組織」らしいのが、家のコビトなのかもしれません。
考察:図鑑の生態と、アニメの性格はちがうことがある
スピンアウトのテレビアニメ『ちょびっとづかん』(2016年放送)では、カクレモモジリ、リトルハナガシラ、ホトケアカバネ、タカラコガネ、クサマダラオオコビトの5人が、声と性格をもらって仲間として冒険します。図鑑の生態から読んだタイプと、アニメの性格をくらべると、おもしろいずれがあります。
いちばん大きいのは、カクレモモジリです。図鑑では、桃に隠れて暮らすアナリティカルでした。アニメでは、おっとりした冒険好きの女の子で、トラブルを起こしては仲間を巻きこみ、本人は気にしません。思いついたら動いてその場を楽しむ、エクスプレッシブの姿です。隠れて暮らす生き物が、アニメでは物語を動かす主人公になりました。
リトルハナガシラも、図鑑では群れで狩りをするドライバーでしたが、アニメでは関西弁で話す、気が短く怒りっぽい男の子です。気持ちがすぐ口と顔に出る、エクスプレッシブに近く見えます。図鑑の「どう猛さ」が、アニメでは「短気」という、より人間らしい形になったように見えます。ホトケアカバネも、図鑑ではめったに姿を見せないアナリティカルでしたが、アニメでは敬語で話す楽天家で、エミアブルに近く見えます。
一方、臆病なクサマダラオオコビトは、アニメでものんびり屋で、あせると汗をかく、エミアブルらしい性格のままでした。図鑑に性格の手がかりが書かれていないタカラコガネは、アニメでは、キザでマイペースな、外国なまりのコビトとして描かれています。
生き物としての生態と、キャラとしての性格は、同じではありません。それでも、もとの生態をどこかに残しながら、キャラとしての性格がつけられている。ここに書いたのは、図鑑とアニメの描写から考えた、ひとつの読み方です。
まとめ:すみかが、コビトの性格をつくっているのかもしれない
19種類のうち、アナリティカルが10種類でいちばん多く、エミアブル・エクスプレッシブ・ドライバーが3種類ずつでした。ふしぎな生き物のコビトは、多くが人に見つからないように、隠れて暮らしています。
山奥には隠れて暮らすコビトが集まり、人の近くにはいろいろなタイプがそろい、家のコビトはまとめ役のいるチームで暮らす。生態を性格として読んでみると、すみかと暮らし方が、コビトの「性格」をつくっているように見えてきます。お子さんといっしょに、「このコビトはどのタイプ?」と話してみるのも楽しいかもしれません。


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