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外発的動機づけ

外発的動機づけ 発達・教育

外からの報酬や罰によって行動が促されること

簡単な説明

人々は外部からの報酬や罰を期待して行動を起こします。この動機づけは、行動が期待される結果(報酬)を得るため、または避けたい結果(罰)を避けるために行われます。

由来

外発的動機づけの概念は、行動心理学や認知心理学の中で発展してきました。特に、B.F.スキナーのオペラント条件づけの理論がこの考え方の基礎となっています。彼の研究は、報酬と罰が行動にどのような影響を与えるかを明らかにしました。

具体的な説明

外発的動機づけとは、報酬(お金、賞賛、称賛など)や罰(叱責、罰金、失敗など)といった外部の要因によって行動を起こすことです。例えば、宿題をやるのは親や教師からの褒め言葉や良い成績をもらうため、というのが外発的動機づけの一例です。

スキナーのオペラント条件づけの実験が有名です。スキナーは、動物に特定の行動をさせ、その行動が報酬(食べ物)によって強化されることを示しました。例えば、ネズミがレバーを押すと食べ物が出てくる装置を使い、ネズミがその行動を頻繁に行うようになることを観察しました。

外発的動機づけは、行動の強化理論に基づいています。強化理論では、報酬が行動の頻度を増加させ、罰が行動の頻度を減少させるとされています。この動機づけの理論は、教育や組織管理、マーケティングなど多くの分野で応用されています。

例文

「テストで高得点を取って親に褒められたいのは、外発的動機づけの一例です。」

疑問

Q: 外発的動機づけと内発的動機づけの違いは何ですか?

A: 外発的動機づけは外部からの報酬や罰によって行動が促されるのに対し、内発的動機づけは個人の内面的な興味や満足感によって行動が促されます。

Q: 外発的動機づけは持続性がありますか?

A: 一般的に、外発的動機づけは報酬や罰がなくなると行動も減少するため、内発的動機づけに比べて持続性が低いとされています。

Q: 報酬が行動に与える影響はどのように異なりますか?

A: 適切な報酬は行動を強化しますが、過剰な報酬は逆に行動の内発的動機を低下させることがあります。

Q: どのような場面で外発的動機づけが効果的ですか?

A: 短期間で特定の行動を促進したい場合や、行動の初期段階で効果的です。

Q: 外発的動機づけのデメリットは何ですか?

A: 過度に依存すると、報酬がないと行動が維持されなくなる可能性があり、内発的動機づけを損なうことがあります。

Q: 外発的動機づけは昨今良くない風潮がありますが本当にダメなのですか?

A:

外発的動機づけが完全に悪いというわけではありませんが、使用方法や状況によってはデメリットが生じることがあります。以下にその理由と状況について説明します。

外発的動機づけの問題点と利点

問題点
  1. 内発的動機の低下: 外発的報酬に頼りすぎると、もともと持っていた内発的動機が低下することがあります。例えば、子供が好きで絵を描いていたのに、報酬としてお小遣いを与え始めると、絵を描く楽しさそのものよりもお金のために描くようになってしまうことがあります。
  2. 持続性の低下: 報酬がなくなると、行動も止まってしまうことが多いです。これは、行動が報酬に依存しているためです。例えば、ボーナスを目当てに頑張っていた社員が、ボーナスがなくなるとやる気を失うことがあります。
  3. 創造性の低下: 外発的動機づけは短期的な目標達成には有効ですが、創造的な問題解決や深い学習には適さないことがあります。プレッシャーやストレスが増えることで、自由な発想や新しいアイデアが出にくくなります。
利点
  1. 短期的な目標達成: 外発的動機づけは、特定の行動をすぐに促進するのに効果的です。例えば、デッドラインが迫っているプロジェクトにおいて、ボーナスや罰則を設定することでメンバーのやる気を引き出すことができます。
  2. 習慣形成: 初期段階では外発的動機づけを利用して行動を習慣化させ、その後に内発的動機づけにシフトさせることが有効です。例えば、子供に対して勉強を始めさせるために最初は報酬を与え、そのうちに勉強そのものの楽しさを見つけてもらう方法です。
  3. 組織やチームの統制: 組織やチームで一定の行動を確保するためには、外発的動機づけが有効です。ルールや規律を守るためのインセンティブやペナルティを設けることで、統制を保ちやすくなります。

外発的動機づけは、状況や目的に応じて適切に使うことで効果を発揮しますが、長期的なモチベーションや創造性を必要とする場面では内発的動機づけを併用することが重要です。重要なのは、バランスを取りながら、個人やチームの特性に応じて動機づけの方法を選択することです。

Q: 外発的動機づけが完全にダメだとされる理由は何ですか?

A: 外発的動機づけが完全にダメだとされるわけではありませんが、過度に依存すると以下のような問題が生じることがあります。まず、内発的動機が低下する可能性があり、報酬がなくなると行動が続かないことが多いです。また、創造性や自由な発想が抑制されることもあります。しかし、短期的な目標達成や行動の習慣化には有効です。

Q: 内発的動機づけと併用することのメリットは何ですか?

A: 内発的動機づけと併用することで、長期的なモチベーションの維持や創造性の発揮が期待できます。外発的動機づけで行動を促進しつつ、内発的動機づけを育てることで、報酬や罰がなくても持続的に行動を続けることができます。

Q: 具体的な場面で外発的動機づけを効果的に使うにはどうしたらよいですか?

A: 短期的な目標や行動を促進する際に外発的動機づけが有効です。例えば、プロジェクトのデッドラインに向けたインセンティブやペナルティを設定することで、メンバーのやる気を引き出すことができます。また、習慣形成の初期段階で報酬を利用し、その後徐々に内発的動機づけにシフトさせる方法も効果的です。

Q: 外発的動機づけが創造性に与える影響は何ですか?

A: 外発的動機づけは、特にプレッシャーやストレスがかかる状況では、創造性や自由な発想を抑制することがあります。報酬や罰に焦点を当てると、問題解決のための新しいアイデアや独創的な思考が出にくくなることがあります。

Q: 外発的動機づけを適切に使うためのポイントは何ですか?

A: 外発的動機づけを適切に使うためには、報酬や罰を過度に使わず、内発的動機づけとバランスを取ることが重要です。また、報酬を与える場合には、行動の質や努力に対して適切な報酬を設定し、内発的動機を損なわないように注意する必要があります。

理解度を確認する問題

Q: 外発的動機づけに関する説明として正しいのはどれですか?

  1. 自己満足のために行動すること
  2. 外部からの報酬や罰によって行動すること
  3. 行動が自然に生じること
  4. 行動を全くしないこと

A: 2. 外部からの報酬や罰によって行動すること

関連キーワード

  • 報酬
  • 強化理論
  • オペラント条件づけ
  • 行動心理学

関連論文

Deci, E. L., Koestner, R., & Ryan, R. M. (1999)

“A meta-analytic review of experiments examining the effects of extrinsic rewards on intrinsic motivation”

この論文は、外発的報酬が内発的動機に与える影響を調査した実験のメタ分析を行ったものです。複数の研究データを統合して、外発的報酬が内発的動機づけをどのように変化させるかを検討しています。

  • 外発的報酬が内発的動機を減少させる場合が多いことが確認されました。特に、タスクの達成に対する報酬は内発的動機を著しく低下させることが多いです。
  • しかし、非条件的な報酬(例:単なる参加報酬)は、内発的動機にそれほど影響を与えないことも示されています。
  • また、外発的報酬が提供されると、その報酬がなくなると行動が減少する傾向が見られました。

Ryan, R. M., & Deci, E. L. (2000)

“Intrinsic and extrinsic motivations: Classic definitions and new directions”

この論文は、内発的動機づけと外発的動機づけの定義およびそれらがどのように相互作用するかについての包括的なレビューです。特に、外発的動機づけが内発的動機づけに与える影響について詳述しています。

  • 外発的動機づけが短期的には行動を促進する効果があるが、長期的には内発的動機を低下させる可能性があるとされています。
  • 適切な外発的動機づけ(例:フィードバックや称賛)は、内発的動機を損なわずに行動を強化することが可能です。
  • 外発的動機づけが教育や職場でどのように適用されるかについて具体例が示され、適切なバランスの重要性が強調されています。

“The relationship of recreational runners’ motivation and resilience levels to the incidence of injury” (PLOS ONE, 2020)

この研究では、趣味でランニングをするアスリートのレジリエンスと動機づけが怪我の発生にどのように影響するかを調査しました。

  • 動機づけと怪我の関係: 内発的動機づけが高いランナーは、レジリエンスが高く、怪我の発生が少ないことが確認されました。一方で、外発的動機づけが高いランナーは、レジリエンスが低く、怪我の発生率が高い傾向がありました。
  • レジリエンスの影響: レジリエンスが高いランナーは、ストレスや困難に対して適応する能力が高く、怪我からの回復も早いです。外発的動機づけに頼りすぎると、ストレスに対する適応能力が低下しやすくなることが示唆されています。

覚え方

「外(がい)での仕事が給料(報酬)と罰(減給)で動く」
この覚え方で、外発的動機づけが外部からの報酬や罰で行動が促されることを思い出しやすくなります。

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