完全習得学習

全ての生徒が学習目標を完全に達成するまで指導を続ける教育方法のこと

簡単な説明

完全習得学習は、教育現場で広く用いられる教育方法の一つです。この方法では、各単元ごとに目標を設定し、生徒がその目標を達成するまで指導を続けます。目標を達成できない生徒には、個別指導や補習を行い、全ての生徒が同じ理解度になるまでサポートします。このアプローチにより、生徒の学習意欲を高め、学習成果を向上させることができます。

由来

完全習得学習（Mastery Learning）は、教育心理学者のベンジャミン・ブルーム（Benjamin Bloom）が1960年代に提唱した教育方法です。ブルームは、従来の教育方法が生徒の学習進度に個人差があることを無視していると指摘し、全ての生徒が完全に理解するまで学習を続けることの重要性を強調しました。

具体的な説明

完全習得学習は、生徒が学習目標を完全に理解し、習得するまで指導を続ける教育方法です。通常の教育方法では、一定の時間内で授業が進行し、理解度に関係なく次のトピックに移りますが、完全習得学習では全ての生徒が完全に理解するまで、補習や再指導を行います。これにより、全ての生徒が高い水準で学習内容を習得できるとされています。

完全習得学習の効果を検証するための実験では、対照群と実験群を設定し、完全習得学習を導入したクラスと通常の授業を行ったクラスの学習成果を比較します。たとえば、ある研究では、完全習得学習を導入したクラスの生徒が通常の授業を受けたクラスの生徒よりも高いテストスコアを達成したことが確認されました。この結果は、完全習得学習が生徒の学習効果を向上させることを示しています。

大学レベルでは、完全習得学習の理論的背景や実証研究について学びます。ブルームの提唱した完全習得学習の理論では、学習内容を小さなステップに分け、各ステップごとに評価を行い、生徒が完全に理解するまで次のステップに進まないという方法を採ります。この理論は、教育評価やカリキュラム設計の分野で重要な役割を果たしています。また、個別指導や教育技術の応用など、完全習得学習の具体的な実践方法についても学びます。