認知的新連合理論

攻撃行動は欲求不満だけではなく、他のネガティブな感情や状況で爆発する理論のこと

簡単な説明

ネガティブな感情がたまると人は攻撃的になりやすくなるということです。これは、バークウィッツの理論の理論で、単なる欲求不満ではなく、日常生活で経験する様々なストレスや不快な感情が、攻撃行動を引き起こす可能性があることを示しています。

由来

この理論は、もともとの「フラストレーション-アグレッション仮説」を発展させたものです。「フラストレーション-アグレッション仮説」は、ドールズ（Dollard）らによって1939年に提案され、欲求不満が攻撃行動を引き起こすとされました。しかし、バークウィッツは、この仮説が攻撃行動の全てを説明するには不十分であると考え、ネガティブな感情や状況も攻撃行動の引き金になると主張しました。

具体的な説明

バークウィッツの理論によれば、攻撃行動は欲求不満だけでなく、怒りや恐怖、悲しみなどのネガティブな感情や、ストレスや痛みなどの状況によっても引き起こされます。例えば、試験に失敗して落ち込んでいる時に、さらに友人に嫌なことを言われると、普段なら抑えられる怒りが爆発してしまうことがあります。これは、ネガティブな感情が積み重なることで、攻撃行動が誘発されることを示しています。

バークウィッツの有名な実験の一つに「暴力的な映画の影響」があります。この実験では、被験者に暴力的な映画を見せ、その後の行動を観察しました。結果として、暴力的な映画を見た被験者は、見なかった被験者よりも攻撃的な行動を取る傾向があることが示されました。これは、ネガティブな感情が視覚的な刺激を通じて喚起され、攻撃行動を引き起こす可能性があることを示しています。

大学レベルでは、バークウィッツの理論は、攻撃行動の複雑性を理解するための枠組みとして重要です。彼の理論は、感情と行動の関係を詳細に説明し、攻撃行動が生じるメカニズムを多角的に捉えています。例えば、彼の研究では、暴力的な映像を見た後の人々が攻撃的になる可能性が高まることが示されています。これは、視覚的な刺激が感情を喚起し、その結果として攻撃行動が誘発されることを示しています。