セリグマン

ポジティブ心理学の父

略歴

マーティン・セリグマンは、従来の心理学が病理や障害に焦点を当てていたのに対し、人間の幸福や強み、良い側面に目を向けるべきだと主張しました。この考え方が「ポジティブ心理学」として発展しました。

何をした人？

セリグマンは1970年代に「学習性無力感」という概念を提唱し、これがうつ病の理解に寄与しました。その後、彼は人間の幸福感を高める要素に焦点を当て、これを「ポジティブ心理学」と名付けました。

具体的な説明

セリグマンの研究は、人が感じる幸福や満足感に光を当て、それを高める方法を探求しています。彼は、人生の意味、エンゲージメント、ポジティブな感情など、幸福を形成する要素を特定しました。

セリグマンのポジティブ心理学は、幸福論、強さと美徳、ポジティブな教育など、広範な研究分野をカバーしています。彼のPERMAモデルは、幸福を構成する5つの要素（Positive emotions, Engagement, Relationships, Meaning, Accomplishment）を提唱し、これらの要素を通じて個人の幸福を高める方法を提案しています。

セリグマンは、動物実験を通じて「学習性無力感」を実証しました。電気ショックから逃れることができない状況に置かれた犬は、後に逃れることが可能な状況でも試みないことが観察されました。これは、人間においても挫折や失敗が続くと、助けを求めることや改善の努力をしなくなることにつながると結論付けました。

例文

試験で何度も失敗した後、学習性無力感を感じて勉強を諦めかけたが、ポジティブなサポートを受けて再び挑戦する気持ちが湧いた。

疑問

Q: ポジティブ心理学はどのように日常生活に応用できますか？

A: ポジティブ心理学は、日常生活でポジティブな感情を増やし、関係性を深め、有意義な活動に取り組むことで、幸福感を高める方法を提供します。例えば、感謝日記をつける、親しい人との時間を大切にするなどがあります。

Q: 学習性無力感を克服する方法はありますか？

A: 学習性無力感を克服するには、小さな成功体験を積み重ねることが重要です。また、失敗から学び、自己効力感を高めるような思考を育むことが効果的です。

Q: ポジティブ心理学はうつ病にも効果がありますか？

A: ポジティブ心理学のアプローチは、うつ病の人々がポジティブな感情や活動に焦点を当てることで、症状の軽減に役立つ可能性があります。ただし、重度の場合は専門家の治療が必要です。

Q: PERMAモデルの中で最も重要な要素は何ですか？

A: PERMAモデルの各要素は、幸福を構成する上で互いに補完的な役割を果たします。最も重要な要素を一概には言えませんが、個人の価値観や状況によって、特に重視すべき要素は変わるかもしれません。

Q: ポジティブ心理学の批判とは何ですか？

A: ポジティブ心理学の批判としては、現実の困難や苦痛を過小評価しているとの指摘や、文化間での幸福観の違いを十分に考慮していないという意見があります。

理解度を確認する問題

セリグマンが提唱した心理学の分野は次のうちどれか？

a) 学習性無力感 b) ポジティブ心理学 c)行動主義心理学 d) 精神分析学

回答: b) ポジティブ心理学

PERMAモデルに含まれない要素は次のうちどれか？

a) Positive emotions (ポジティブな感情) b) Engagement (エンゲージメント) c) Resilience (レジリエンス) d) Meaning (意味)

回答: c) Resilience (レジリエンス)

学習性無力感を提唱したのは誰か？ a) アブラハム・マズロー b) ジークムント・フロイト c) マーティン・セリグマン d) カール・ロジャース回答:

c) マーティン・セリグマン

ポジティブ心理学が目指すのは何か？

a) 心の病を治療すること b) 人間の幸福と強みに焦点を当てること c) 行動の背後にある無意識を探ること d) 社会的な行動を理解すること

回答: b) 人間の幸福と強みに焦点を当てること

セリグマンが研究した「学習性無力感」は何を示しているか？

a) 成功体験が自己効力感を高める b) 不快な状況から逃れる学習が可能である c) コントロールできない状況に対する無力感 d) ポジティブな感情がストレスを軽減する

回答: c) コントロールできない状況に対する無力感

関連キーワード

ポジティブ心理学学習性無力感PERMAモデル自己効力感幸福論強さと美徳ポジティブな教育