「常勝の天才」ラインハルトは、喜びも怒りも顔に出す「エクスプレッシブ」。対する「魔術師ヤン」は、のんびり構えながら決めるところは自分で決める「ドライバー」でした。田中芳樹の小説『銀河英雄伝説』(徳間書店から刊行が始まり、本伝全10巻と外伝。1988年からOVAとしてアニメ化)のキャラ80人を、ソーシャルスタイル(コミュニケーションの取り方で人を4タイプに分ける考え方)で分けた結果です。80人のうち、いちばん多かったのはエクスプレッシブの32人で、帝国にも同盟にも、感情を隠さない人物がそろっていました。この記事では、主要な15人について、そのタイプに分けた理由と、16タイプで考えるとどれに近いかを紹介します。帝国と同盟の陣営ごとのタイプの違いも、表にまとめました。
※この記事は、原作小説(本伝全10巻・外伝)と、OVA版アニメの内容に触れます。ただし、登場人物の生死など、結末にかかわる出来事は書いていません。
4タイプの特徴はソーシャルスタイルとは?4タイプの特徴と付き合い方で詳しく説明しています。
80人のタイプ一覧

4象限図は、下で詳しく紹介する主要15人です。そのほかの65人は、2つめの表に陣営ごとにまとめました。ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝や、外伝の人物も含んでいます。
主要15人
| キャラ | ソーシャルスタイル | 16タイプで考えると(筆者の推測) |
|---|---|---|
| ヤン・ウェンリー | ドライバー | INTP |
| オーベルシュタイン | ドライバー | INTJ |
| ラインハルト | エクスプレッシブ | ENTJ |
| ビッテンフェルト | エクスプレッシブ | ESTP |
| ミュラー | エクスプレッシブ | ENFJ |
| シェーンコップ | エクスプレッシブ | ENTP |
| アッテンボロー | エクスプレッシブ | ENFP |
| ビュコック | エクスプレッシブ | ESTJ |
| ユリアン | エミアブル | INFJ |
| ヒルダ | エミアブル | INTJ |
| ミッターマイヤー | エミアブル | ESFJ |
| キルヒアイス | アナリティカル | ISFJ |
| ロイエンタール | アナリティカル | ISTP |
| フレデリカ・グリーンヒル | アナリティカル | ISTJ |
| アンネローゼ | アナリティカル | INFP |
そのほかの65人
| キャラ | 陣営 | ソーシャルスタイル |
|---|---|---|
| ケスラー | ローエングラム陣営(帝国) | ドライバー |
| シュタインメッツ | ローエングラム陣営(帝国) | ドライバー |
| ファーレンハイト | ローエングラム陣営(帝国) | ドライバー |
| ラング | ローエングラム陣営(帝国) | ドライバー |
| ケンプ | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| ワーレン | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| レンネンカンプ | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| フェルナー | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| グリルパルツァー | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| ハルバーシュタット | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| グレーブナー | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| シルヴァーベルヒ | ローエングラム陣営(帝国) | エクスプレッシブ |
| ルッツ | ローエングラム陣営(帝国) | エミアブル |
| トゥルナイゼン | ローエングラム陣営(帝国) | エミアブル |
| メックリンガー | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| ベルゲングリューン | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| バイエルライン | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| シュトライト | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| オイゲン | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| フランツ・フォン・マリーンドルフ | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| ブラッケ | ローエングラム陣営(帝国) | アナリティカル |
| オトフリート1世(第4代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | ドライバー |
| オトフリート2世(第8代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | ドライバー |
| ルドルフ(初代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | エクスプレッシブ |
| ジギスムント1世(第2代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | エクスプレッシブ |
| アウグスト2世(第14代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | エクスプレッシブ |
| マクシミリアン・ヨーゼフ2世(第23代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | エクスプレッシブ |
| コルネリアス1世(第24代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | エクスプレッシブ |
| リヒャルト1世(第3代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | エミアブル |
| カスパー(第5代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | アナリティカル |
| ジギスムント2世(第7代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | アナリティカル |
| アウグスト1世(第9代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | アナリティカル |
| フリードリヒ4世(第36代皇帝) | ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | アナリティカル |
| シュターデン | 門閥貴族・旧帝国軍など | ドライバー |
| シューマッハ | 門閥貴族・旧帝国軍など | ドライバー |
| オフレッサー | 門閥貴族・旧帝国軍など | エクスプレッシブ |
| リューネブルク | 門閥貴族・旧帝国軍など | エクスプレッシブ |
| ケーフェンヒラー | 門閥貴族・旧帝国軍など | エクスプレッシブ |
| ヴェストパーレ | 門閥貴族・旧帝国軍など | エクスプレッシブ |
| マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー | 門閥貴族・旧帝国軍など | エクスプレッシブ |
| ホフマン | 門閥貴族・旧帝国軍など | エクスプレッシブ |
| オットー・フォン・ブラウンシュヴァイク | 門閥貴族・旧帝国軍など | エミアブル |
| フレーゲル | 門閥貴族・旧帝国軍など | エミアブル |
| ランズベルク | 門閥貴族・旧帝国軍など | エミアブル |
| グリンメルスハウゼン | 門閥貴族・旧帝国軍など | エミアブル |
| カイザーリング | 門閥貴族・旧帝国軍など | アナリティカル |
| リンツ | 自由惑星同盟 | ドライバー |
| イワン・コーネフ | 自由惑星同盟 | ドライバー |
| ルイ・マシュンゴ | 自由惑星同盟 | ドライバー |
| ドーソン | 自由惑星同盟 | ドライバー |
| チュン・ウー・チェン | 自由惑星同盟 | ドライバー |
| キャゼルヌ | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| ムライ | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| グエン・バン・ヒュー | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| バグダッシュ | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| シトレ | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| パエッタ | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| ムーア | 自由惑星同盟 | エクスプレッシブ |
| ポプラン | 自由惑星同盟 | エミアブル |
| パトリチェフ | 自由惑星同盟 | エミアブル |
| ブルームハルト | 自由惑星同盟 | エミアブル |
| カーテローゼ・フォン・クロイツェル | 自由惑星同盟 | エミアブル |
| ロボス | 自由惑星同盟 | エミアブル |
| ホーランド | 自由惑星同盟 | エミアブル |
| フィッシャー | 自由惑星同盟 | アナリティカル |
作中で多くの人を苦しめる人物も、同じ基準でタイプを分けていますが、その行いを持ち上げるものではありません。
タイプ分けは、作中の言動をもとにした筆者の考察で、公式の設定でも、作者の意図でもありません。タイプに優劣はなく、キャラの良し悪しを決めるものでもないので、推しが意外なタイプでも、ひとつの見方として楽しんでもらえたらうれしいです。「別のタイプでは?」というご意見も歓迎です。
16タイプは、作中の言動から筆者がファンとして推測したものです。本来は本人が質問に答え、結果を自分で確かめるものなので、キャラの性格を楽しむための目安として読んでください。MBTIはMyers & Briggs Foundationの登録商標です。4タイプはまわりから見える振る舞い、16タイプは内面の好みの推測なので、2つがずれて見えるキャラもいます。ネットの無料診断(16Personalitiesなど)は、正式なMBTIとは別のものです。詳しくは日本MBTI協会「MBTIとは」をご覧ください。
ドライバー:ヤン・ウェンリー、オーベルシュタイン
ヤン・ウェンリー(ドライバー)
自由惑星同盟軍の提督で、「魔術師ヤン」「奇跡のヤン」と呼ばれる名将です。本当は歴史家になりたかった人で、紅茶とブランデーと本を愛し、ふだんは髪をかきまわしながら、のんびり構えています。ヤンの分類は、いちばん迷いました。口数が少なく、本を読みながら考えこむ姿は、アナリティカルにも見えるからです。けれど、物語の中心になる戦いの場面でヤンがくり返し見せるのは、表情を大きく変えずに作戦を決め、全軍に言い切る姿です。アスターテ会戦で旗艦が被弾し、司令官が負傷したあとは指揮を引き継ぎ、全軍に自分の作戦を伝えて艦隊を立て直しました。政府の偉い人や上官に対しても、納得できないことには従わない態度を隠しません。感情を大きく見せないまま、決めるところは自分で決めて言い切る。その振る舞いを決め手に、ドライバーに入れました。
戦争を嫌い、民主主義の弱さも含めて歴史の流れから物事を考えるところは、16タイプで考えるとINTPが近そうです。
オーベルシュタイン(ドライバー)
ラインハルトの参謀で、のちに軍務尚書をつとめる人物です。周りが反発しそうな策でも、表情を変えずに淡々と進言し、ほかの提督たちとぶつかることもいといません。感情を見せず、自分の考えを曲げずに主張するので、ドライバーに入れました。冷たく見られがちですが、拾った老犬の世話を続ける場面もあり、そこに人柄を感じるファンも多いのではないでしょうか。
好き嫌いより、国の仕組みがどう続くかを考えて動くところから、INTJに近いと考えます。
エクスプレッシブ:ラインハルト、ビッテンフェルト、ミュラー、シェーンコップ、アッテンボロー、ビュコック
ラインハルト(エクスプレッシブ)
銀河帝国の若き将軍で、のちに皇帝となる主人公のひとりです。「常勝の天才」と呼ばれます。ラインハルトの分類は迷いました。戦場で次々に決断し、人を率いていく姿は、ドライバーにも見えるからです。けれど、ラインハルトは喜びも怒りも、よく顔に出します。キルヒアイスと話すときは少年のように笑い、ヤンという好敵手には、戦ってみたいという高ぶりを隠しません。大きな夢を言葉にして、まわりを巻きこんでいきます。感情を表に出しながら主張する振る舞いから、エクスプレッシブに入れました。
大きな目標を描き、組織を動かして実現していくところは、16タイプで考えるとENTJが近そうです。
ビッテンフェルト(エクスプレッシブ)
帝国軍の提督で、黒い艦隊「黒色槍騎兵(シュワルツ・ランツェンレイター)」を率います。攻めることが得意で、会議でも思ったことを大きな声ではっきり言います。喜びも怒りもすぐ顔に出るので、エクスプレッシブに入れました。まっすぐな物言いで場の空気を変えるところが、帝国の提督たちのなかでもひときわ目立ちます。
考えるより先に動き、勢いで道を開くところから、ESTPに近いと考えます。
ミュラー(エクスプレッシブ)
帝国軍の提督たちのなかでは若い世代の人物で、守りの粘り強さから「鉄壁ミュラー」と呼ばれます。礼儀正しく誠実で、敵将のヤンにも敬意を言葉にして伝えます。尊敬や悔しさといった気持ちを、素直に表に出す場面が多いので、エクスプレッシブに入れました。
人との信頼を大切にし、相手の立場も思いやるところは、16タイプならENFJと見ました。
シェーンコップ(エクスプレッシブ)
同盟軍の陸戦部隊「薔薇の騎士(ローゼンリッター)」の連隊長で、のちにヤンの部下になります。皮肉やきわどい冗談を、相手が誰でも平気で口にします。ヤンにも遠慮せず、自分の考えをぶつけます。思ったことを表に出して主張するので、エクスプレッシブに入れました。
言葉で相手をゆさぶり、型にはまらない考え方を楽しむところから、ENTPに近いと考えます。
アッテンボロー(エクスプレッシブ)
ヤンの士官学校の後輩で、ヤン艦隊の分艦隊を率いる提督です。軽口が多く、上の人にも遠慮のない物言いをします。いたずらっぽく笑い、反骨心をそのまま言葉にするので、エクスプレッシブに入れました。
権威にとらわれず、新しいことをおもしろがるところは、16タイプで考えるとENFPが近そうです。
ビュコック(エクスプレッシブ)
同盟軍の老提督で、一兵卒から叩き上げてきた人物です。ヤンを早くから認め、支え続けます。作戦会議では、筋の通らない作戦を立てた若い参謀に、面と向かって厳しい言葉をかけます。気持ちを隠さず、言うべきことをはっきり言うので、エクスプレッシブに入れました。
長い経験と、軍人としての筋を大切にするところから、ESTJに近いと考えます。
エミアブル:ユリアン、ヒルダ、ミッターマイヤー
ユリアン(エミアブル)
ヤンの家で暮らす少年で、紅茶をいれ、家事をこなしながらヤンを支えます。ヤンの話をよく聞き、まわりの人の気持ちにも気を配ります。うれしさや心配を、素直に表情に出すので、エミアブルに入れました。物語が進むにつれて、自分で考えて判断する場面も増えていきます。
ヤンから受け取った考えを大切にし、人の思いをくみ取って動くところは、16タイプで考えるとINFJが近そうです。
ヒルダ(エミアブル)
マリーンドルフ伯爵の娘で、ラインハルトの首席秘書官として仕えます。ヒルダの分類は迷いました。帝国の内乱で、父を説いていち早くラインハルトの側につくなど、先を読んで自分で決める姿はドライバーにも見えるからです。けれど、ラインハルトのそばにいるときのヒルダは、相手の話をよく聞き、気持ちを汲んだうえで、やわらかく意見を伝えます。周りと打ち解けやすい、あたたかい話しぶりを決め手に、エミアブルに入れました。
筋道を立てて先を読み、全体の戦略を考えるところは、16タイプならINTJと見ました。見える振る舞いと内側の好みが、少しずれて見えるキャラです。
ミッターマイヤー(エミアブル)
帝国軍の提督で、艦隊の動きの速さから「疾風ウォルフ」と呼ばれます。ミッターマイヤーの分類も迷いました。戦場での素早い決断は、ドライバーにも見えるからです。けれど、親友のロイエンタールや妻のエヴァンゼリンと過ごす場面のミッターマイヤーは、明るく人なつっこく、相手を思う気持ちをそのまま言葉にします。人を大切にして、気持ちを表す振る舞いを決め手に、エミアブルに入れました。
仲間や家族との信頼を何より大切にするところから、ESFJに近いと考えます。
アナリティカル:キルヒアイス、ロイエンタール、フレデリカ・グリーンヒル、アンネローゼ
キルヒアイス(アナリティカル)
ラインハルトの幼なじみです。いつも穏やかで礼儀正しく、声を荒らげることはめったにありません。ラインハルトの話をよく聞き、熱くなりがちなラインハルトに、落ち着いて意見を伝えます。感情を抑えて、相手の話を聞く側に立つので、アナリティカルに入れました。
大切な人を守ることを第一に考え、静かに支え続けるところは、16タイプで考えるとISFJが近そうです。
ロイエンタール(アナリティカル)
帝国軍の提督で、「金銀妖瞳(ヘテロクロミア)」の異名で知られます。ロイエンタールの分類は迷いました。艦隊を率いて迷わず決断し、自分の力を試そうとする野心は、ドライバーにも見えるからです。けれど、ふだんのロイエンタールがいちばんよく見せるのは、皮肉まじりに短く話し、親友のミッターマイヤーの前でも本心を多く語らず、一歩引いて状況を見る姿です。感情を抑え、自分から多くを主張しない振る舞いを決め手に、アナリティカルに入れました。
群れずに自分の力を頼み、冷静に状況を読むところから、ISTPに近いと考えます。
フレデリカ・グリーンヒル(アナリティカル)
ヤンの副官で、のちにヤンの妻となります。記憶力に優れ、必要な情報をすぐに取り出して、ヤンの仕事を支えます。ヤンへの思いは胸に秘めたまま、副官としての務めを落ち着いてこなす姿が印象的です。感情を抑え、相手の話を受けて動くので、アナリティカルに入れました。
正確さを大切にし、決めたことをきちんと続けるところは、16タイプならISTJと見ました。
アンネローゼ(アナリティカル)
ラインハルトの姉で、ラインハルトとキルヒアイスがもっとも大切に思う人です。物静かで、多くを語らず、自分の気持ちを表に出すことが少ない人として描かれます。弟たちの話を静かに聞き、短い言葉で思いを伝えるので、アナリティカルに入れました。
争いから離れ、自分の内にある思いを大切にするところから、INFPに近いと考えます。
考察:帝国と同盟で、タイプはどう分かれたか
| 陣営 | ドライバー | エクスプレッシブ | エミアブル | アナリティカル | 計 |
|---|---|---|---|---|---|
| ローエングラム陣営(帝国) | 5 | 11 | 4 | 10 | 30 |
| ゴールデンバウム王朝の歴代皇帝 | 2 | 5 | 1 | 4 | 12 |
| 門閥貴族・旧帝国軍など | 2 | 6 | 4 | 1 | 13 |
| 自由惑星同盟 | 6 | 10 | 7 | 2 | 25 |
| 計 | 15 | 32 | 16 | 17 | 80 |
陣営ごとに数えると、ちがいが見えてきました。ラインハルトのもとに集まった帝国の30人は、エクスプレッシブ11人に対して、アナリティカルが10人。感情を抑えて状況を見る人物が、3人に1人いました。一方の同盟の25人では、アナリティカルはヤンの副官フレデリカと、フィッシャーの2人だけです。そのぶん、相手に寄りそうエミアブルが7人と、帝国より多くなっています。
ローエングラム陣営には、キルヒアイス、ロイエンタール、メックリンガーのように、一歩引いて考える提督がそろっていました。若いラインハルトが感情を表に出して先頭に立ち、まわりが落ち着いて支える。そんな組み合わせに見えます。
ヤン艦隊のほうは、シェーンコップやアッテンボローの軽口が飛びかい、ユリアンやポプランのような人なつっこい人物もいます。上官にも遠慮なく物を言うにぎやかさは、ヤン艦隊の居心地のよさとして、多くのファンに愛されているところではないでしょうか。
なお、歴代皇帝と門閥貴族の25人でも、エクスプレッシブが11人ともっとも多くなりました。どの陣営でも、感情を言葉にする人物が物語を動かしている。そこが、この作品の会話劇の厚みにつながっているのかもしれません。
マンガ版のヤンは、アナリティカルに見えた
銀河英雄伝説は、アニメ化やマンガ化が何度もされている作品です。2022年にこの表をつくったとき、筆者は藤崎竜のマンガ版(集英社『週刊ヤングジャンプ』で連載が始まり、『ウルトラジャンプ』に移って完結)のヤンを、別の行に分けて「アナリティカル」にしていました。
同じヤンでも、絵の雰囲気や場面の切り取り方が変わると、受け取る印象も変わります。本を読みながら考えこむ姿が強く残れば、感情を抑えて人の話を聞くアナリティカルに見えますし、作戦を言い切る場面が残れば、ドライバーに見えます。どちらが正しいというより、それぞれの作品でヤンの別の顔に出会えるのが、何度も映像化・マンガ化されてきた作品の楽しさだと思います。
まとめ:感情を隠さない人物が多い、群像劇
80人のうち32人がエクスプレッシブでした。ラインハルトの高ぶり、ビッテンフェルトの大声、シェーンコップの皮肉と、感情を言葉にする人物の多さが、銀河英雄伝説の会話の楽しさを支えているのかもしれません。
一方で、物語の中心にいるヤンとキルヒアイスは、どちらも感情を大きく見せない側に入りました。感情を表に出す人と、胸にしまう人。その組み合わせが、ラインハルトとキルヒアイス、ヤンとユリアンといった関係のおもしろさにつながっているように見えます。推しのタイプが意外だった方も、ひとつの見方として楽しんでもらえたらうれしいです。

コメント