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因子分析(いんしぶんせき)

Factor analysis 原理・研究法・歴史

たくさんの質問項目の中に隠れている“共通の要素”を見つけ出す方法のこと

簡単な説明

「因子分析」って聞くと難しく感じるけど、要はさ、「いろんな質問に答えてもらって、似た答えのグループを探す」って分析です。

たとえば、好きな科目とか性格について聞いたら、「お、この子、まじめグループだな」みたいに分類できるんだよ。それを数学でピタッとやるのが因子分析。心理学のテストとか性格診断とか、ほとんどコレ使ってるから、めっちゃ実用的なんよ!

由来

因子分析は1904年にチャールズ・スピアマンという心理学者が、人の知能には共通する要素(=g因子)があるのでは?と考えたことから始まりました。その後、サーストンカッテルなどがこの方法を発展させていきました。

具体的な説明

たとえば「勉強が得意」「本を読むのが好き」「計画的に行動する」など、いろんな質問に答えてもらったとします。

それぞれの答えは別々のように見えても、実は「まじめさ」とか「知的好奇心」みたいな共通の性格的な特徴(=因子)が隠れているかもしれません。

この「隠れた共通要素(因子)」を見つけ出すのが因子分析の目的です。

因子分析は多変量解析の一種で、観測された多数の変数の背後にある**少数の潜在変数(潜在因子)**を特定する統計的手法です。

  • 主成分分析とは異なり、因子分析では**共通因子(common factor)独自因子(unique factor)**に分けて考えます。
  • 因子負荷量(factor loading)は、各変数が因子にどれだけ強く関連しているかを示します。

例文

「この性格テストは、20の質問に答えるだけで“外向性”や“協調性”などの性格因子を分析してくれるんだよ。」

疑問

Q: gって何の略なの?

A: 「general intelligence(ジェネラル・インテリジェンス)」の略です。つまり、「一般的な知能」という意味なんです。

「general」の頭文字 g を取って名付けられた、非常に有名な心理学用語です。

英語の「general(一般的な)」と「intelligence(知能)」を合わせて、g因子(ジーいんし)と呼ばれています。

Q: 因子分析と主成分分析はどう違うのですか?

A: 主成分分析はデータの「分散」を最大化する方法で、すべての情報を使って次元を縮小します。一方、因子分析は「共通因子」を見つけることを目的とし、誤差(独自因子)を考慮します。

Q: 因子はどうやって数を決めるのですか?

A: 一般的には「固有値1.0以上の因子を残す」というルール(カイザー基準)や、スクリープロット(折れ線グラフ)を使って判断します。

Q: 因子負荷量って何ですか?

A: 因子と各変数との関連の強さを示す値で、0.3〜0.4以上あると「意味がある」と考えられます。

Q: 因子回転にはどんな方法がありますか?

A: 主に「直交回転(バリマックス)」と「斜交回転(プロマックス)」があります。直交回転では因子間の独立性を保ちます。

Q: 質問紙を作るとき、なぜ因子分析が必要なのですか?

A: 各質問項目がどの因子に関連しているかを明らかにすることで、より精度の高い測定ができるからです。

Q: 「g因子」と「IQ(知能指数)」は同じ意味ですか?

A: 完全に同じではありません。g因子は知能の構造に関する理論で、IQはその知能を数値として表したものです。IQはg因子の高さを推定する1つの指標として使われています。

Q: g因子は遺伝と環境のどちらの影響を受けますか?

A: 両方の影響を受けます。遺伝の影響はかなり大きく、双子研究ではg因子の遺伝率は50〜80%とされることが多いですが、教育環境や家庭環境などの影響も無視できません。

Q: g因子は年齢とともに変化しますか?

A: はい、変化します。流動性知能(新しい情報を処理する力)は若いうちがピークで、加齢とともに低下します。一方、結晶性知能(知識や語彙)は年齢を重ねても比較的安定しています。g因子全体では、部分的に変化することになります。

Q: g因子は感情的な能力(EQ)とは関係がありますか?

A: g因子とEQ(Emotional Intelligence)は異なる概念です。g因子は論理や思考の能力を示し、EQは自分や他人の感情を理解し調整する力を意味します。ただし、どちらも人生の成功には重要だとされています。

Q: 因子分析って何のために使うのですか?

A: 因子分析は、たくさんの項目(質問や測定項目)の中から、共通する隠れた要素(因子)を見つけるための統計手法です。心理テストや性格診断など、心理学ではよく使われます。

Q: 主成分分析と因子分析の違いは何ですか?

A: 主成分分析は「データのばらつき(分散)」を説明するために使われ、全体の情報をできるだけ保ちながら次元を減らすのが目的です。一方、因子分析は共通因子(潜在変数)を推定するのが目的で、誤差や独自性も考慮します。

Q: 因子負荷量とは何ですか?

A: 因子負荷量とは、各項目がどれくらい因子に関連しているか(関係の強さ)を示す数値です。0.3以上で意味があるとされ、0.7以上だとかなり高い関連性があると判断されます。

Q: 因子分析は質的データにも使えますか?

A: 基本的に因子分析は数量データ(連続変数)に対して使います。ただし、質的データを数量化(尺度化)して、分析する方法(カテゴリカル因子分析)もあります。

Q: 因子分析を使って心理テストを改良するには?

A: 各質問項目がどの因子に強く関連しているか(因子負荷量)を見て、不要な項目を削除したり、因子構成を再検討したりすることで、より信頼性と妥当性の高いテストを作成できます。

理解度を確認する問題

因子分析に関する記述として正しいものはどれか?

A. 因子分析は変数間の相関が低い場合に適している
B. 因子分析では誤差を無視する
C. 因子分析は潜在因子を明らかにする手法である
D. 因子分析では回帰係数を算出する

正解:C

関連キーワード

  • 潜在変数(Latent Variable)
  • 因子負荷量(Factor Loading)
  • バリマックス回転
  • スクリープロット
  • 固有値
  • 共通因子分析
  • 主成分分析との違い

関連論文

スピアマンの「g因子」研究

  • 目的:知能の測定に共通する因子が存在するか?
  • 手法:複数の認知課題の成績の相関を分析
  • 結果:すべての課題間に中程度以上の相関があり、共通因子(g因子)の存在が示唆された

覚え方

「たくさんの質問、まとめてグループ。答えの中に“共通のヒント”。それが因子、見つける分析!」

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