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エビデンスベイスト・アプローチ

Evidence-Based Approach 未分類

科学的根拠(エビデンス)に基づいて心理支援や治療を行う考え方のこと

簡単な説明

エビデンス・ベイスト・アプローチってさ、
「思いつきやノリじゃなくて、ちゃんと調べて効果あるって分かってる方法で支援しようよ!」って考え方なんです。

ラーメン屋で「うまいってウワサ」より「500人が★5つけてる」方を信じるじゃん?あれと似てますね!

由来

エビデンス・ベイストの考え方は、1990年代に医療分野で広がったEvidence-Based Medicine(EBM)から派生しました。
その後、心理学にも導入され、Evidence-Based Practice in Psychology(EBPP)として正式に定義されました。
2006年にはアメリカ心理学会(APA)が公式にガイドラインを提示しています。

具体的な説明

「効果がある」とちゃんと証明された方法を使って、その人に合った心理支援をするというやり方です。
たとえば、「このカウンセリング法はたくさんの研究でうつ病に効くとわかっているから、この子にも使ってみよう」と考えるのがエビデンス・ベイストです。

エビデンス・ベイスト・アプローチでは、以下の3つの要素の統合を重視します:

  1. 最良の研究知見(scientific evidence)
  2. 実務者の臨床的専門性(clinical expertise)
  3. クライエントの価値観と希望(client characteristics, values, and preferences)

つまり、研究で効果が証明された方法を、専門家が判断しながら、クライエントの希望に合うように適用するアプローチです。

エビデンス・ベイスト・アプローチは、心理的介入を「個別事例」ではなく「科学的実証」に基づいて行うための臨床判断モデルです。
特にランダム化比較試験(RCT)やメタ分析などの研究から得られた統計的根拠をもとに、治療選択が行われます。

具体的な研究・応用例

例:うつ病に対する認知行動療法(CBT)

多くのRCTとメタ分析により、CBTはうつ病に対して有効であることが実証されています。
そのため、うつ病の治療ガイドラインでは、CBTが第一選択肢として推奨されています。

例文

「このセラピーはエビデンス・ベイストだから、科学的に効果があるってわかってるんだよ。」

疑問

Q: エビデンス・ベイスト・アプローチと経験則の違いは何ですか?

A: 経験則は「今までの経験に基づいた判断」ですが、エビデンス・ベイストは「科学的データに基づいた判断」をします。客観性が高いのが特徴です。

Q: 全ての心理療法がエビデンス・ベイストなのですか?

A: いいえ。効果がまだ検証されていない療法もあります。エビデンス・ベイストと呼ばれるには、複数の厳密な研究で効果が確認されている必要があります。

Q: クライエントの希望とエビデンスが合わない場合はどうしますか?

A: エビデンスだけでなく、クライエントの価値観や希望も大切にするのがこのアプローチの特徴です。無理に押し付けるのではなく、調整していきます。

Q: RCTって何ですか?

A: ランダム化比較試験(Randomized Controlled Trial)の略で、最も信頼性の高い臨床研究方法のひとつです。

Q: 心理学のどの領域でエビデンス・ベイストは使われていますか?

A: 臨床心理学を中心に、教育、発達、健康心理、産業心理など幅広く活用されています。

Q: 「エビデンスがある」というのは、どのような研究で確認されたことを意味しますか?

A: 主にランダム化比較試験(RCT)やメタ分析、系統的レビューなど、信頼性の高い科学的手法で効果が検証された場合を指します。
観察研究や症例報告よりもエビデンスのレベルが高いとされています。

Q: なぜクライエントの価値観も重視されるのですか?

A: 科学的に効果があっても、クライエントが受け入れなければ効果が発揮されにくいからです。
エビデンス・ベイスト・アプローチは、「その人にとってベストな支援」を選ぶための枠組みです。

Q: エビデンス・ベイストの実践では、セラピストの直感は無視されるのですか?

A: いいえ。セラピストの臨床的判断や経験も重要な要素として統合されます。
エビデンスだけでなく「経験」「クライエントの希望」とのバランスが大切です。

Q: エビデンス・ベイスト・アプローチが進んでいる国はどこですか?

A: アメリカ、イギリス、カナダ、オーストラリアなどでは特に普及が進んでいます。
臨床心理士や教育現場の支援者の養成課程にEBPPの導入が義務化されている場合もあります。

Q: すべての心理学分野でエビデンスが同じように揃っているのですか?

A: いいえ。臨床心理学や認知行動療法などではエビデンスが豊富ですが、芸術療法や一部の深層心理療法ではまだ不十分なこともあります。
そのため、分野によってエビデンスの厚みに差があることに留意が必要です。

Q: APAが2006年に発表したエビデンス・ベイスト・プラクティス(EBPP)の定義は何ですか?

A: EBPPとは、**「最良の研究エビデンスと、臨床家の専門的判断、そしてクライエントの特性・文化・価値観を統合した実践」**と定義されています。
つまり、「科学・経験・個人」をバランスよく使う心理支援のアプローチです。

Q: EBPPは単なる「効果がある療法を使う」こととどう違うのですか?

A: 単に「効果のある治療法を選ぶ」だけではなく、クライエントの背景や価値観、文化的配慮、治療関係の質なども含めて、
総合的に判断して最善の支援を行うことがEBPPの核心です。

Q: EBPPで重視される「3つの要素」とは何ですか?

A:

  1. 最良の研究知見(Best available research evidence)
  2. 臨床家の専門性(Clinical expertise)
  3. クライエントの特性・価値・文化・背景(Client characteristics, values, and context)

この3つの要素がバランスよく統合されることが重要です。

Q: APAガイドラインではどのような研究が「最良の研究知見」とされますか?

A: 主に以下のような研究が推奨されています:

  • ランダム化比較試験(RCT)
  • メタ分析や系統的レビュー
  • 実施可能性・有効性を検討する応用研究(Effectiveness studies)

EBPPでは、“厳密な証明”と“実際の現場での有効性”の両立が求められます。

Q: EBPPの目的は何ですか?

A: EBPPの目的は、心理学的介入の質と安全性を高め、クライエントにとって最も効果的で倫理的な支援を提供することです。
「科学」と「人間らしさ(humanity)」を両立させた心理支援を目指します。

理解度を確認する問題

次のうち、エビデンス・ベイスト・アプローチの構成要素として正しいものはどれか?

A. 医療現場での使用経験のみ
B. クライエントの価値観と専門家の直感のみ
C. 科学的研究、専門家の判断、クライエントの価値観
D. 精神分析による直観的洞察のみ

正解:C

エビデンス・ベイスト・アプローチの「エビデンス」として最も信頼されるのはどれか?

A. 専門家の経験談
B. テレビのインタビュー
C. ランダム化比較試験(RCT)
D. クライエントの感想

正解:C

関連キーワード

  • エビデンス・ベイスト・プラクティス(EBPP)
  • ランダム化比較試験(RCT)
  • メタ分析
  • 臨床的判断(clinical judgment)
  • 実証的研究
  • ガイドライン

関連論文

Evidence-Based Practice in Psychology

この論文は、アメリカ心理学会(APA)によるEBPPの公式ガイドライン文書です。
心理学における「証拠に基づく実践」の定義、構成要素、理論的背景、研究デザイン、臨床への統合方法などが網羅されています。

結果(主張):
  • EBPPは3要素(研究、専門性、クライエントの特性)の統合が本質である
  • 特定の療法そのものではなく、臨床的意思決定のプロセス全体を対象とする
  • クライエントの文化・価値観・好みを重視する必要がある
  • ランダム化比較試験(RCT)だけでなく、現場での応用研究(effectiveness studies)も重要
解釈:

EBPPは「科学的に証明された技法を使う」だけでなく、「人に合わせて、どの方法がベストかを考えて選ぶ」ための枠組みです。
現場での柔軟性や人間中心の支援を重視する考え方が反映されています。

Evidence-based practice in clinical psychology: What it is, why it matters; what you need to know

この論文は、臨床心理士や支援者がEBPPを日常の実践にどう活かすかを解説した、非常に実用的な内容です。
また、EBPPを導入する際の誤解や抵抗感にも丁寧に向き合っています。

結果(主張):
  • 「EBPPは現場の柔軟性を奪う」という誤解は根強いが、実際は個別対応の柔軟性を高めるためのものである
  • クライエントとの**協働的な意思決定(shared decision making)**がカギとなる
  • 現場における**実装支援(implementation support)**が不十分であることが普及の障壁になっている
解釈:

この論文は、「EBPP=機械的なマニュアル化」ではなく、**より良い臨床判断を支える“思考の道具”**であることを強調しています。
支援者自身が「知識に強くなること」が、柔軟かつ信頼性の高い支援に直結するというメッセージが伝わります。

覚え方

科学的根拠=エビデンスを“相談相手”のように考えると覚えやすいです!

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