DESC法

建設的に自己主張を行うためのコミュニケーション技法のこと

簡単な説明

DESC法は職場や家庭など、対立や問題が発生した場面で使われます。この方法は、攻撃的にならずに自己主張を行い、相手との協力を促進するための有効な手段です。

由来

DESC法は、アサーティブなコミュニケーション技法の一つで、特に職場や人間関係の中での対立を解決するために使われます。この技法は、1970年代に心理学者アーノルド・P・ゴールドシュタイン（Arnold P. Goldstein）によって提唱されました。DESCは、Describe（説明する）、Express（表現する）、Specify（具体的に要求する）、Consequences（結果を述べる）の4つのステップから成り立っています。

具体的な説明

DESC法は、自己主張を行う際に用いる4つのステップから構成されています。これにより、問題の原因と自分の感情を相手に伝え、具体的な解決策を提案し、その結果を説明します。

Describe（説明する）: 問題の状況を客観的に説明します。
Express（表現する）: その状況に対する自分の感情を率直に表現します。
Specify（具体的に要求する）: 望む具体的な行動や解決策を提案します。
Consequences（結果を述べる）: 提案が受け入れられた場合のポジティブな結果、または拒否された場合のネガティブな結果を述べます。

DESC法の効果を評価する実験では、職場の対立場面でDESC法を用いるグループと用いないグループを比較します。結果として、DESC法を用いたグループでは、対立がより早く解決され、関係の満足度が高まることが確認されました。

大学レベルでは、DESC法はコミュニケーションや対人関係の授業で学びます。研究では、DESC法を使うことで、対立が円滑に解決されるだけでなく、相手との関係性が強化されることが示されています。これにより、ストレスの軽減や仕事の効率向上が期待できます。

例文

「最近、会議の準備が不足していることが多く、私は不満を感じています（Describe）。私はもっと充実した準備がされることを望んでいます（Express）。次回の会議では、全員が事前に資料を確認して準備を整えることを提案します（Specify）。そうすれば、会議がスムーズに進行し、より良い結果が得られます（Consequences）。」

疑問

Q: DESC法とは何ですか？

A: DESC法は、Describe（説明する）、Express（表現する）、Specify（具体的に要求する）、Consequences（結果を述べる）の4つのステップからなるコミュニケーション技法です。

Q: DESC法の利点は何ですか？

A: DESC法は、攻撃的にならずに自己主張を行い、対立を建設的に解決するための有効な手段です。

Q: DESC法はどのような場面で使われますか？

A: 職場や家庭など、対立や問題が発生した場面で使用されます。

Q: DESC法の各ステップの役割は何ですか？

A: 問題の状況を説明し、自分の感情を表現し、具体的な要求をし、提案が受け入れられた場合の結果を述べます。

Q: DESC法を使用する際の注意点は何ですか？

A: 相手を非難せず、冷静に客観的な表現を心がけることが重要です。

Q: アイメッセージとどのように使い分けすればよいですか？

アイメッセージとDESC法は、いずれも自己主張のための効果的なコミュニケーション技法ですが、それぞれの用途や適用シーンに若干の違いがあります。以下にその使い分けについて説明します。

使い分けのポイント

目的:
- 感情を率直に伝える: アイメッセージ
- 問題を解決するために具体的な行動を要求する: DESC法
シチュエーション:
- 軽い対話や感情の共有: アイメッセージ
- 職場や家庭での具体的な問題解決: DESC法
コミュニケーションの深さ:
- シンプルで直接的な表現: アイメッセージ
- 詳細で構造化された表現: DESC法

具体的な例を比較してみる

状況: 同僚が何度も遅刻してくる場合

アイメッセージを使う:
- 「あなたが遅刻すると、私は困ります。次回は時間通りに来てくれますか？」
DESC法を使う:
- 「あなたが最近何度も遅刻していることに気づいています（Describe）。私はそのことで困っていますし、他の同僚も不満を感じています（Express）。次回からは時間通りに来るようにしてもらえますか（Specify）。そうすれば、チーム全体がスムーズに仕事を進められます（Consequences）。」

組み合わせて使う

状況に応じて、アイメッセージとDESC法を組み合わせることで、より効果的なコミュニケーションが可能です。例えば、初めにアイメッセージで感情を伝え、その後にDESC法で具体的な解決策を提案することができます。

例: 「あなたが会議に遅刻すると、私は困ります（アイメッセージ）。最近、会議の準備が不足していることが多く、私は不満を感じています（Describe）。私はもっと充実した準備がされることを望んでいます（Express）。次回の会議では、全員が事前に資料を確認して準備を整えることを提案します（Specify）。そうすれば、会議がスムーズに進行し、より良い結果が得られます（Consequences）。」

このように、状況や目的に応じてアイメッセージとDESC法を使い分けることで、効果的な自己主張と建設的な問題解決が実現できます。