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心的外傷後ストレス障害(PTSD)

PTSD 社会・感情・性格

極度のストレスやトラウマ経験後に起こる精神的障害のこと

簡単な説明

PTSDの症状は主に4つに分けられます。

侵入症状(フラッシュバックや悪夢)
回避症状(トラウマを思い出す状況を避ける)
否定的な変化(自己評価の低下、他者への不信感)
過覚醒症状(過度な警戒心、睡眠障害)

治療法には、認知行動療法(CBT)、薬物療法、EMDR(眼球運動による脱感作と再処理法)などがあります。

由来

心的外傷後ストレス障害(PTSD)は、戦争帰還兵や自然災害の生存者、犯罪被害者など、極度のストレスやトラウマを経験した人々に見られることから認識されるようになりました。1970年代にアメリカでのベトナム戦争帰還兵の症例が注目されたことで正式な診断名として確立されました。

具体的な説明

PTSDは、命に関わるような恐怖を感じる出来事を経験した後、その出来事を思い出すと強い不安や恐怖、過覚醒状態、回避行動などが続く状態です。この障害は、事件後すぐに現れることもあれば、数ヶ月後に発症することもあります。症状は少なくとも1ヶ月以上続き、日常生活に支障をきたすことが特徴です。

研究では、fMRIを使用してPTSD患者の脳活動を観察することがあります。ある実験では、トラウマに関連する画像を見せた際の扁桃体の過活動が確認され、これがPTSD症状の一因であることが示唆されました。治療効果の評価には、症状の軽減度や機能の回復を測定する尺度(例:PCL-5)が使用されます。

PTSDの発症には、出来事の性質、個人の脆弱性、社会的サポートの有無など多くの要因が関与します。脳の研究では、扁桃体や前頭前皮質などの脳領域が関与していることが示されています。扁桃体の過活動は過覚醒や恐怖反応を引き起こし、前頭前皮質の機能不全はトラウマ記憶の適切な抑制ができないことと関連しています。

例文

例えば、交通事故に遭った人がPTSDを発症した場合、その人は事故のことを思い出すたびに心拍数が上がり、同じ道路を通ることを避けるようになるかもしれません。また、夜に事故の夢を見て、何度も目を覚ますこともあります。

疑問

Q: PTSDは誰にでも起こりますか?

A: はい、誰にでも起こりえますが、特に強いトラウマ経験をした人や、社会的サポートが少ない人が発症しやすいです。

Q: PTSDの治療はどのくらいかかりますか?

A: 個人差がありますが、数ヶ月から数年かかることが多いです。治療は継続的なサポートが必要です。

Q: PTSDの診断はどのように行われますか?

A: 診断は主に心理評価や臨床面接を通じて行われ、DSM-5の基準に基づいて診断されます。

Q: 子供もPTSDを発症しますか?

A: はい、子供も発症します。特に虐待や暴力を経験した子供はPTSDのリスクが高いです。

Q: PTSDと急性ストレス障害の違いは何ですか?

A: 急性ストレス障害(ASD)はPTSDと似ていますが、発症は出来事後すぐで、症状は1ヶ月以内に解消することが特徴です。1ヶ月以上続く場合はPTSDと診断されます。

理解度を確認する問題

Q: PTSDの症状に該当しないものはどれですか?

  1. フラッシュバック
  2. 回避行動
  3. 幻覚
  4. 過覚醒

回答: 3. 幻覚

Q: PTSDの治療法として適切でないものはどれですか?

  1. 認知行動療法(CBT)
  2. 薬物療法
  3. 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)
  4. 強制的なトラウマ再体験

回答: 4. 強制的なトラウマ再体験

関連キーワード

  • トラウマ
  • フラッシュバック
  • 認知行動療法(CBT)
  • 眼球運動による脱感作と再処理法(EMDR)
  • 扁桃体
  • 過覚醒

関連論文

Bremner, J. D. (2006). “Traumatic stress: Effects on the brain”. Dialogues in Clinical Neuroscience, 8(4), 445–461.

  • この論文では、PTSDが脳に与える影響について詳細に述べられており、特に扁桃体や前頭前皮質の役割が強調されています。

覚え方

「怖い思い出が、今でも心を支配する」

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