スポンサーリンク

双極性感情障害(そうきょくせいかんじょうしょうがい)

双極性感情障害 社会・感情・性格

気分が極端に高揚する「躁(そう)状態」と極端に落ち込む「うつ状態」を繰り返す精神疾患のこと

簡単な説明

双極性感情障害を持つ人は、気分が激しく変動し、日常生活に大きな影響を及ぼします。治療には、薬物療法と心理療法が含まれます。薬物療法では気分安定剤や抗うつ薬が使用され、心理療法では認知行動療法が効果的です。

由来

双極性感情障害(Bipolar Disorder)は以前は「躁うつ病」と呼ばれていました。古代ギリシャ時代から認識されており、19世紀には精神医学者エミール・クレペリンによって現在の理解の基盤が築かれました。

具体的な説明

双極性感情障害は、気分の極端な変動が特徴です。躁状態では、過度の幸福感、エネルギーの増加、判断力の低下が見られます。一方、うつ状態では、深い悲しみ、エネルギーの減少、無力感が主な症状です。この状態は数日から数週間、場合によっては数か月続くことがあります。

双極性感情障害の診断には、DSM-5の診断基準が使用されます。これに基づく臨床面接や自己報告式質問票が用いられます。また、脳画像研究では、前頭前野や辺縁系の異常が報告されており、これが気分の制御に関与していると考えられています。

双極性感情障害は、気分エピソードの特性に基づいて双極I型、双極II型、シクロチミアに分類されます。双極I型は、少なくとも一度の完全な躁エピソードがあることが特徴です。双極II型は、軽度の躁状態(軽躁状態)と重度のうつ状態を繰り返します。シクロチミアは、軽度の躁状態とうつ状態が慢性的に続く状態です。神経生物学的には、神経伝達物質の異常や遺伝的要因が関与しています。

例文

「花子さんは双極性感情障害を持っており、時々非常にエネルギッシュになりすぎたり、逆にとても落ち込んだりします。治療として、医師から処方された薬を飲み、セラピストと定期的に話をしています。」

疑問

Q: 双極性感情障害の原因は何ですか?

A: 双極性感情障害の原因は複数あります。遺伝的要因、神経伝達物質の不均衡、環境要因などが関与しています。

Q: 双極性感情障害の治療法は何ですか?

A: 主な治療法は薬物療法と心理療法です。薬物療法には気分安定剤や抗うつ薬が使用され、心理療法では認知行動療法が効果的です。

Q: 双極I型と双極II型の違いは何ですか?

A: 双極I型は完全な躁エピソードが特徴であり、双極II型は軽躁状態と重度のうつ状態を繰り返す点が異なります。

Q: 双極性感情障害は治癒しますか?

A: 完全な治癒は難しいですが、適切な治療により症状を管理し、生活の質を向上させることが可能です。

Q: 双極性感情障害はどのように診断されますか?

A: 診断はDSM-5の基準に基づき、臨床面接や質問票を通じて行われます。

理解度を確認する問題

問題: 双極II型の特徴として正しいものを選びなさい。

  1. 完全な躁エピソード
  2. 軽躁状態と重度のうつ状態
  3. 持続的な軽躁状態のみ
  4. 持続的な重度のうつ状態のみ

回答: 2. 軽躁状態と重度のうつ状態

問題: 双極性感情障害の診断基準に使用されるマニュアルはどれですか?

  1. ICD-10
  2. DSM-5
  3. MMPI
  4. BDI

回答: 2. DSM-5

関連キーワード

  • 躁状態
  • うつ状態
  • 気分安定剤
  • 認知行動療法
  • DSM-5

関連論文

“Bipolar Disorder: Neurobiology and Treatment Options” (2020)

  • この論文では、双極性感情障害の神経生物学的基盤と最新の治療法について詳しく説明しています。脳の機能異常と遺伝的要因が詳述され、治療法としての薬物療法と心理療法の有効性が議論されています。

“The Efficacy of Cognitive Behavioral Therapy in Bipolar Disorder” (2019)

  • 認知行動療法(CBT)が双極性感情障害の治療において有効であることを示す研究です。CBTが気分の安定化と再発予防に役立つことが示されています。

覚え方

二つの極が交互に訪れる双極性感情障害

余談

個人的な話になります。

このキーワード「双極性感情障害」は私が心理学に興味を持ち始めたきっかけの1つです。端的に説明すると、身内にいまして結構大変でした(現在進行形でもあります)。今は専門の先生に診てもらって比較的安定していますが、まずは通院してもらうのが本当に時間がかかりました。

その経験をした際に先生に教えてもらったことや自分でやってみて効果があったことを書いておきます。現状困っている方に少しでも参考になれば幸いです。

病院に連れていきたいのですが行きたがりません。どうすれば良いかアドバイスをください

双極性感情障害の人が病院に行くことを拒否する場合、以下のアプローチが有効です。

  1. 理解と共感を示す
    • まずは相手の気持ちを理解し、共感を示すことが重要です。「行きたくない理由を教えてもらえますか?」と優しく尋ね、その理由を真剣に受け止めます。
  2. 適切なタイミングを選ぶ
    • 話をするタイミングも大切です。相手が比較的穏やかな状態のときを選びましょう。躁状態やうつ状態のピーク時は避けた方が良いです。
  3. 情報を提供する
    • 病院での診察や治療についての正確な情報を提供します。例えば、診察がどのように行われるのか、治療の目的は何かを具体的に説明します。不安を軽減するために、事前にどんな質問をされるか、どんな検査があるかを教えてあげると良いでしょう。
  4. 小さな一歩から始める
    • まずは簡単なステップから始めます。例えば、「一度だけ相談に行ってみよう」とか、「カウンセラーと話をするだけでも良い」と提案します。全てを一度に進めるのではなく、段階的に進めることで抵抗感を減らします。
  5. 信頼できる第三者の協力を得る
    • 家族や友人、信頼できる第三者に協力を依頼します。その人からの説得であれば、受け入れやすい場合があります。
  6. 緊急時の対応
    • 症状が深刻であり、危険がある場合には、緊急の介入が必要です。地域の精神保健福祉センターや救急医療機関に連絡し、適切なサポートを求めます。
  7. 訪問診療の利用
    • 病院に行くことに強い抵抗がある場合、訪問診療やオンライン診療の利用を検討します。自宅で診察を受けることで、抵抗感を和らげることができます。

病院に行きたがりません。どのように話を進めれば良いですか?

開かれた対話

  • 「どうして病院に行きたくないのか教えてください」と、相手の意見を尊重しながら対話を始めます。

共感とサポート

  • 「あなたの気持ちが分かります。でも、あなたの健康のために一度専門家に話を聞いてもらうのは大切だと思います」と共感を示します。

具体的な利点を説明

  • 「専門家に相談することで、もっと楽に過ごせるようになるかもしれません。試してみませんか?」と具体的な利点を説明します。

小さな目標設定

  • 「まずは1回だけ行ってみましょう。その後で、どう感じたか一緒に考えましょう」と小さな目標を設定します。

サポートの約束

  • 「私も一緒に行くので、安心してください。何かあったらすぐに話してください」とサポートを約束します。

病院に行くことに対する不安を和らげるための方法はありますか?

病院に行くことへの不安を和らげるためには、以下の方法が効果的です。

  1. 事前の情報提供
    • 診察の流れや医師の名前、病院の雰囲気などを事前に説明し、不安を軽減します。
  2. リラックス法の提案
    • 深呼吸やリラクゼーションのテクニックを教え、診察前にリラックスできるようにします。
  3. 一緒に行くことを約束
    • 信頼できる人が一緒に行くことで、安心感を提供します。
  4. 成功体験の共有
    • 過去に同様の不安を持っていた人が病院に行ってよかった経験を共有します。
  5. 前向きな強化
    • 病院に行くことができた際に、ポジティブなフィードバックを与え、次回も頑張れるように励まします。

頑張ってはいるのですが自分が疲れてしまいます。今後どうすればよいでしょうか?

双極性感情障害の人をサポートすることは非常に大変で、サポートする側も疲れてしまうことがあります。自分自身の健康とバランスを保ちながらサポートを続けるための方法を以下に示します。

現実的な目標を設定する

  • 自分がサポートできる範囲を現実的に見直し、無理のない目標を設定します。全てを一人で抱え込むのではなく、小さなステップでサポートを進めます。

他のサポートリソースを活用する

  • 地域のサポートグループやカウンセリングセンター、オンラインフォーラムなどのリソースを活用し、自分一人で全てを背負わないようにします。

相手に自立を促す

  • 相手ができることを自分で行えるように促し、過度な依存を避けます。自己管理スキルを高めるためのサポートを行います。

定期的な見直しと調整

  • 定期的にサポートの方法や自分の状態を見直し、必要に応じて調整します。無理を感じる場合は、すぐに対応策を講じることが重要です。

家族や友人と協力する

  • 家族や友人と協力し、支援の負担を分散させます。例えば、交代でサポートを提供するなどの方法があります。

専門機関との連携

  • 医療機関やカウンセリングサービス、地域の精神保健福祉センターなどの専門機関と連携し、継続的な支援を受ける体制を整えます。

情報収集と学習

  • 双極性感情障害についての情報を収集し、病気の理解を深めます。理解が深まることで、より効果的なサポートが可能になります。

サポートを続けることは大変ですが、自分自身の健康を第一に考えながら進めることが重要です。必要ならば、専門家の助けを借りながら、自分自身のケアとサポートのバランスを見つけてください。サポートする側が健康であることが、結果的に相手への最良のサポートにつながります。

スイッチが入った時の周りや自分への非難が辛いです。緩和する方法はありますか?

病気の理解

  • 双極性感情障害についての知識を深め、症状が病気によるものであることを理解します。これにより、非難や攻撃的な行動が個人の性格ではなく、病気の一部であると認識して切り離します。

感情的な距離を保つ

  • 非難を受けたときに感情的に巻き込まれないように距離を保ちます。冷静で落ち着いた態度を保つことで、状況を悪化させずに対処できます。

自己ケアの徹底

  • 自分自身の心身の健康を守るために、定期的な休息とリラクゼーションの時間を設けます。サポート者自身もカウンセリングやサポートグループに参加し、ストレスを発散します。

非難への対処法を学ぶ

  • 非難や攻撃的な行動に対する具体的な対処法を学びます。例えば、「私はそう感じるのですね」と相手の感情を認めつつ、自分の感情を伝える「アイメッセージ」を使用します。

境界線の設定

  • 健全な境界線を設定し、どの行動が許容されないかを明確にします。これにより、非難がエスカレートするのを防ぎます。

ポジティブなコミュニケーション

  • ポジティブなフィードバックを多く与え、非難ではなく建設的なコミュニケーションを促進します。相手が落ち着いた時に、感謝の気持ちや良い点を伝えるようにします。

事前の計画と合意

  • 落ち着いた時に、どのような状況で非難が起こるかを話し合い、対処法を事前に合意します。例えば、感情が高ぶった時には一時的に距離を置くことや、冷静になったら再び話し合うことを決めます。

安全な言葉の使用

  • 双方が落ち着いて話し合える「安全な言葉」や「安全な場所」を設定します。これにより、感情が高ぶった時でも対話が継続しやすくなります。

リラクゼーションタイムの設定

  • 非難が始まった時に一時的にリラクゼーションタイムを設定し、双方がクールダウンする時間を持つようにします。例えば、5分間の深呼吸や瞑想を取り入れます。自分がつらくなったら他の人に任せて物理的に距離を置くのも有効です。

外部のサポート利用

  • 双方ともにサポートを受けることを積極的に検討します。カウンセラーやセラピストの助けを借りて、非難に対する具体的な対処法を学びます。

非難を受けることは辛いですが、そのままの状況が続くのは地獄なので相互の理解と協力を通じて状況を改善する方法を探して少しずつ前をみましょう。自分自身の健康を大切にしながら、適切なサポートを提供し続けることが重要です。また、専門家の助けを借りることで、より効果的な対処法を見つけることができるでしょう。

身内の話を全く受け入れません。双極性感情障害の人はどのような人の話を聞きますか?

双極性感情障害の人が他者の話を聞きやすくなるためには、信頼と共感が重要です。以下に、どのような人の話を聞きやすいか、具体的な特徴やアプローチ方法を示します。

双極性感情障害の人が話を聞きやすい人の特徴

  1. 信頼できる人
    • 長い付き合いや過去の良好な関係がある人
    • 一貫してサポートを提供している人
  2. 共感的な人
    • 相手の気持ちや状況を理解しようと努める人
    • 批判や非難をせず、優しく接する人
  3. 冷静で落ち着いた人
    • 感情的にならず、冷静に対応できる人
    • パニックにならず、状況を穏やかに見守る人
  4. 専門的な知識を持つ人
    • 精神科医、カウンセラー、セラピストなどの専門家
    • 病気について十分な知識を持ち、適切なアドバイスができる人
  5. 一貫したサポートを提供する人
    • 定期的に連絡を取り、継続的にサポートを提供する人
    • 一時的ではなく、長期的な視点でサポートする意識を持つ人
具体的な例
  1. 家族や親しい友人、恩師
    • 家族や親しい友人が、「あなたのために何ができるか一緒に考えたい」と話しかけることで、信頼関係を基に話を聞きやすくなります。
    • 「あなたが大切だから、専門家の助けを借りることを考えてみませんか」と伝える。
  2. カウンセラーやセラピスト
    • 初めてのセッションでは、カウンセラーが「今日はどんなことを話したいですか?」と優しく問いかけ、信頼関係を築く。
    • セラピストが「感情の変動について話してもらえると、どう対処するか一緒に考えられます」と伝えます。
  3. 同じ経験を持つピアサポーター
    • ピアサポーターが、自身の経験を共有しつつ、「私も同じような状況を経験しました。専門家の助けが本当に役立ちました」と伝える。
    • 共感と実体験を基にしたアドバイスを提供することで、話を聞きやすくします。

意外な人に信頼をおくことがありますので気持ちが落ち着いている時に誰と話をしていた時に誰が何を話をしていたか聞いてみると良いかもしれません。

注意点としては、怪しい人を信頼してしまうと後々大変です。過去の経験ですと詐欺師に心を捕まれました。明日までに50万円用意しないとその人がアラブの富豪に連行されるからお金を貸して欲しいと言われました。

少しでも参考になれば幸いです。しかし、私は専門家ではありませんのでその点はご了承ください。

無料で相談できる窓口もありますのでリンクを貼っておきます。

精神保健福祉センター(東京都)

いのちの電話

こころの健康相談

↓↓よろしければクリックをお願いいたします
にほんブログ村 哲学・思想ブログ 心理学へ 心理学ランキング
社会・感情・性格
スポンサーリンク
スポンサーリンク
hosomeganeをフォローする
心理学用語の壁

コメント

タイトルとURLをコピーしました