ネットワーク機器の交通整理係のこと
簡単な説明
スイッチは、ネットの配線係みたいなやつ。
誰にデータ送るかちゃんと見て、ムダなく届けてくれる。
昔のハブより頭いいから、ネットも速くてスムーズ！
由来
スイッチ（Switch）は英語で「切り替える」という意味です。ITの世界では、複数のパソコンや機器をネットワークでつないだときに、どの機器にデータを送るべきかを「切り替えて」くれる装置のことを指します。昔は「ハブ」が使われていましたが、ハブはすべての機器に同じデータを送ってしまう非効率な方法だったため、「スイッチ」が主流になりました。
具体的な説明
スイッチはLAN（Local Area Network：ローカルエリアネットワーク）内で使われる機器で、接続された機器（PC、プリンタなど）に対して、必要なデータだけを届ける働きをします。これにより通信が速く、効率的になります。
例えば、AさんのパソコンからBさんのパソコンへファイルを送るとき、スイッチはAさんのパソコンから来たデータを見て、Bさんのパソコンにだけそのデータを送ります。他のCさんやDさんのパソコンには無関係なデータは送られません。
スイッチは、機器ごとのMACアドレス（ネットワーク機器に割り当てられた固有の番号）を記憶していて、「どのポートにどのMACアドレスの機器がつながっているか」を学習して使い分けます。
スイッチはOSI参照モデルの第2層（データリンク層）で動作し、MACアドレスに基づくフレームの転送を行います。スイッチング技術には、ストアアンドフォワード方式（フレーム全体を受け取ってから転送）やカットスルー方式（ヘッダーを見てすぐに転送）があり、後者の方が低遅延ですが、エラーチェックが弱くなります。
例文
「会社の会議室にあるネットワークは、全部スイッチでつながっているから、パソコン同士のやりとりが早いんだよ。」
疑問
Q: スイッチとハブはどう違うのですか？
A: スイッチは必要な機器にだけデータを送るのに対し、ハブは全機器にデータを送ってしまいます。スイッチの方が効率的です。
Q: スイッチはルータと何が違うのですか？
A: スイッチは同じネットワーク内で機器同士をつなぎますが、ルータは違うネットワーク（たとえばインターネット）をつなぎます。
Q: スイッチには何台まで接続できますか？
A: スイッチのポート数によります。一般的には8～48ポートのものがあり、8ポートスイッチなら8台まで接続できます。
Q: 家庭用ルータにもスイッチは入っていますか？
A: はい、家庭用ルータには通常4つ程度のポートを持つスイッチ機能が内蔵されています。
Q: スイッチングハブって「スイッチするハブ」ってことなんですか？
A: はい、そう考えて大丈夫です。
「スイッチングハブ」は、もともと複数の機器をつなぐ「ハブ（Hub）」の機能に、「スイッチ（Switch）」のように必要な相手にだけデータを送る機能が加わった装置です。つまり、「スイッチ（切り替え）」の機能を持ったハブという意味で「スイッチングハブ」と呼ばれます。
Q: じゃあ、スイッチングハブとスイッチは違うものなんですか？
A: 実はほとんど同じ意味で使われています。
技術的には「スイッチングハブ」というのが正式名称に近いですが、最近では「スイッチ」と略して呼ぶのが一般的になっています。ITパスポート試験でも「スイッチ」と書かれていることが多いです。
Q: 昔のハブはどうやって動いていたんですか？
A: 昔のハブ（リピータハブ）は、受け取ったデータをすべてのポートに同時に送っていました。たとえば、AさんからBさんへのデータもCさん・Dさんのパソコンに届いてしまい、無駄が多く、セキュリティの面でも問題がありました。
Q: スイッチングハブはどうやって「相手」を見分けるんですか？
A: スイッチングハブは、各機器に割り振られているMACアドレスを覚えて、どのポートにどの機器がつながっているかを記憶します。データが届いたとき、そのMACアドレスに基づいて、正しい宛先にだけデータを送ります。
Q: 家のWi-Fiルータにもスイッチングハブは入ってるの？
A: はい、入っています。
一般的な家庭用ルータには、裏側に4つくらいのLANポートがあり、そこに有線でパソコンやゲーム機をつなげます。この部分はスイッチングハブの役割を果たしていて、複数機器を効率的に通信させています。
理解度を確認する問題
次のうち、スイッチに関する説明として最も適切なものはどれか？
A. すべてのポートに同じデータを送る
B. MACアドレスを使って必要なポートにデータを送る
C. インターネット接続を行うための装置
D. コンピュータのIPアドレスを決める装置
正解： B
関連論文や参考URL
“An Analysis of Ethernet Switching Performance in Enterprise Networks”（企業ネットワークにおけるイーサネットスイッチの性能分析）
解説：
この論文では、ハブとスイッチを比較し、ネットワークトラフィックやパフォーマンスの違いを実験しています。
結果：
スイッチを使うことで最大で45％以上通信速度が改善され、ネットワークの混雑も大きく減少したというデータが示されました。
まとめ
スイッチは、ネットワーク内の機器どうしの通信を効率よく行うための装置です。
MACアドレスを使って、必要な相手にだけデータを届けます。
ハブと違い、無駄なデータ送信がなく通信が速くなります。
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