インターネットの中でも特別な方法でしかアクセスできない、隠れたウェブ空間のこと
簡単な説明
ダークウェブってのは、普通のネットじゃ見れない“裏のネット”みたいな場所だよ。
専用のブラウザ（Tor）を使ってこっそり入る感じで、匿名性バツグン。
便利だけど、ヤバい取引とかも多くて危ないとこでもあるんだ。
由来
インターネットは、一般に使える「サーフェスウェブ」（検索エンジンで見つかるウェブ）、その裏側の「ディープウェブ」（IDやパスワードが必要なページ）、さらにその奥にある「ダークウェブ」の3つに分けられます。
ダークウェブは、もともとは政府や研究機関が匿名で通信するために開発された「Tor（トー）」という技術から広まりました。Torは「The Onion Router」の略で、通信をタマネギのように何重にも暗号化して送る仕組みです。
具体的な説明
ダークウェブは、普通のブラウザ（ChromeやSafariなど）やGoogleなどの検索エンジンではアクセスできません。Torブラウザなどの特殊なソフトを使って初めて見ることができます。
アクセスは匿名で行われるため、プライバシー保護や言論の自由に使われることもありますが、一方で違法な取引や情報の売買の場として使われることもあります。
たとえば、ジャーナリストが政府の監視を避けて情報をやりとりしたり、ある国で言論の自由がない場合に市民が匿名で情報を発信するなど、正当な使い方もあります。
しかし、麻薬の売買、個人情報の流通、違法な武器の取引などに使われることも多く、警察などが監視しています。
情報セキュリティの観点から、ダークウェブは「匿名性ネットワーク」の研究対象です。Torはパケットの経路をランダムにして匿名性を保証しますが、その分、通信速度が遅くなるという欠点があります。
研究者は、どのようにして匿名性を高めつつ悪用を防止するかを研究しており、AIを使ったダークウェブ監視技術の開発も進んでいます。
例文
「お父さん、ニュースでダークウェブって聞いたんだけど、それって怖いところなの？」
「そうだね、正しい使い方もあるけど、普通のインターネットよりも怪しいことが行われている場所だよ。」
疑問
Q: ダークウェブにアクセスするには普通の検索エンジンでURLを検索すればいいですか？
A: いいえ、Googleなどでは検索できず、Torブラウザなどの特別なソフトが必要です。
Q: ダークウェブはすべて違法な場所ですか？
A: いいえ、正当な目的で使われている部分もありますが、違法な使い方が多く問題視されています。
Q: ダークウェブとディープウェブの違いは何ですか？
A: ディープウェブはID・パスワードが必要なだけの非公開ページ、ダークウェブは匿名ネットワーク上にある特別な空間です。
Q: Torブラウザを使うのは違法ですか？
A: 日本ではTorブラウザの使用自体は違法ではありませんが、違法な目的に使えば犯罪になります。
Q: ダークウェブで買った情報を使っても罪になりますか？
A: はい、違法な手段で得た情報を使うと罪に問われる可能性があります。
理解度を確認する問題
次のうち、「ダークウェブ」の特徴として最も適切なものを1つ選びなさい。
A. Googleなどの検索エンジンで簡単にアクセスできる
B. 通常のウェブサイトと同じ技術で作られている
C. Torなどの匿名ネットワークを経由してアクセスされる
D. 全てが政府機関によって運営されている
正解：C
関連論文や参考URL
「Measuring the Structure and Usage of the Dark Web」
要旨：Torネットワーク上にある約3万のサイトを調査し、その大半が短期間で消える「一時的存在」であることを報告。
結論：ダークウェブ上の多くのサイトは、匿名性と一時性を活かしており、監視や取締りを逃れようとする性質が強い。
『Darkweb research: Past, present, and future trends and mapping to sustainable development goals』（2023年）
概要: この研究は、過去10年間のダークウェブに関する文献を体系的にレビューし、研究の傾向と持続可能な開発目標（SDGs）との関連性を分析しています。
結果: ダークウェブ研究は主に以下の4つのクラスターに分類されました：
- ネットワークセキュリティ、マルウェア、サイバー攻撃
- サイバー犯罪、データプライバシー、暗号技術
- 機械学習、ソーシャルメディア、人工知能
- 薬物取引、暗号市場
解釈: ダークウェブの研究は多岐にわたり、技術的側面だけでなく、心理学的・地政学的要因も重要であることが示されています。特に、SDG16（平和と公正をすべての人に）との逆相関が指摘され、ダークウェブがこれらの目標達成を阻害する可能性があるとされています。
まとめ
ダークウェブとは、Torなどの特殊なソフトを使わないとアクセスできない匿名性の高いウェブ空間です。
プライバシー保護や言論の自由のために使われる一方、違法取引の温床にもなっています。
普通の検索エンジンでは見つけられず、URLは暗号的な文字列で構成されています。
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