より良くし続ける取り組みのこと
簡単な説明
継続的改善ってのは、「もっと良くしよう!」をずーっとやり続けること。
完璧じゃなくてOK、小さな工夫の積み重ねが大事。
ITの世界でも、これを回し続けることでサービスがどんどんパワーアップ!
由来
「継続的改善」は英語でContinuous Improvement(CI)と呼ばれ、日本の製造業から世界に広がったKaizen(改善)の考え方が基になっています。トヨタ自動車などで実践されるトヨタ生産方式では、小さな問題を見つけては少しずつ改善することが大切にされてきました。
具体的な説明
継続的改善とは、今の仕事のやり方やシステム、製品などを「常に少しずつ良くしていく」活動のことです。一度作ったら終わりではなく、「もっと良くできないかな?」と考えて、改善を積み重ねるのが特徴です。
たとえば、会社で使っているソフトウェアに不便なところがあったら、「このボタンをもっと見やすくしよう」「動作が遅いから軽くしよう」というように、小さな改良を何度も繰り返して、最終的に大きな改善につなげます。
この改善を記録して、評価して、また改善するというPDCAサイクル(Plan→Do→Check→Act)を回すことが大切です。
継続的改善は、品質管理(TQM: Total Quality Management)やリーン生産方式(Lean Production)の中心的な考え方の一つです。改善には、統計的手法(QC七つ道具など)やフィードバック制御を用いることで、定量的な評価と実証を通じて持続可能な変革が促進されます。
ある企業で行われた観察では、「業務日報にかかる平均時間」を改善対象とし、現状のプロセスを記録 → 無駄な工程を削除 → フォーマットの簡素化 → 入力支援ツールの導入を行いました。
結果、日報作成時間は平均25分→10分に短縮され、従業員の満足度と生産性が向上しました。
ITILにおける継続的改善とは、
「サービス、プロセス、成果、チーム、個人のすべてについて、継続的に評価し、向上させる体系的なアプローチ」
と定義されています。
ITサービスの品質、効率、顧客満足度を少しずつ、しかし確実に向上させるために、定期的に見直して改善を続けます。
ITILでは、次のような7ステップの継続的改善プロセスが紹介されています:
- 改善する理由を明確にする(Why)
- 現状を理解する(Where are we now)
- 目標を設定する(Where do we want to be)
- 計画を立てる(How do we get there)
- 行動を起こす(Take action)
- 結果を測定する(Did we get there)
- 次の改善の機会を探す(How do we keep the momentum going)
これにより、PDCAサイクルを超える、より詳細な改善活動ができます。
例文
「わたしたちの部活動でも、練習後にミーティングをして、どうすればもっと効率よく動けるかを話し合って工夫している。これは継続的改善の一つです。」
疑問
Q: 継続的改善と一度の大きな改革は何が違いますか?
A: 継続的改善は「少しずつ良くすること」を繰り返す方法で、大きな負担がありません。一方、大きな改革は一度に大きく変えるため、コストやリスクが高くなります。
Q: PDCAサイクルとどう関係がありますか?
A: 継続的改善はPDCAサイクルを使って実現されます。計画→実行→確認→改善を繰り返すことで、より良い結果が得られます。
Q: 小さな改善でも意味がありますか?
A: 小さな改善でも積み重ねれば大きな成果になります。1日1%の改善でも1年後には大きな成長につながります(複利的効果)。
Q: 継続的改善とインシデント管理の違いは?
A: インシデント管理は問題の解決、継続的改善はその再発防止やサービス全体の質の向上を目的とします。
理解度を確認する問題
継続的改善の説明として最も適切なものはどれか。
ア. 一度に全ての仕組みを変更すること
イ. 問題を放置して様子を見ること
ウ. 小さな改善を繰り返し行うこと
エ. 他社の真似をして仕組みを導入すること
正解:ウ
関連論文や参考URL
“Continuous Improvement in Software Development: A Systematic Review”
要旨: ソフトウェア開発における継続的改善の取り組みを調査。
結果: 継続的改善を導入したチームは導入していないチームに比べ、バグの数が平均35%減少し、開発期間も約20%短縮された。
まとめ
継続的改善とは、サービスや業務を常に少しずつ良くしていく活動です。
ITILでは、目的を明確にし、計画・実行・評価・見直しを繰り返す「7ステップモデル」が使われます。
この改善活動により、顧客満足度や効率が着実に向上していきます。


コメント