サービスの品質(レベル)をきちんと管理する仕組みのこと
簡単な説明
SLMってのは、「どこまでちゃんとサービスするか」を決めて、ちゃんと守れてるか見張る仕組み。
お互いに「これだけは守ろうね」って約束(SLA)を作る。
それを守れてないと信用ガタ落ち、って感じです!
由来
SLMは、ITサービスマネジメントの国際標準「ITIL(アイティル)」の中でも重要なプロセスです。組織とユーザーとの間で「このくらいのサービスを保証します」という約束(=サービスレベル合意書:SLA)を作り、それを守るために管理する活動を意味します。
具体的な説明
サービス提供者(IT部門など)とサービス利用者(会社の他部署など)が、どのくらいのレベルのITサービスを提供・利用するかを事前に合意し、そのサービスレベルが守られているかをモニタリングする活動です。
SLMは、ITILのサービス設計フェーズにおいて定義され、ITサービスの可用性(availability)、信頼性(reliability)、応答時間(response time)などのKPI(重要業績評価指標)をSLAとして明文化し、PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルにより改善・維持されます。
企業のネットワーク部門が、SLAで「メールサーバの稼働率は99.9%とする」と定めたとします。この場合、1年間(8,760時間)のうち、サーバが停止して良い時間は約8.76時間だけです。実際の稼働時間を監視ツールで記録し、目標と比較して改善点を見つけます。
例文
「うちの会社では、プリンターが壊れても4時間以内に直してくれるっていう契約(SLA)があるんだ。これを守るようにサービス提供者が頑張るのがSLMなんだよ。」
疑問
Q: SLMはだれが行うものですか?
A: 主にITサービスを提供する側、たとえば社内の情報システム部門や外部ベンダーが実施します。
Q: SLAって何の略ですか?
A: 「Service Level Agreement」の略で、サービスレベル合意書のことです。
Q: SLMはなぜ必要なのですか?
A: サービスの品質を明確にして、トラブルを未然に防ぐためです。誰が何をどこまでやるかをハッキリさせることで、無駄なトラブルが減ります。
Q: SLAを守れなかったらどうなるのですか?
A: ペナルティ(罰金)を払う契約になっている場合もありますし、信頼を失って契約が切られることもあります。
理解度を確認する問題
次のうち、サービスレベル管理(SLM)に関する説明として最も適切なものはどれか。
ア:サービスレベル管理とは、社内のセキュリティを監視する活動である。
イ:サービスレベル管理とは、ITサービスの提供レベルを合意し、管理することである。
ウ:サービスレベル管理とは、従業員の勤怠を管理する仕組みである。
エ:サービスレベル管理とは、業務システムの開発手法の一種である。
正解:イ
関連論文や参考URL
Service Level Agreement in Cloud Computing: Issues and Challenges
この論文では、クラウドコンピューティングにおけるSLAの重要性とその課題(たとえば、曖昧な契約条件やモニタリング手法の不備)について議論されています。結論として、AIによる自動監視や契約更新支援ツールの導入が効果的だとされています。
まとめ
SLM(サービスレベル管理)とは、ITサービスの品質を事前に合意(SLA)し、それを維持・改善する仕組みです。
サービスの提供者と利用者の間で「どこまでやるか」を明確に決め、守られているかを定期的に確認します。
トラブルの予防や顧客満足の向上に役立つ、ITサービスマネジメントの重要なプロセスです。


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