プロジェクトを成功させるためのルールブックのこと
簡単な説明
「プロジェクトのやり方マニュアル」みたいなもん。
「どうやったらうまくいくか?」っていう考え方とかコツがまとまってる。
最新版(第7版)はガチガチの手順じゃなくて、「柔軟にやって、価値あるモノを届けよう!」ってスタイルになってるよ。
由来
PMBOK(ピンボック)は「Project Management Body of Knowledge」の略で、「プロジェクトマネジメント知識体系ガイド」と訳されます。
アメリカの「PMI(Project Management Institute)」という団体が発行しており、最初の版は1996年に登場しました。現在(2025年時点)では第7版が最新版です。
このガイドは、世界中で通用するプロジェクト管理の共通言語として活用されています。
具体的な説明
PMBOKは、プロジェクトを成功させるためのベストプラクティス(最も効果的な方法)を体系的にまとめたものです。
プロジェクトとは、たとえば「新しいアプリを作る」「イベントを開催する」といった期限・目的・成果物がある仕事のことを指します。
PMBOKでは、プロジェクトを以下の**5つのプロセス群(グループ)**に分けて管理します。
| プロセス群 | 説明 |
|---|---|
| 立ち上げ(Initiating) | プロジェクトを正式に始める |
| 計画(Planning) | やるべきことやスケジュールなどを決める |
| 実行(Executing) | 計画通りに作業を進める |
| 監視・コントロール(Monitoring & Controlling) | うまく進んでいるかをチェックして調整する |
| 終結(Closing) | 最後にまとめて完了させる |
例えば、中学生が「文化祭のクラス展示」を成功させるために動くとします。
- 立ち上げ:テーマを決め、リーダーやメンバーを選ぶ
- 計画:何を準備するか、どのくらいの費用や時間が必要かを決める
- 実行:実際に装飾を作ったり、練習をしたりする
- 監視・コントロール:進捗を確認して、遅れていれば調整する
- 終結:展示が終わった後に片付けをし、反省会を行う
このように、PMBOKは「どうやったらうまくやれるか?」をまとめたガイドです。
PMBOKは、ナレッジエリア(知識エリア)という分野別の管理ポイントも定義しています。代表的な10個(第6版)を以下に示します:
- 統合マネジメント
- スコープ(範囲)マネジメント
- スケジュールマネジメント
- コストマネジメント
- 品質マネジメント
- 資源(リソース)マネジメント
- コミュニケーションマネジメント
- リスクマネジメント
- 調達マネジメント
- ステークホルダーマネジメント
第7版では、より柔軟で「価値志向型」のアプローチに移行しています。
多くの企業では、PMBOKの知識を活用し、プロジェクトの失敗率を下げています。
たとえばIPA(情報処理推進機構)の調査によると、プロジェクトの失敗率は約30%前後とされていますが、PMBOKなどの体系的な管理手法を使うことで、成功率が10〜20%向上するという報告もあります。
例文
「新しいアプリ開発プロジェクトでは、PMBOKに従ってスケジュールやリスク管理を計画したおかげで、予定通りにリリースできました。」
疑問
Q: PMBOKは資格ですか?それともガイドですか?
A: PMBOKはガイドです。PMBOKを基にした資格に「PMP」がありますが、ITパスポートではガイドとして学びます。
Q: ITパスポートでPMBOKはどのくらい出題されますか?
A: プロジェクトマネジメント分野で数問(1〜3問程度)出題されることが多いです。
Q: PMBOKとアジャイル開発は両立できますか?
A: はい。第7版ではアジャイル的な考え方も取り入れられており、両立が可能です。
Q: PMBOKを使うと何が変わるのですか?
A: プロジェクトの進め方が体系化され、スムーズでトラブルの少ない進行が可能になります。
Q: PMBOKはどの業種でも使えますか?
A: はい。IT業界だけでなく、建設、製造、教育など幅広い業種で利用されています。
理解度を確認する問題
PMBOKにおける「監視・コントロール」に該当する活動として最も適切なものはどれか?
A. プロジェクトの予算を決定する
B. ステークホルダとの契約を締結する
C. 作業の進捗状況を確認し、必要に応じて計画を修正する
D. プロジェクトを終了し、成果物を納品する
正解:C
関連論文や参考URL
「A Comparative Analysis of Project Management Methodologies」(2020年、Journal of Project Management)
内容:PMBOKとアジャイル、PRINCE2などの他の手法を比較した研究。
結果:PMBOKは構造化されていて大規模プロジェクトに向いており、安定したプロジェクト成功率を導く傾向があるとされています。
まとめ
PMBOK(ピンボック)は、プロジェクトを成功させるための世界共通のガイドラインです。
第7版では「価値提供」や「柔軟性」を重視し、12の原則と8つの成果視点で構成されています。
ITや建設など、あらゆる業種で使えるプロジェクトの進め方の基本です。


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