製品やサービスの品質が安定しているかをグラフで見える化する道具のこと
簡単な説明
管理図ってのは、モノづくりやサービスがちゃんと安定してるかをグラフでチェックするやつ。
平均値のまわりに「ここまでならOK」って線を引いて、外れたら「おや?」って気づける仕組み。
異常があったらすぐ対処できるから、品質管理にめっちゃ便利。
由来
管理図は、アメリカの統計学者「ウォルター・A・シューハート(Walter A. Shewhart)」によって1924年に開発されました。製品のばらつきを「偶然のばらつき(管理可能)」と「異常なばらつき(管理不能)」に分け、品質を安定させるために使われるグラフです。
具体的な説明
製造業やサービス業などで、品質を継続的に監視し、問題があればすぐに対処できるようにするために使います。管理図では、横軸に「時間」や「製造順」、縦軸に「測定値(例:製品の重さ、長さなど)」を取ります。
そして、
- 中心線(CL):平均値
- 管理上限(UCL):ばらつきの上限
- 管理下限(LCL):ばらつきの下限
この3つの線を引いて、データがこの範囲に収まっていれば「安定している」と判断します。
たとえば、クッキーを焼く工場で、1枚あたりの重さが平均20グラムになるように作っています。でも、毎回ピッタリ20gになるわけではなく、少しずつ違う重さになりますよね。
そこで、毎日いくつかのクッキーの重さを測ってグラフにします。そのとき、「平均±3σ(標準偏差)」という考え方を使って、「だいたいここまではOK」という範囲(UCLとLCL)を決めます。
このグラフが管理図です。
具体的な観察・実験手法と結論
実験:1日あたり5個のクッキーの重さを10日間測定。
結果:平均値±3σの範囲内にすべてのデータが入っていた ⇒ 「工程は安定している」と判断。
もし1個でも範囲外になった場合 ⇒ 「工程に異常がある可能性がある」と判断。
例文
「この前、クッキー工場の管理図を見たら、重さが安定していて一安心だったよ。」
疑問
Q: 管理図とグラフの違いは何ですか?
A: 一般的なグラフは単にデータを可視化するだけですが、管理図は「異常があるかどうか」を判断するための統計的な判断基準を持つグラフです。
Q: なぜ±3σ(シグマ)を使うのですか?
A: ±3σを使うと、正規分布の99.73%のデータがその中に入るため、「通常のばらつき」と「異常なばらつき」を明確に区別できるからです。
Q: 管理図の種類にはどんなものがありますか?
A: 主に「X̄-R図」「X̄-s図」「p管理図(不良率)」「np管理図(不良数)」などがあります。
Q: ITの世界でも管理図は使われますか?
A: はい、たとえばシステムのレスポンス時間やサーバーのCPU使用率の安定性を測るときなどに使われます。
Q: 管理図の「点が中心線から離れている」のはなぜですか?
A: 原因は様々ですが、機械の異常や材料のばらつき、人為的ミスなどが考えられます。
理解度を確認する問題
管理図について正しいものを選びなさい。
A. 管理図はグラフであればなんでも良い
B. 管理図は品質が悪いときだけ使う
C. 管理図は品質のばらつきを把握するために使う
D. 管理図には平均値の表示は必要ない
正解:C
関連論文や参考URL
Montgomery, D. C. (2009). Introduction to Statistical Quality Control. Wiley.
この論文(教科書)は管理図の原理・種類・適用方法を詳しく解説しており、多くの実例を通じて管理図の信頼性と有効性を裏付けています。特に「工程能力指数」との関係を数値的に示しています。
まとめ
管理図とは、品質や作業工程の安定性をグラフで監視するためのツールです。
中心線・上限・下限を基準に、異常なばらつきがあるかを判断します。
主に製造業やIT運用などで、問題の早期発見と対処に使われます。


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