ソフトウェアを導入後も使い続けるために手入れする作業のこと
簡単な説明
ソフトウェア保守ってのは、アプリとかシステムをちゃんと動かし続けるための「手直し作業」だよ。
バグ直したり、新しいスマホとかに対応させたり、使いやすく改良したりする感じ。
マニュアルの更新とかもぜんぶひっくるめて「保守」って呼ぶんだ。
由来
ソフトウェアは一度完成しても、使っているうちに問題が見つかったり、環境が変わったり、使い方を変えたくなることがあるため、作ったあとも定期的に手を入れる必要があります。
この「手入れ」や「修正」の作業を「ソフトウェア保守(maintenance)」と呼びます。
具体的な説明
ソフトウェア保守は、大きく以下の4つに分かれます。
- 是正保守:バグ(不具合)の修正
- 適応保守:OSやハードウェアの変更に対応
- 予防保守:将来起こりそうな問題を防ぐ
- 完全保守:機能の追加・改善
たとえば、スマホのアプリを使っていて「突然落ちた」とか「新しいiOSに対応してない」といったことがありますね。
これはアプリが正しく動かなくなっている状態で、開発者がアップデートで直したり機能追加したりするのがソフトウェア保守です。
ソフトウェア保守はソフトウェア工学(Software Engineering)の一分野であり、開発後のライフサイクル工程の一つです。IEEE(アメリカ電気電子学会)の定義によれば、保守は「ソフトウェア製品の欠陥の修正、機能の改善、性能向上、または他システムへの適応のための変更」とされています。
特に、保守コストは全ライフサイクルコストの約60〜80%を占めるとされており、初期開発よりもはるかに長期間で多くの費用がかかります。
実験や観察手法と結論
手法:
ある企業の業務用ソフトウェアを10年間運用し、保守コストの内訳を調査。
結論:
- 保守のうち是正保守が25%、適応保守が20%、完全保守が50%、予防保守が5%
- 時間がたつほど、保守の手間とコストが増える
- 最初から保守しやすい設計にしておくと、将来的な負担が減る
例文
「このゲームアプリ、よく落ちるけど、最近のアップデートで安定したね。あれがソフトウェア保守っていう作業なんだよ。」
疑問
Q: 保守とアップデートは違うのですか?
A: アップデートは保守の一部です。新機能追加も修正も含めた全体を保守と呼びます
Q: 無料アプリの保守費用は誰が出すのですか?
A: 通常は広告収入や課金収入からまかなわれます。無料でも保守には費用がかかります。
Q: 保守しないとどうなるのですか?
A: セキュリティに問題が出たり、使えなくなったりしてしまいます。最悪の場合、情報漏洩もあります。
Q: なぜ最初から完璧に作らないのですか?
A: 技術や使われ方は常に変化します。最初から全てに対応するのは不可能です。
Q: ウイルス対策のためのアップデートはソフトウェア保守に含まれますか?
A: はい、含まれます。特に「予防保守」に該当します。
新しいウイルスやセキュリティの脅威に対応するためのアップデートは、将来起こるかもしれない問題(セキュリティ侵害)を未然に防ぐことが目的なので、予防保守と呼ばれます。
Q: セキュリティパッチを配布するのも保守の一部ですか?
A: はい、その通りです。
セキュリティパッチはソフトウェアの脆弱性(弱点)を修正するための更新です。これは是正保守(問題の修正)にも予防保守にも該当します。
Q: ウイルス対策ソフト自体のアップデートも保守ですか?
A: はい、それも保守に含まれます。
ウイルス定義ファイルやエンジンの更新は、最新の脅威に対応するために行われる「予防保守」です。
Q: 予防保守はどんな特徴がありますか?
A: 問題が起きる前に対応するのが特徴です。
予防保守は、過去のデータや予測に基づいて「こういうトラブルが起きそうだから、先に直しておこう」とする作業です。
Q: ソフトウェア保守はセキュリティ以外にも関係するのですか?
A: はい、保守はセキュリティ以外にもバグ修正や機能追加、環境への対応など幅広く関係します。
つまり、ソフトウェアが長期間・安全に・快適に使えるようにするための総合的な手入れが「保守」なのです。
Q: ソフトウェアのマニュアルや設計書など、ドキュメントの更新も保守に含まれますか?
A: はい、含まれます。
ソフトウェアに変更が加わった場合、その内容に合わせて設計書や操作マニュアルなどのドキュメントを更新する作業も保守の一環です。これを特に「ドキュメント保守」と呼ぶこともあります。
Q: なぜドキュメントの更新が重要なのですか?
A: ソフトウェアの正しい使い方や構造を理解するために必要だからです。
設計書が古いままだと、次の開発者や利用者が誤った理解をして、バグや事故の原因になることがあります。
Q: ドキュメント保守はどのタイミングで行うのですか?
A: ソフトウェアに修正や改良を加えたタイミングで、同時に行うのが理想です。
後回しにすると内容にずれが生じて、「設計書と実物が合っていない」という問題が発生します。
Q: ドキュメント保守もコストがかかるのですか?
A: はい、かかります。
特に大規模なシステムではドキュメントの量も多く、修正の確認・レビュー・配布などに手間がかかります。
理解度を確認する問題
ソフトウェア保守における「適応保守」の説明として最も適切なものはどれですか?
A. 利用者の操作ミスに対応すること
B. ソフトウェアのバグを修正すること
C. システムの環境変更に対応すること
D. ソフトウェアの販売促進活動を行うこと
正解:C
関連論文や参考URL
「A Study on Software Maintenance Cost Estimation Models」
内容:ソフトウェア保守のコストを数値モデルで予測する研究。
結果:ソフトウェアの構造が複雑であるほど保守コストが高くなること、また初期設計の質が保守性に大きく影響することを示した。
まとめ
ソフトウェア保守とは、ソフトウェアを長く安全に使うための修正・改善作業です。
不具合対応、環境変化への適応、将来の問題予防や機能追加が含まれます。
設計書やマニュアルの更新も保守の一部として重要です。


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