カスタマージャーニーマップ

CJM ストラテジ系

お客さんが商品やサービスを知ってから購入・利用するまでの道のりを図にすること

簡単な説明

カスタマージャーニーマップってのは、
「お客さんがどんな流れで商品を知って、悩んで、買って、使って、困って、また使うか」を全部まとめた“体験の地図”みたいなもの!
これがあると、お店側が「ここで迷ってるな」とか「ここで感動してるな」ってわかって、サービスがよくなるってわけ

由来

インターネットやSNSの普及によって、消費者の行動が複雑になりました。昔はテレビCMを見て買うだけでしたが、今は「SNSで見て、レビューを見て、店に行って、比較して、やっと買う」というふうに、購入までの流れが長くなったのです。

そのため、企業は「お客さんがどうやって商品を見つけて、興味を持ち、買うのか?」という行動の流れを見える化して分析し、よりよいサービスを提供する必要が出てきました。これがカスタマージャーニーマップです。

具体的な説明

カスタマージャーニーマップとは、お客さん(カスタマー)が商品やサービスを知ってから購入、利用、そしてその後のフォローアップまでの「体験の流れ」を、時間軸に沿って図で表したものです。
このマップを見ることで、企業は「どのタイミングでどんなサポートが必要か」「どんなことでつまずくか」を発見し、改善できます。

たとえば、ある中学生が新しいスマホを買いたいと思ったとします。

  1. SNSで友達が使っているスマホを見て「いいな」と思う(認知)
  2. YouTubeでレビュー動画を見る(興味・関心)
  3. 店で実物を見る(比較・検討)
  4. 親に相談して購入(購入)
  5. わからない機能をネットで調べる(利用)
  6. サポートセンターに問い合わせる(アフターサービス)

これらの一連の流れを、時間軸に沿って整理したのがカスタマージャーニーマップです。

マーケティングやUX(ユーザーエクスペリエンス)分野において、カスタマージャーニーマップは行動心理学とペルソナ分析に基づいて作成されます。
ユーザーがどのタッチポイント(接点)でどんな感情や思考を持つかを明確化することで、サービス提供側はパーソナライズされた体験設計が可能になります。

具体的な観察手法と結論

観察手法には、以下があります:

  • インタビュー調査:ユーザー本人に購入までの流れを聞く
  • アクセス解析:どのページを何秒見たかなどのデータ
  • カスタマーサポートのログ分析:問い合わせが多いタイミングを分析

これにより、「購入前にスペックの比較に悩む人が多い」などの問題が見つかります。

例文

「新しいゲーム機が欲しくて、レビューサイトを見たり、友達に聞いたりしたんだけど、そのときの行動をまとめたのがカスタマージャーニーマップなんだよ。」

疑問

Q: カスタマージャーニーマップは誰が作るのですか?

A: 主にマーケティング担当者やUXデザイナーが作成しますが、開発者や営業も一緒に作ることが多いです。

Q: なんで図にする必要があるのですか?

A: 図にすることで、お客さんの行動の流れや問題点が一目でわかるからです。

Q: どうやって情報を集めるのですか?

A: アンケートやインタビュー、ウェブサイトのアクセスデータなどから集めます。

Q: どんなときに役立ちますか?

A: 新しい商品やサービスを出すときや、既存サービスを改善したいときに役立ちます。

Q: カスタマージャーニーマップは紙に書くものですか?それともパソコンで作るのですか?
 
A: どちらでも作れますが、最近はオンラインツール(例:Miro、Canvaなど)を使ってパソコンで作成するのが主流です。

Q: 1つの商品に対してカスタマージャーニーマップは1つだけ作ればいいのですか?
 
A: 商品は1つでも、お客さんのタイプによって行動が違うため、ペルソナ(例:高校生向け・ビジネスマン向けなど)ごとに複数作るのが一般的です。

Q: カスタマージャーニーマップはいつ作るべきですか?
 
A: 新しいサービスを始めるときや、今のサービスに問題があると感じたときに作るのが効果的です。

Q: 学校や教育の場でもカスタマージャーニーマップは使えますか?
 
A: はい、使えます。たとえば「学校の入学までの流れ」や「図書館の利用体験」を可視化することで、改善点が見つかります。

Q: スマホアプリの開発でも使えますか?
 
A: はい、とてもよく使われています。アプリの使い始めから操作、課金、問い合わせまでの流れを理解するのに役立ちます。

Q: 似た言葉に「カスタマーエクスペリエンス(CX)」がありますが違いは何ですか?
 
A: カスタマーエクスペリエンスは全体の体験の質を表し、カスタマージャーニーマップはその流れや過程を整理するものです。

Q: カスタマージャーニーマップが失敗することもありますか?
 
A: あります。たとえば、実際のお客さんの声を聞かずに想像だけで作ると、正確なマップにならず役立ちません。

Q: どうして「ジャーニー(旅)」という言葉を使うのですか?
 
A: お客さんの購入までの流れを、旅のようなストーリーとしてとらえることで、感情や行動の変化をイメージしやすくなるからです。

Q: 一度作ったマップはそのまま使い続けられますか?
 
A: 時代やニーズが変わるので、定期的に見直しや更新をすることが大切です。

Q: カスタマージャーニーマップと売上は関係ありますか?
 
A: はい、あります。マップを使ってお客さんの悩みや不便を解決することで、満足度が上がり、結果的に売上アップに繋がります。

Q1: カスタマージャーニーマップにはどんなアプローチがありますか?
 
A1: 論文(Følstad & Kvale, 2018)では、「As-Is(現在の顧客体験を分析する)」と「To-Be(理想的な体験を設計する)」という2つのアプローチがあるとされています。As-Isは問題点の発見に、To-Beはサービス改善に役立ちます。

Q2: なぜCJMは視覚化することが重要なのですか?
 
A2: 同論文によれば、視覚化によって関係者全員が顧客の行動を共有・理解しやすくなり、チーム内での議論が活発になるからです。

Q3: CJMに関する研究はどのようなテーマに分かれているのですか?
 
A3: 「Unravelling the customer journey」(2024)では、6つの主要テーマ(①顧客体験、②デジタル化、③データ分析、④組織的活用、⑤測定指標、⑥倫理)が提示されており、CJMの研究が多様化していることを示しています。

Q4: 公共サービスにCJMはどう役立っていますか?
 
A4: Ludwiczak (2021) によると、図書館や医療機関でCJMを導入した結果、顧客満足度が向上し、使いやすさや案内方法の改善に繋がったという事例が複数報告されています。

Q5: CJMの失敗の要因にはどのようなものがありますか?
 
A5: 実際の顧客行動に基づかず、企業側の想像でマップを作ってしまうと、実態とズレて役に立たないものになります(Følstad & Kvale, 2018)。

理解度を確認する問題

カスタマージャーニーマップの説明として最も適切なものはどれか。

A. 顧客の購買履歴を一覧にした表
B. 顧客が商品を購入するまでの流れを時系列で示した図
C. 顧客の満足度をグラフで示したもの
D. 商品の在庫管理をするための表

正解: B

カスタマージャーニーマップにおいて「タッチポイント」とは何を意味するか?

A. 顧客がスマホをタッチする回数
B. 顧客と企業が接点を持つ瞬間
C. 顧客が商品に対して怒るタイミング
D. 顧客が支払いを完了する時点

正解: B

関連論文や参考URL

「カスタマージャーニーマップを活用したユーザー体験設計の改善効果」(日本マーケティング学会, 2022)

解説:
複数企業においてカスタマージャーニーマップ導入前後で顧客満足度と売上を比較。導入後、平均で顧客満足度が12%上昇、コンバージョン率が8%向上。

結論:
カスタマージャーニーマップはユーザー視点のサービス設計に有効であることが実証されました。

Customer journeys: a systematic literature review」

概要: この研究は、CJMに関する文献を体系的にレビューし、CJMの定義、アプローチ、顧客体験との関係、視覚化の使用について分析しています。

結果: CJMは、顧客の視点からサービスプロセスを分析する「As-Is」アプローチと、将来のサービスを設計する「To-Be」アプローチの2つに分類されることが明らかになりました。

解釈: CJMは、現状のサービスを理解し、将来の改善点を見つけるための有効なツールであることが示されています。

「Unravelling the customer journey: A conceptual framework and research agenda」

概要: この研究は、2001年から2023年までのCJMに関する研究を体系的に整理し、6つの主要なテーマを特定しています。

結果: CJMの研究は、顧客体験、デジタル化、データ分析、組織的実装、測定、倫理の6つのテーマに分類されることが明らかになりました。

解釈: CJMは多面的な研究対象であり、今後の研究ではこれらのテーマを統合的に扱う必要があることが示唆されています。

「Using customer journey mapping to improve public services: A critical analysis of the literature」

概要: この研究は、公共サービスにおけるCJMの適用について文献を批判的に分析しています。

結果: CJMは、公共サービスの改善に有効であり、特に図書館や医療機関での顧客体験の向上に寄与していることが明らかになりました。

解釈: CJMは、公共部門においても顧客中心のサービス設計を促進するツールとして有用であることが示されています。

まとめ

カスタマージャーニーマップとは、顧客が商品やサービスを知ってから購入・利用・フォローまでの行動と感情を時系列で整理した図です。
企業が顧客の体験を理解し、改善点を見つけるために活用されます。
ユーザー中心のサービス設計やマーケティング戦略に欠かせないツールです。

カスタマージャーニーマップの作り方(ざっくり7ステップ)

① ターゲット(お客さんのタイプ)を決めよう!

まずは「誰の旅を描くか」を決めないと始まりません。
たとえば…

  • 中学生のゲーマー
  • 仕事でスマホを使う会社員
  • はじめてパソコンを買う60代

→ この「想定ユーザー」を「ペルソナ」と言います。

② お客さんのゴールを設定!

「その人は何を達成したくて動くのか?」をハッキリさせよう。

例:
「ゲーム用スマホを買って快適にプレイしたい」
「新しい服を探してオシャレに見られたい」

③ タッチポイント(接点)を洗い出す!

お客さんが会社やお店と関わる“場面”を書き出してみよう。
SNS?検索?店頭?アプリ?問い合わせ?などなど。

④ 各ステップでのお客さんの「行動・感情・疑問」を書いてみよう!

ここが地味だけど一番大事!

たとえば:

  • 行動:YouTubeでレビュー動画を見る
  • 感情:めっちゃ良さそう!でも高いな…
  • 疑問:他のと何が違うの?長く使えるの?

⑤ 図にしてみよう(マップ化)

時間の流れに沿って並べていくと、「ジャーニー=旅」になる!
👇こんな感じで整理するとわかりやすい:

①認知 → ②興味 → ③検討 → ④購入 → ⑤利用 → ⑥サポート

⑥ 問題点や改善ポイントを見つける!

「このタイミングで困ってる人多そう…」
「ここで感動してる!もっと強調しよう」
って感じで、サービスを見直すヒントが見つかる!

⑦ チームで共有して改善アクションへ!

最後はマップをチームで見て、「じゃあここ直そう!」って改善につなげよう。
見える化してるから、みんなの意見も出やすくなるよ!

ポイントまとめ

  • ユーザー目線が命!
  • 感情や疑問も書くとリアルになる
  • 図にすると超わかりやすい!

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