大事な記録をきちんと保存・管理すること
簡単な説明
「レコードキーピング」は、かんたんに言えば「なくしちゃいけないメモをちゃんととっておくこと」です。
たとえば、おこづかい帳をつけて、あとで見返せるようにするのと似ています。
会社では、これをもっとガチで、しっかり管理しています。
由来
具体的な説明
「レコードキーピング(recordkeeping)」は英語で「記録(record)を保つ(keeping)」ことから来ています。
会計記録、契約書、顧客情報などの重要書類を、後から調査・証明できるように残すことが求められてきました。
特に法律、監査、情報セキュリティの面で重視されています。
レコードキーピングは、業務上発生した記録(デジタル・紙)を一定期間、安全に保存し、必要に応じて取り出せるようにする管理手法のことです。
これは会計監査、法的証拠、経営判断のために不可欠です。
たとえば、企業では「取引記録は7年間保存」といったルールがあります。
たとえば企業が売上伝票、請求書、納品書などの書類を保管する場合、それがレコードキーピングです。
これにより、税務調査や内部監査が入ったとき、過去の取引を証明できます。
紙だけでなく、電子データでもOKですが、「いつ・誰が・何をしたか」がわかる仕組みが必要です。
レコードキーピングは情報管理学において、アーカイブズ・マネジメント(記録管理)の一部として扱われます。
ISO 15489では記録管理を「業務活動や取引に対する証拠を提供する記録の創出・取得・維持・活用・廃棄の管理」と定義しています。
また、電子記録では、信頼性(reliability)、完全性(integrity)、真正性(authenticity)を保つための技術的・運用的対策が求められます。
「電子帳簿保存法に対応するために、レコードキーピングシステムを導入しました。」
例文
「電子帳簿保存法に対応するために、レコードキーピングシステムを導入しました。」
疑問
Q: レコードキーピングは紙じゃないとダメですか?
A: いいえ、電子データでもOKですが、改ざんできない仕組みや検索性が必要です。
Q: どれくらいの期間、記録を保存すればよいですか?
A: 税務関係の書類は通常7年間の保存義務があります(法人税法第126条)。
Q: レコードキーピングとバックアップはどう違いますか?
A: バックアップは「災害用のコピー」、レコードキーピングは「証拠としての保存」です。目的が異なります。
Q: メールのやりとりもレコードキーピングの対象ですか?
A: はい、業務に関係するメールも正式な記録と見なされ、保存対象になります。
Q: 保存形式にルールはありますか?
A: 法令により、PDFやCSVなど改ざん防止ができる形式で保存し、検索できるようにしておく必要があります。
理解度を確認する問題
レコードキーピングに関する記述として最も適切なものはどれか。
A. 業務に関係する記録をすぐ削除することで、セキュリティを高める手法である。
B. 記録を定期的に外部へ送信し、管理を委託することを指す。
C. 業務上の記録を一定期間、改ざんされない形で保存・管理することである。
D. 記録を保管せず、必要になったときだけ作成することを意味する。
正解:C
関連論文や参考URL
“Digital Recordkeeping: A Framework for Trustworthy Records in the Cloud” – The University of British Columbia (2017)
この論文では、クラウド環境における記録の信頼性保持(信ぴょう性、完全性、可読性)について提案されています。
結果、クラウドでのレコードキーピングにおいても、厳格なメタデータ管理とアクセス制御が不可欠であると述べられています。
さらに、第三者による監査やログの記録が信頼構築のカギとされています。
まとめ
レコードキーピングとは、取引や出来事の記録を正確に保存することです。
企業や個人が将来見返せるように、安全かつ整理された形で管理します。
法律やルールで保存期間が決まっていることもあります。


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