インターネットを使わずに会社同士を専用回線で安全につなぐネットワークのこと
簡単な説明
会社が「うちだけの秘密のネット回線」を使って、東京の本社と大阪の支社をつないでるイメージです。
普通のインターネットみたいに他の人に見られたりしないので安心。
しかも早くて安定してるから、ビジネスにはピッタリです!
由来
VPN(Virtual Private Network:仮想専用線)の一種で、「IP」はIP(Internet Protocol)ベースの通信を意味します。
2000年代初頭から、企業のLANを遠隔地と安全につなぐ手段として普及しました。
従来の専用線よりもコストが安く、柔軟に構成できる点が評価されています。
具体的な説明
IP-VPNは、NTTなどの通信事業者が提供するMPLS(Multi Protocol Label Switching)網を使って構築されるVPNサービスです。
IPアドレスで各拠点を認識し、インターネットとは別の閉じたネットワーク上で通信が行われます。
これにより、外部からの不正アクセスを防ぎながら、安定した高速通信が実現します。
たとえば、大手コンビニチェーンが全国の店舗のPOSレジを本部とつなぐ際にIP-VPNを使います。
このネットワークでは、各店舗の売上情報や在庫情報が毎日本部へ安全に送信されます。
また、ソフトウェア更新もこのネットワークを通じて遠隔操作で実行できます。
IP-VPNは、MPLS網上に構築された閉域IPネットワークで、RFC 2547に準拠した技術により複数の顧客ネットワークを仮想的に分離します。
サービスプロバイダはVRF(Virtual Routing and Forwarding)を利用して、異なるVPN間でのルーティング情報の隔離を実現します。
これにより、セキュリティとスケーラビリティの両立が可能となっています。
例文
「うちの会社では、東京と福岡のオフィスをIP-VPNでつないでいて、ファイルの共有やテレビ会議がサクサク動くよ。」
疑問
Q: IP-VPNとインターネットVPNは何が違うのですか?
A: IP-VPNはインターネットを使わない閉じたネットワークで、セキュリティが高く、安定しています。一方、インターネットVPNは公衆回線を使うので、暗号化などで安全性を補います。
Q: IP-VPNは個人でも使えますか?
A: 基本的に企業向けのサービスで、個人で使うのは難しいです。個人ならインターネットVPNの方が現実的です。
Q: 料金は高いのですか?
A: 一般のインターネットより高いですが、専用線よりは安く、コストパフォーマンスに優れています。
Q: 通信速度はどれくらいですか?
A: 契約内容によりますが、100Mbpsや1Gbpsなどの高速通信も可能です。
Q: なぜインターネットを使わずに通信できるのですか?
A: 通信事業者が持っている独自の回線網(閉域網)を使うからです。
理解度を確認する問題
企業が複数拠点をセキュアにつなぐため、通信事業者の閉域網を利用したネットワークを構築しました。このネットワーク形態を何と呼びますか?
A. インターネットVPN
B. IP-VPN
C. 無線LAN
D. モバイル通信
正解: B. IP-VPN
関連論文や参考URL
“Performance Evaluation of MPLS-based IP-VPNs in Enterprise Networks”
概要: この論文では、MPLSネットワーク上に構築されたIP-VPNのパフォーマンス評価を実施。
結論: 従来の専用線よりも柔軟で、QoS(サービス品質)の確保が容易であることが示されました。
まとめ
- IP-VPNとは、通信事業者の閉じられたネットワークを使って、複数の拠点間をつなぐ技術です。
- インターネットを経由しないので、高いセキュリティと安定性があります。
- 企業が支店間で安全にデータをやり取りするためによく使われます。


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