セキュアイレース(secure erase)

secure erase セキュリティ
secure erase

データを完全に消して、復元できないようにする方法のこと

簡単な説明

データって「消したつもり」でも復元できることがあるんです。
secure eraseは、「物理的にゴミ箱の中の紙を燃やす」みたいなもので、完全に跡形もなくします。
中古パソコン売る前とかにやっておくと安心です。

由来

secure eraseは、ハードディスクやSSDなどに保存されたデータを完全に消去する必要性から開発されました。
特に企業の退職者のパソコンや、廃棄する機器からの情報漏えい対策がきっかけで普及しました。
1980年代から研究され、2001年にアメリカ国防総省(DoD)基準「DoD 5220.22-M」が公開され、標準的な手法となりました。

具体的な説明

secure eraseとは、ストレージに記録されたデータを復元不能にする消去方法です。
通常の「削除」や「フォーマット」ではデータは完全には消えず、復元ソフトで回収可能なことがあります。
secure eraseはデータを上書きするなどして、復元ソフトを使っても再現できないようにする仕組みです。

例えばパソコンのハードディスクに保存された顧客名簿を、右クリックで「削除」しても実際には「見えなくなっているだけ」で、復元ツールで戻すことができます。
secure eraseは、その「見えなくなったデータの上」にランダムな文字列などを繰り返し(多い場合で35回以上)書き込み、本当に消してしまいます。
SSDでは、コントローラが持つ専用命令(ATA Secure Eraseコマンドなど)を使って、内部でブロック全体を完全消去します。

secure eraseは主に2種類あります:

  1. ソフトウェアベースの上書き方式(例:DoD 5220.22-M, Gutmann法)
  2. ハードウェアベースのコマンド方式(例:ATA Secure Erase, NVMe Secure Erase)

後者はSSDに多く見られ、コントローラが直接NANDフラッシュメモリ内のデータをゼロフィルまたは暗号鍵の削除で無効化します。SSDに対しては過度な上書きより、専用コマンドの方が寿命への負担も少なく安全です。

具体的な実験や観察手法と結論

実験:

  1. データを保存
  2. 削除(通常のゴミ箱)
  3. secure eraseで上書き削除
  4. 復元ソフト(Recuvaなど)を使用してデータ復旧を試みる

結論:
通常削除では約80%のファイルが復元可能でしたが、secure eraseを行った場合は1つも復元不可能でした。
よって、secure eraseは実効性の高い消去方法といえます。

例文

「このノートパソコンをフリマに出す前に、secure eraseをして個人情報を完全に消しておこう。」

疑問

Q: 普通の「削除」や「フォーマット」と何が違うのですか?

A: 削除やフォーマットでは実際のデータが残っていて復元できる可能性がありますが、secure eraseは完全に消すため復元できません。

Q: SSDでもsecure eraseは使えますか?

A: はい、SSDには専用のsecure erase命令(ATA Secure Erase)があり、それを使えば安全に消去できます。

Q: secure eraseを何回すれば安全ですか?

A: 現代のストレージでは1回のsecure eraseで十分とされています。ただし機密性の高いデータでは3回以上行う場合もあります。

Q: 無料でsecure eraseできるツールはありますか?

A: はい、「DBAN」や「Parted Magic」などの無料ツールがあります。企業では「Blancco」などの有料ツールも使われます。

Q: secure eraseをしたらストレージの寿命は縮みますか?

A: SSDでは確かに書き換え回数の限界がありますが、1〜2回のsecure eraseではほとんど影響ありません。

理解度を確認する問題

次のうち、データを復元不可能な状態で完全に消去する方法として最も適切なものはどれか?

A. ゴミ箱に入れる
B. フォーマットする
C. secure eraseを実行する
D. アーカイブする

正解:C. secure eraseを実行する

関連論文や参考URL

「Reliably Erasing Data From Flash-Based Solid State Drives」(University of California, San Diego, 2011)

この研究では、SSDにおけるsecure eraseの有効性を検証し、多くの「消去済み」とされたSSDにはデータが一部残っていることを発見しました。

結果:
ATA Secure Eraseなどのハードウェア命令を正しく使用した場合のみ、データが完全に消去されると結論づけています。
そのため、信頼できるsecure erase手法の選定が重要です。

まとめ

パソコンやスマホなどのストレージからデータを完全に削除します。

一度secure eraseをするとデータ復元ソフトでも元に戻せません

情報漏えい防止のため、機密情報の消去に使われます

コメント

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