いつでも使える状態にあること
簡単な説明
「ゲームサーバー、落ちたら超困るでしょ?それが“可用性が低い”状態。逆にいつでも入れるなら“可用性が高い”ってこと!」
由来
「可用性(Availability)」は、ITにおける「信頼性の3要素(RAS:信頼性・可用性・保守性)」の一つです。もともとは工場の稼働率などから生まれた概念ですが、コンピュータシステムにおいても、利用者が「使いたいときに使えること」が重要なため、非常に重視されるようになりました。
具体的な説明
可用性とは、情報システムが必要なときに必要な人が使える状態にあることを指します。企業活動では、システムが止まると業務も止まるため、可用性の確保は非常に重要です。たとえば銀行のATMが止まってしまうと、多くの利用者に影響を与えます。
例えば、あるWebサービスが1年間で5時間しか停止していなければ、
可用性は以下のように計算されます:
可用性 =(365 × 24 − 5)÷(365 × 24)
計算の流れ:
- 365日 × 24時間 = 8760時間(1年間の総時間)
- 8760 − 5 = 8755時間(実際に稼働していた時間)
- 8755 ÷ 8760 = 0.9994(= 99.94%)
あるクラウドサービスを1年間監視して、サービスの停止回数と停止時間を記録することで、実際の可用性を測定できます。
たとえば、10回の停止があり、それぞれ30分なら、合計停止時間は300分(5時間)で、稼働率は約99.94%。
この結果から、障害対応やバックアップ体制の重要性が再確認されました。
例文
「このオンライン授業システムは、1年間の可用性が99.99%だから、ほぼ止まることなく使えて安心だね。」
疑問
Q: 可用性って高ければ高いほど良いのですか?
A: はい、基本的には高いほど良いですが、維持にはコストがかかるため、バランスが必要です。
Q: 99.99%の可用性ってどれくらい止まってもいいの?
A: 年間で約52分までの停止が許容される水準です。
Q: 可用性と信頼性の違いは何ですか?
A: 信頼性は「壊れにくさ」、可用性は「使いたいときに使えるか」です。似ているけど視点が違います。
Q: クラウドサービスで可用性はどう確保されているの?
A: データセンターを複数使った冗長構成(バックアップ構成)で可用性を高めています。
Q: 可用性を下げる原因には何がありますか?
A: 障害、メンテナンスの遅れ、人為的ミスなどがあります。
理解度を確認する問題
次のうち、「可用性」に関する説明として最も適切なものはどれか?
A. システムが安全に運用されているかを示す指標
B. システムが必要なときに使える状態を示す指標
C. システムが改ざんされていないことを示す指標
D. システムの処理速度を表す指標
正解: B
関連論文や参考URL
“High Availability System Design for Cloud Computing”
概要: クラウド環境における可用性を高めるためのアーキテクチャを提案。
結論: 冗長構成(複数サーバーによるバックアップ)と自動障害検出・回復機能が、99.999%(ファイブナイン)の可用性達成に貢献。
解説: コストは上がるが、ユーザー満足度と事業継続性が向上する。
まとめ
システムやサービスが止まらずに使える状態を「可用性」といいます。
24時間365日、どれだけ安定して稼働しているかがポイントです。
停止時間が少なければ少ないほど、可用性が高いと評価されます。


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