PKI(Public Key Infrastructure)

PKI セキュリティ
PKI

公開鍵が本物かどうかを保証してくれる仕組みのこと

簡単な説明

PKIって、ネットの世界の「身分証明チェックシステム」だよ!
鍵はたくさん配っていいけど、ホンモノかどうかは証明してくれないと怖いでしょ?
例えば、PKIが「このカギはAmazonのだよ!安心して使って!」って保証してくれるんだ。

由来

インターネットが普及して、「安全にデータを送る方法」が求められました。
しかし、暗号通信だけでは「相手がホンモノかどうか」はわかりません。
そこで、公開鍵が誰のものかを証明する仕組み=PKIが登場しました(1990年代〜)。

具体的な説明

例えば、

生徒(あなた)は先生からロッカーの鍵(公開鍵)をもらいます

あなたはその鍵でロッカー(=メッセージ)に荷物を入れてカギを閉める(暗号化)

開けられるのはそのロッカーの本物の鍵(秘密鍵)を持ってる先生だけ

「そのカギがホンモノの先生の鍵か?」をチェックするのがPKIの役割です!

登場人物役割
公開鍵(Public Key)暗号化に使う鍵(誰でも入手OK)
秘密鍵(Private Key)復号・署名に使う鍵(本人だけが保持)
認証局(CA)鍵がホンモノかどうかを証明する機関
デジタル証明書鍵が「誰のものか」を保証する電子的な身分証明書
PKIこれらをまとめて、安全に運用するための基盤

技術的な説明

PKIはX.509形式の証明書と、RSAやECCといった公開鍵暗号アルゴリズムを基盤に構築されます。
信頼の連鎖(Trust Chain)はルートCA → 中間CA → サーバー証明書という階層構造を持ち、証明書失効リスト(CRL)やOCSPで正当性を随時確認します。

実験例:SSL/TLSのハンドシェイク観察

WiresharkなどでHTTPS通信を見ると、TLSハンドシェイク時にサーバーが証明書(デジタル証明書)を送っています。
ブラウザはその証明書をチェックし、認証局の公開鍵で署名が正しいか検証して通信を続行。
→ つまり、PKIにより安全性が確保されていると確認できます。

例文

「お父さん、このサイトって本当に本物なの?」
「うん、アドレスバーにカギマークついてるでしょ?これはPKIっていう仕組みで、安全が保証されてるんだよ。」

疑問

Q: 公開鍵があれば誰でも暗号を解けるのでは?

A: いいえ、暗号化には公開鍵、復号には秘密鍵が必要です。公開鍵だけでは解けません。

Q: なぜ公開鍵の正当性を確認しないといけないの?

A: 偽物の公開鍵にだまされると、攻撃者に情報を盗まれる可能性があるからです。

Q: PKIは何を保証してくれるの?

A: 「この公開鍵は確かに〇〇さんのものですよ」という信頼を保証します。

Q: 認証局(CA)って何?

A: 信頼できる第三者で、デジタル証明書を発行してくれる専門機関です。

Q: デジタル証明書ってどんな情報が入ってるの?

A: 公開鍵、所有者の情報、有効期限、発行者、署名情報などが入っています。

理解度を確認する問題

Q: PKIに関する記述として正しいものはどれか?

A. 公開鍵と秘密鍵は同一の内容である
B. デジタル証明書はIDとパスワードの代わりである
C. 認証局は公開鍵の所有者を証明する
D. PKIはパスワードの保管に使われる

正解:C

関連論文や参考URL

「Understanding PKI and Digital Certificates」

概要:PKIの構成、運用上の課題、セキュリティ強度についての調査

結果:信頼の連鎖と鍵管理がPKI成功のカギであり、CAの透明性が信頼性の中心であると結論づけられています。

まとめ

PKIは、インターネットで使われる「公開鍵」と「秘密鍵」が安全に使えるようにする信頼のしくみです。

これによって「この鍵はホンモノ?」「なりすましじゃない?」という不安を防げます。

主役は「デジタル証明書」と、それを発行する「認証局(CA)」です。

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