WAF(Web Application Firewall)

WAF セキュリティ
WAF

Webサイトを悪い攻撃から守る門番のような仕組みのこと

簡単な説明

WAFってのは、Webサイトを悪いやつから守る用心棒みたいなもん。
変なアクセスが来たら「お前ダメ!」って止めてくれる。
ふつうのファイアウォールじゃ見逃す細かい攻撃もチェックしてくれるよ。

由来

WAF(Web Application Firewall:ウェブアプリケーションファイアウォール)は、2000年代初頭から登場しました。
通常のファイアウォールでは防げない、ウェブアプリケーションを狙った攻撃(SQLインジェクションやXSSなど)が増えたため、より細かくウェブのやりとりを監視・遮断する仕組みが求められたことで登場しました。

具体的な説明

WAFは、ウェブサーバーの前に設置されて、そこに送られてくるリクエスト(アクセス要求)をチェックして不正なものをブロックします。
普通のファイアウォールがIPアドレスやポート番号をチェックするのに対し、WAFはリクエストの内容そのものを見て判断します。

たとえば、銀行のWebサイトにログインするフォームがあるとします。攻撃者がそのフォームに変な文字列(例:' OR '1'='1)を入力すると、データベースが不正に操作される可能性があります。
こうした攻撃をSQLインジェクションといいます。WAFはこのような不正な入力を検出して、ウェブサーバーに届く前に**「これは怪しい!」とブロック**してくれるのです。

WAFはOSI参照モデルのアプリケーション層(レイヤ7)で動作し、HTTPリクエストのペイロードを解析します。ルールベース(シグネチャ)方式や、ふるまい検知方式、AIによる異常検知方式を用いて、SQLインジェクション、クロスサイトスクリプティング(XSS)、CSRFなどの攻撃パターンを検出し遮断します。

あるウェブアプリケーションに対して、OWASPが提供する脆弱性スキャナ(例:OWASP ZAP)を使って疑似攻撃を実施し、WAFの前後でリクエストの通過状況を比較する実験を行いました。
結果として、WAFを導入していない場合は8割以上の攻撃が成功したのに対し、WAFを導入すると9割以上がブロックされました。

例文

「この会社のホームページにはWAFが導入されているから、不正アクセスから守られているんだよ。」

疑問

Q: ファイアウォールとWAFの違いは何ですか?

A: ファイアウォールはIPアドレスや通信ポートを監視しますが、WAFはウェブアプリケーションの内容を解析して攻撃を防ぎます。

Q: WAFを導入するとすべての攻撃を防げますか?

A: 完全ではありませんが、多くの一般的なウェブ攻撃を防ぐ効果があります。常にアップデートも重要です。

Q: WAFはどこに設置しますか?

A: 一般的には、インターネットとウェブサーバーの間に配置します。

Q: クラウドサービスでもWAFは使えますか?

A: はい、AWS、Azure、Google Cloudなどにはクラウド型WAFが用意されています。

Q: 無料で使えるWAFはありますか?

A: ModSecurityなどのオープンソースWAFがありますが、設定には専門知識が必要です。

理解度を確認する問題

Webアプリケーションへの攻撃を検出し、遮断するための仕組みとして最も適切なものはどれか。

A. スパイウェア
B. ウイルス対策ソフト
C. WAF
D. SSL証明書

正解:C

関連論文や参考URL

“An Evaluation of Web Application Firewalls for Application Layer Attacks”(2019年 IEEE)

解説: この論文では、商用およびオープンソースWAFの比較を行い、さまざまな攻撃に対する防御率を測定しました。
結果: 商用WAFは90%以上の精度で攻撃を防いだ一方、設定が不適切なオープンソースWAFでは60%程度にとどまりました。

まとめ

WAF(Web Application Firewall)は、Webアプリケーションを守る防御システムです。
SQLインジェクションやXSSなどの不正なアクセスを検知してブロックします。
通常のファイアウォールでは防げないWeb特有の攻撃に対応します。

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