IPS(Intrusion Prevention System)

IPS セキュリティ
IPS

不正侵入を見つけて、自動で止めるセキュリティシステムのこと

簡単な説明

変な通信きたら「お前ダメ!」って自動でブロックしてくれる頼れる門番。
ただの見張り役(IDS)と違って、実際に止めてくれるのがスゴいとこ。
会社とかで使われてて、ネットの悪者から守ってくれるセキュリティのプロ!

由来

IPSは、もともと「IDS(Intrusion Detection System/侵入検知システム)」という仕組みから発展しました。IDSは不正な通信を見つけるだけで止めることはできませんでしたが、IPSは見つけた不正をすぐにブロックする機能を追加したシステムです。

インターネットが普及し、企業や家庭にサイバー攻撃が急増した2000年代初頭に注目され、現在では多くの企業や組織のネットワークで導入されています。

具体的な説明

IPSはネットワークを流れる通信データをリアルタイムで監視し、不正なアクセスやウイルス、マルウェアの侵入を検知すると、自動で通信を遮断したり、管理者に通知したりするシステムです。

例えば、外部の攻撃者がパソコンの脆弱性を狙って悪意あるプログラム(例:トロイの木馬)を送り込んできたとします。IPSはそのプログラムの特徴(シグネチャ)を認識し、攻撃だと判断すると通信を遮断して侵入を防ぎます。

IPSの主な機能は次の4つです:

  1. パケット検査:すべてのデータを監視して異常がないか調べます。
  2. 攻撃パターンの検知:登録された攻撃のパターンと一致するかチェックします。
  3. 遮断機能:攻撃と判断したら、その通信を止めます。
  4. ログ記録と通知:後から調査できるように記録し、必要に応じて管理者に通知します。

IPSはOSI参照モデルの第3層(ネットワーク層)から第7層(アプリケーション層)までのデータを検査し、特定の攻撃(例:バッファオーバーフロー、ポートスキャン、SQLインジェクションなど)を特定・防止します。

現代のIPSはシグネチャベースの検出(既知の攻撃)だけでなく、アノマリーベースの検出(通常と異なる振る舞いを検出)や、振る舞い分析などの高度な技術も使用します。

例文

「家に入ろうとしている泥棒がいたら、監視カメラ(IDS)が気づいて知らせてくれるけど、セコム(IPS)は気づいた時点で自動で玄関をロックして、警察に連絡してくれるようなものだよ」

疑問

Q: IDSとIPSの違いは何ですか?

A: IDSは「見つけて知らせるだけ」ですが、IPSは「見つけて止める」ことができます。

Q: IPSはインストールすれば完璧に守れるのですか?

A: 完璧ではありません。未知の攻撃や設定ミスなどには弱いので、他のセキュリティ対策と組み合わせることが大切です。

Q: IPSはどこに設置しますか?

A: 通常は、社内ネットワークとインターネットの間に設置して通信を監視します。

Q: 個人のパソコンにもIPSは必要ですか?

A: 一般家庭ではファイアウォールとウイルス対策ソフトで十分なことが多いですが、法人利用や高セキュリティ環境では導入が推奨されます。

Q: IPSは何を基準に攻撃と判断しますか?

A: 登録された攻撃パターン(シグネチャ)や、異常な通信行動(アノマリー)などをもとに判断します。

理解度を確認する問題

次のうち、IPS(Intrusion Prevention System)の特徴として最も適切なものはどれか。

A. システムの障害を自動で修復する機能
B. 攻撃を検知し、必要に応じて遮断する機能
C. データのバックアップを自動で取る機能
D. ファイルの拡張子を暗号化する機能

正解:
B. 攻撃を検知し、必要に応じて遮断する機能

関連論文や参考URL

“Anomaly-Based Network Intrusion Detection: Techniques, Systems and Challenges” (IEEE, 2022)

解説:
この論文では、IPSの中でも特に「異常検知型IPS」の技術と課題が詳しく解説されています。AIや機械学習を用いた検知方式が有効であるとする一方、誤検出(正常な通信を攻撃と判断する)問題も課題とされています。

結果:
誤検出率を下げつつ検知精度を上げるためには、複数のアルゴリズムを組み合わせるハイブリッド型IPSが有効であると結論づけています。

まとめ

IPSは、ネットワーク上の不正な通信をリアルタイムで検知し、自動で遮断するシステムです。
攻撃を見つけるだけのIDSと違い、攻撃を止める機能を持っています。
サイバー攻撃からシステムを守るため、企業や組織で広く使われています。

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