「誰が、何を、どこまで使えるか」を決めるしくみのこと
簡単な説明
アクセス制御ってのは、「この人にはこれ見せていいよ」って決めるルールだよ。
勝手にデータ見たり消されたりしないようにするための仕組み。
会社とか学校で、みんなが同じ情報に触れないのはコレのおかげ!
由来
情報システムが発展するとともに、機密情報や個人データを守る必要性が高まりました。そのため、**不正なアクセスを防ぐための「アクセス制御」**という仕組みが発展しました。
1970年代の軍事システムで最初に用いられ、その後、銀行・医療・教育などさまざまな分野で利用されるようになりました。
具体的な説明
アクセス制御は、利用者ごとにアクセスできる範囲や権限を制限するセキュリティの基本的な考え方です。
たとえば、あるファイルに対して「読める人」「変更できる人」「削除できる人」を区別することで、誤操作や悪意ある行動からシステムを守ることができます。
アクセス制御には、次の3つの主な種類があります:
- DAC(任意アクセス制御)
→ ユーザー自身がアクセス権限を設定します。
(例:自分のGoogleドライブで他人に閲覧許可を出す) - MAC(強制アクセス制御)
→ 管理者が厳格にアクセスを決め、ユーザーは変更できません。
(例:軍や政府のシステム) - RBAC(ロールベースアクセス制御)
→ 職種や役割に応じてアクセス権限を割り当てます。
(例:会社のシステムで「経理」「人事」などの部署ごとに違う閲覧権限)
大学レベルでの説明
アクセス制御は認可(Authorization)機構の一部であり、アクセス主体(ユーザーやプロセス)と対象オブジェクト(ファイルやデータベース)との関係を明示的に定義することが求められます。
アクセス制御マトリクスやアクセス制御リスト(ACL)が代表的な構造であり、計算資源の効率的かつ安全な利用に寄与します。
例文
「学校の成績ファイルは、先生は編集できるけど、生徒は閲覧だけできるようにアクセス制御されています。」
疑問
Q: アクセス制御がないとどうなるのですか?
A: 情報が誰でも見られる状態になり、個人情報の漏洩や重要なデータの削除といった事故が起こる可能性があります。
Q: アクセス制御の設定は誰が行いますか?
A: 通常はシステム管理者やファイルの所有者が行います。組織によってルールが異なります。
Q: 「アクセス制御リスト」とは何ですか?
A: 各ファイルやフォルダに対して、どのユーザーがどの操作を許可されているかを記録した一覧です。
Q: ロールベースのアクセス制御が便利な理由は何ですか?
A: 個々のユーザーに権限を設定する代わりに「役割」でまとめて設定できるため、管理が簡単になります。
Q: MAC方式はどこで使われていますか?
A: 軍事・政府機関など、高度なセキュリティが必要な場所で使われています。
理解度を確認する問題
次のうち、アクセス制御の説明として最も適切なものはどれか?
A. パスワードを使ってユーザーを識別する方法
B. 利用者ごとにファイルなどへの操作の可否を決める方法
C. インターネットからの攻撃を検出する方法
D. データを暗号化して第三者の閲覧を防ぐ方法
正解:B
関連論文や参考URL
Role-Based Access Control(Ferraiolo et al., 1992)
この論文では、RBACの考え方を提唱し、企業での運用効率とセキュリティの両立が可能であることを示しました。結果として、RBACは多くの企業や政府機関で標準的な方式として採用されています。
まとめ
アクセス制御とは、ユーザーごとに情報資源の利用権限を決める仕組みです。
「誰が・何を・どこまで使えるか」を明確にし、不正アクセスを防ぎます。
代表的な方式にDAC、MAC、RBACがあります。


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