アジャイル（Agile）

すばやく柔軟に対応しながら、チームで協力してソフトウェアを作る方法のこと

簡単な説明

アジャイルは、ちゃちゃっと作ってすぐ直せる開発スタイルだよ。
お客さんと相談しながら、いい感じに仕上げていくんだ。
ガチガチに決めずに、柔軟にやってくのがポイント！

由来

アジャイルという考え方は、2001年にアメリカのソフトウェア開発者たちが「アジャイルソフトウェア開発宣言（Agile Manifesto）」を発表したことで広まりました。それまで主流だった「ウォーターフォール型」という順番に進める開発手法では、変更に弱く、使いにくいソフトウェアになることが多かったのです。

具体的な説明

アジャイル開発では、1〜4週間の短い期間（イテレーション）で小さな機能を作っていきます。チームでこまめに話し合い（毎日短い会議をすることが多いです）、お客様の意見を取り入れながら改善していくのが特徴です。

たとえばゲームアプリを作るとき、最初に「プレイヤーが動くところ」だけ作って、次に「敵を出す」、その次に「スコア機能を追加する」といった具合に、順番に少しずつ作っていきます。そしてそのたびに実際に使ってもらい、「もっとこうしてほしい」と言われたら次の回で修正します。

アジャイル開発は、反復型・適応型の開発手法に分類されます。ソフトウェア工学における経験的プロセス制御（empirical process control）を基盤とし、スクラム、XP（エクストリーム・プログラミング）、カンバンなどの手法が含まれます。顧客の要件変更に即応することを前提とし、フィードバックループと継続的改善（カイゼン）が設計思想の中心にあります。

いくつかのIT企業で、同じアプリを「ウォーターフォール」と「アジャイル」で並行開発した実験があります。結果、アジャイル方式の方が約30%早く完成し、ユーザー満足度も高くなることが示されました（出典：Standish Group “CHAOS Report”）。

例文

「このアプリ、急にデザインを変えてって言われたけど、アジャイルで作ってるからすぐ対応できるよ！」

疑問

Q: アジャイルとウォーターフォールの一番大きな違いは何ですか？

A: アジャイルは小さく作ってすぐ修正できるのに対し、ウォーターフォールは最初に全部決めてから作り始める点が大きく違います。

Q: アジャイル開発はどんなときに向いていますか？

A: 要件がはっきりしていなかったり、途中で変更が多くなりそうな場合に向いています。

Q: アジャイルでは毎日会議をするのですか？

A: はい、通常は「デイリースクラム」と呼ばれる15分程度の短い会議を毎日行います。

Q: アジャイル開発はどんな職種が関わりますか？

A: エンジニアだけでなく、プロダクトオーナー、スクラムマスター、デザイナーなど様々な役割の人が協力します。

Q: アジャイルとスパイラルって、どちらも繰り返し開発をするんですよね？どう違うんですか？

A: はい、どちらも「繰り返しながらソフトウェアを作る」という点では似ていますが、目的や考え方に大きな違いがあります。

アジャイルとスパイラルの違い（要点比較）

項目	アジャイル開発	スパイラル開発
一言で言うと	柔軟・協調型	リスク重視型
目的	顧客と一緒に少しずつ価値あるものを作る	開発リスクをできるだけ減らす
開発サイクル	数週間ごとの短い繰り返し（イテレーション）	フェーズを重ねながら徐々に完成させる
特徴	要件変更に柔軟に対応	各フェーズでリスク分析を重視
顧客の関与	開発プロセス全体で積極的に関与	主に評価フェーズで関与
向いているプロジェクト	要件が変わりやすい開発	複雑でリスクが高い開発（例：医療、航空）