たくさんの意見やアイデアを“意味が似ている”グループにまとめる方法のこと
簡単な説明
親和図法って、ざっくり言うと「ごちゃごちゃした意見を似たもの同士でまとめるやり方」です。
付箋とか使って直感でグループに分けるだけだから、難しく考えなくてOK。
整理すると「あ、こういう傾向あるんだ!」って気づけるのがポイントです。
由来
親和図法は1960年代に日本の川喜田二郎博士が提唱した「KJ法」という発想法の一部として生まれました。KJ法は、たくさんの情報を視覚的に整理して、本質を見つけるための技術です。特に会議やグループワークで活用され、複雑な課題の整理や新しいアイデアの発見に使われてきました。
具体的な説明
親和図法では、参加者が出した意見や情報を1枚1枚の付箋(ふせん)などに書き出し、それらを見ながら「意味が似ているもの」同士をグループ分けしていきます。そして、グループに名前を付けて、全体を見える化することで、問題の本質や隠れた関係性が見えてくるようになります。
たとえば、「学校をもっと楽しくするには?」というテーマに対して生徒たちが意見を出し合ったとします。
- 「教室に音楽を流す」
- 「授業をゲーム形式にする」
- 「みんなでお菓子を作る日を作る」
- 「体育の時間を増やす」
これらの意見を出した後、それぞれを付箋に書き出し、「楽しさに関するアイデア」「体を動かすことに関するアイデア」など、似た意味でグループ化します。これが親和図法です。
親和図法(Affinity Diagram)は、情報構造化手法の一つであり、非構造的・定性的データを整理する際に使用されます。特に人的ファシリテーションを伴うブレインストーミングやフィールドワーク後のデータ分析に有効です。親和図法は、ヒューリスティックな意味的関連性に基づいてクラスタリングを行うため、AIによる自然言語処理(NLP)にも通じる発想法です。
例文
「会議でたくさんの意見が出たので、親和図法を使って整理したら、課題が3つに絞られたよ。」
疑問
Q: なぜ親和図法を使うと情報が整理しやすくなるのですか?
A: 人は一度に多くの情報を理解するのが苦手なので、意味が似ているものをグループ化すると、全体の構造が見えやすくなり、本質を見つけやすくなるからです。
Q: 意見がどのグループに属するか迷ったときはどうすればいいですか?
A: 無理に分けず、他の人と相談しながら自然に意味がつながる場所に置くのが良いです。
Q: 親和図法とKJ法の違いは何ですか?
A: 親和図法はKJ法の一部です。KJ法は意見の整理だけでなく、最終的に図解して結論まで導く手法を含みます。
Q: 親和図法はどんな問題解決に向いていますか?
A: アイデア出しや問題の本質を整理したいとき、新しい企画を立てたいときに向いています。
理解度を確認する問題
次のうち「親和図法」の特徴として正しいものはどれか。
A. 数値データを統計的に分析する手法
B. 意見をカテゴリごとに分けて整理する手法
C. プログラムのバグを見つける手法
D. ネットワーク構成を視覚化する手法
正解: B
関連論文や参考URL
「親和図法を活用した自由記述アンケートの分析手法に関する研究」
概要:本論文では、学生の自由記述アンケートを親和図法で分析した結果、学習意欲と関連する3つの主要因が抽出されたと報告されています。親和図法を使うことで、自由記述の中にある共通するパターンを効率的に見つけ出すことができました。
まとめ
親和図法は、たくさんの意見や情報を「意味が似ている」ごとにグループ化する方法です。
視覚的に整理することで、問題の本質や関係性を見つけやすくなります。
会議やブレインストーミングでよく使われ、KJ法の一部として発展しました。
余談
親和図法で「似たグループを探すのが難しい」と感じる場面はよくあります。そのようなときには、以下のような対応方法を試してみてください。
① まずは“直感”で分類してみる
完璧を目指さず、「なんとなく似ているかな?」という感覚で仮のグループを作ってみましょう。あとで修正しても構いません。
② グループの“名前”を先に考えず、カードだけ並べてみる
いきなりカテゴリ名(グループ名)をつけようとすると難しく感じます。まずは似ていると思うカードを近くに集めてから、あとで共通点から名前を付けるようにしましょう。
③ 複数人で協力して意見を出し合う
1人では見えない共通点が、他の人と一緒にやることで見えてくることがあります。チームで話しながら進めると、気づきも増えます。
④ 「使われている言葉」や「目的」に注目する
たとえば「楽しい」「改善」「時間短縮」など、同じようなキーワードを使っている意見同士は同じグループにできることが多いです。
⑤ 一時的に“保留”する
無理に分けようとせず、「まだ分類が難しいカード」は“保留エリア”にまとめておきます。ほかのグループができてから、自然に入る場所が見つかる場合もあります。


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