ソースコードの行数で開発規模を測る方法のこと
簡単な説明
LOC法は「コードの行数で作業量をざっくり見積もる方法」です。
行数が多ければ時間もお金もかかるってイメージです。
シンプルだけど、言語や人によってバラつくから注意も必要です。
由来
LOC(Lines of Code)法は、ソフトウェア工学の分野で古くから使われている見積手法です。1970年代から広まり、ウォルター・J・ロマノフやバリー・ベームといった研究者によって、開発工数や費用、品質の予測にも活用されてきました。
具体的な説明
LOC法は、作成するプログラムの行数(命令文の数)を数えることで、
- 開発にかかる時間(工数)
- 必要な人数(要員)
- 開発費用
などを見積もる方法です。非常にシンプルで直感的な方法ですが、プログラミング言語の違いやコメント行の扱いなどに注意が必要です。
たとえば、あるアプリを開発するのに「見積もりで3,000行のコードが必要」とします。
開発者1人が1日あたり100行のコードを書けるなら、単純計算で30人日(3,000 ÷ 100)が必要となります。これがLOC法の基本的な考え方です。
例文
「このゲームアプリは1万行くらいのコードになるから、LOC法で見積もると3人で2か月かかるね。」
疑問
Q: LOC法ではコメント行もカウントしますか?
A: 通常は「命令行(実行可能なコード)」のみをカウントしますが、ルールによってはコメントも含むことがあります。
Q: なぜLOC法が使われるのですか?
A: シンプルでわかりやすく、過去の実績と比較しやすいからです。
Q: LOC法の欠点は何ですか?
A: プログラムの質や難易度を反映できない点や、言語によってコード量が違う点です。
Q: どの段階でLOCを見積もるのですか?
A: 要件定義や設計段階で、過去の類似プロジェクトをもとに見積もります。
Q: 他にどんな見積もり方法がありますか?
A: FP法(Function Point法)やCOCOMO法などがあります。
理解度を確認する問題
ソフトウェア開発において、プログラムの行数を基に工数を見積もる手法を何というか?
A. モンテカルロ法
B. ウォーターフォール法
C. LOC法
D. プロトタイピング法
正解: C
関連論文や参考URL
“Software Metrics: LOC, FP, and Beyond”(IEEE, 1992)
解説: LOC法と他の手法(FP法、オブジェクト指向メトリクス)との比較を行った論文です。
結果: LOC法は初期段階のざっくりとした見積もりには有効だが、精度が求められる段階では他の手法との併用が望ましいとされています。
まとめ
LOC法は、ソースコードの行数を基にソフトウェアの開発規模を見積もる手法です。
開発工数・費用・必要人員などを簡易に算出できます。
ただし、言語や開発スタイルの違いによる精度のばらつきに注意が必要です。


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