利用者とシステムがどのようにやりとりするかを決める設計のこと
簡単な説明
外部設計っていうのは、「ユーザーがどんな画面を見て、どう操作して、どんな結果が出るか」を考える設計のこと。
たとえば、ログイン画面とかレポートの見た目をどうするかっていう話。
中身の仕組みじゃなくて、“使う側”のことを中心に考えるのがポイント!
由来
外部設計(がいぶせっけい)は、ソフトウェア開発における**上流工程(じょうりゅうこうてい)**の一部です。これは日本独自の言い方ではなく、世界中のシステム開発の基本工程でもあります。
ITパスポート試験で出てくる「外部設計」は、業務要件(お客様のやりたいこと)を実現するために、「使う人の目線で」システムの姿を設計する作業を指します。
具体的な説明
外部設計は、システムを使う側(ユーザー)の立場で、入力する内容・出力される情報・操作画面・帳票(レポート)などを設計します。
たとえば以下のようなものです:
- ログイン画面の構成(どこにIDとパスワードを入力するか)
- エラーが出た時にどう表示されるか
- 出力される帳票(売上レポートなど)の形式
- 入力チェック(電話番号に数字以外が入っていないかなど)
外部設計は、ソフトウェア要求仕様(SRS)とシステムアーキテクチャの橋渡しをするプロセスであり、ユーザーインタフェース(UI)、インタフェース仕様(I/F定義)、業務フローなどを網羅的に記述する設計文書です。オブジェクト指向開発では、ユースケース図とアクティビティ図、シーケンス図なども外部設計段階で活用されます。
具体的な設計・観察手法とその結論
- ユースケース分析:どんな人がどう使うのかを定義
- モックアップ作成:画面の仮デザインを作成し、ユーザーと確認
- レビューとフィードバック:実際の利用者やクライアントと見ながら修正
- 設計書作成:I/O仕様書、画面遷移図、帳票設計書など
結論:外部設計でユーザー視点を丁寧に固めておかないと、開発後に「こんなの頼んでないよ」と言われて大幅な手戻りが発生します。
例文
「この外部設計書には、売上管理システムの全画面と帳票のレイアウトが定義されているので、これをもとにUIを開発してください。」
疑問
Q: 外部設計はなぜ「外部」と呼ばれるのですか?
A: 「外部」とは、システムの外=使う人(ユーザー)のことを指していて、利用者の視点で設計するからです。
Q: 外部設計と内部設計の違いは何ですか?
A: 外部設計は「使う人のための設計」、内部設計は「作る人(エンジニア)のための設計」です。
Q: 外部設計にはどんな成果物がありますか?
A: 画面仕様書、帳票仕様書、入出力定義書、エラーメッセージ一覧、画面遷移図などがあります。
Q: 外部設計をするのは誰ですか?
A: 主にSE(システムエンジニア)やアナリストが行い、ユーザーと話し合いながら決めていきます。
Q: 外部設計をしっかりやらないとどうなりますか?
A: システムが完成してから「操作しづらい」「必要な情報が出てこない」などの問題が出て、手戻りになります。
Q: 外部設計で画面の色やフォントまで決めますか?
A: 一部は決めますが、細かいデザインはUI設計やプロトタイピング段階で調整します。
Q: 外部設計でミスがあると、どんな問題が起きますか?
A: ユーザーが使いにくい、欲しい機能がない、操作がわかりづらいなどの問題が発生します。
Q: 外部設計の成果物は納品される書類に含まれますか?
A: はい、画面設計書や帳票設計書などは正式な成果物として納品されます。
Q: 外部設計ではセキュリティの設計もしますか?
A: ユーザーが関わる部分(ログインや認証)などは含まれますが、詳細なセキュリティ設計は内部設計や基本設計で行います。
Q: 外部設計とユーザーインタフェース(UI)の関係は?
A: 外部設計ではUIのレイアウトや操作方法を設計するため、UI設計と非常に深い関係があります。
Q: 外部設計で使われる図にはどんなものがありますか?
A: 画面遷移図、ユースケース図、シーケンス図、業務フロー図などがあります。
Q: 外部設計ではサブシステムの設計は行わないのですか?
A: サブシステムの「全体構成の決定」や「役割分担の概要」は外部設計の前段階(基本設計や要件定義)で決めますが、外部設計の中でもユーザーが関わる範囲のサブシステムに関しては設計対象となります。
理解度を確認する問題
外部設計で行う作業として、最も適切なものはどれか。
ア. データベースのテーブル定義を設計する
イ. プログラムのアルゴリズムを考える
ウ. 利用者が操作する画面や帳票の内容を決める
エ. システムの運用手順をまとめる
正解:ウ
関連論文や参考URL
「外部設計プロセスにおけるユーザビリティ評価の導入」
解説:本論文では、外部設計段階においてユーザビリティ(使いやすさ)の評価を取り入れることで、後工程でのトラブルを約40%削減できたと報告しています。
結果:設計初期でのユーザー意見の反映がシステム成功の鍵になると結論づけています。
まとめ
外部設計とは、ユーザーが操作する画面や出力される帳票などを設計する工程です。
使いやすさや見やすさを考えて、入力・出力・操作フローを具体的に決めます。
システム開発における「利用者目線」の設計で、完成後の満足度に大きく影響します。


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