サービスや製品について幅広く情報を集めるために企業が出す依頼書のこと
簡単な説明
RFIは、「ねえ、どんなサービスできるの?ざっくり教えて!」って企業が聞くための紙です。
まだ買うとか決めてないけど、とりあえず情報集めたいときに使います。
これでいい感じの会社を絞ってから、ちゃんとした依頼(RFP)を出す流れです。
由来
RFIは、1980年代頃からビジネスの現場で使われ始めた言葉です。ITシステムの導入や新しいサービスを選ぶとき、企業がいきなり契約するのではなく、まず「どんな会社がどんなサービスを提供できるのか」を広く知るために、情報収集のための資料を各社に依頼するところから始まりました。
具体的な説明
RFIは、企業がシステムやサービスの購入・導入を考えたときに、各ベンダー(提供会社)に「あなたの会社が提供できるものについて詳しく教えてください」と依頼するための書類です。
これによって、企業は市場にどんな選択肢があるかを把握し、次のステップである「RFP(提案依頼書)」や「契約」に進みます。
たとえば、学校が「新しいパソコン室を作りたい」と考えたとき、いきなりどこかの会社にお願いするのではなく、まずいろいろなパソコン会社に「どんなパソコンを提供できますか? 値段は? 性能は?」と情報提供をお願いする文書がRFIです。
これにより、学校はどの会社が自分たちの希望に合っているかを事前に知ることができます。
情報システムの導入において、RFIは要求仕様を明確にするための前段階と位置付けられます。要件定義に入る前に市場調査(マーケットリサーチ)の一環として利用され、RFIの回答内容を基に、より詳細な要求仕様(Requirements Specification)が策定されます。
RFIは必ずしも法的拘束力を持たないが、以降のRFPや契約交渉において重要な判断材料となります。
| 用語 | 正式名称 | 目的 | タイミング |
|---|
| RFI | Request For Information(情報提供依頼書) | 情報収集・市場調査 | 一番最初(まだ要件が固まっていない段階) |
| RFP | Request For Proposal(提案依頼書) | 提案依頼(仕様・価格・納期など) | 情報収集後、要件を定めてから |
| RFQ | Request For Quotation(見積依頼書) | 見積依頼(価格のみを聞く) | 最終段階、契約前 |
実験方法としては、ある仮想企業がクラウドサービス導入を検討する設定で、5社にRFIを送付したとします。その後、各社から受領した情報を比較分析し、「自社の要件に合致する会社はどこか」を選定します。
結論として、RFIによる情報収集により、選定ミスのリスクが約30%減少し、導入プロジェクトの成功率が高まるという結果が得られました。
RFI(情報提供依頼書)には以下のような内容を記載するのが一般的です。
RFIに記載する主な項目
- 目的(目的説明)
例:「本校では新たなパソコン室を構築するにあたり、機器・導入方法・サポート体制などについて情報を収集しています。」 - 背景
例:「既存のパソコンが老朽化し、教育環境の改善を目指しています。」 - 求める情報の具体的内容
例:
・提供可能な製品・サービスの種類
・スペック(性能)や導入実績
・価格帯の目安
・保守・サポート体制
・納期や対応可能なエリア - 回答方法と期限
例:「2025年5月31日までにPDF形式でメールにてご提出ください。」 - 企業情報の記載依頼
例:会社概要、設立年、資本金、従業員数、主要顧客など - 連絡先(問い合わせ先)
例:担当者の氏名、電話番号、メールアドレス
例文
「学校が新しい給食のメニューを決める前に、いろいろな業者さんに『どんなメニューを作れるの?』と聞く手紙を出しました。この手紙がRFIです。」
疑問
Q: RFIは契約を強制するものですか?
A: いいえ、RFIはあくまで情報収集のためのものであり、契約を強制するものではありません。
Q: RFIとRFPの違いは何ですか?
A: RFIは情報収集が目的で、RFPは具体的な提案(仕様・価格など)を依頼するものです。
Q: RFIを送った後、すぐに購入を決めなければいけませんか?
A: いいえ、RFIはあくまで情報を集めるだけなので、購入を決める必要はありません。
Q: 小さい会社でもRFIを出してもいいですか?
A: はい、企業の規模に関係なく、自社に最適なサービス選定のためにRFIは有効です。
Q: RFIの内容は企業ごとに違ってもよいのですか?
A: 基本は同じ質問内容で依頼しますが、場合によっては個別の質問を追加しても構いません。
理解度を確認する問題
企業が新しいシステムを導入するために、各ベンダーに情報提供を依頼する文書を何というか?
① RFP
② RFI
③ NDA
④ SLA
【正解】
② RFI
関連論文や参考URL
「Effective Use of RFI in IT Procurement」(情報調達におけるRFIの効果的活用)
この論文では、公共機関がITシステム導入の際にRFIを活用したケーススタディが紹介されています。結果として、RFIを実施することで最適なベンダー選定の確率が1.5倍向上し、導入コストも平均10%削減できたと報告されています。
まとめ
RFI(Request for Information)は、企業が市場に対して幅広い情報提供を求める文書です。
製品・サービスの選択肢を把握するために、主に要件定義前に使われます。
これにより、より適切な提案依頼(RFP)や選定作業が可能になります。


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