間違って結論を出してしまう確率をどこまで許すか決めた基準のこと
簡単な説明
「有意水準」っていうのは、「このくらいの確率で間違ってもまぁ許そう」って最初に決めとくルールだよ。
たとえば5%にしとくと、「20回に1回くらいならミスしてもしゃーない!」ってノリ。
で、実験して出た数字(p値)がそれより小さかったら、「お、これは本物っぽい!」って判断する感じ!
由来
有意水準は、1908年に統計学者ウィリアム・ゴセット(ペンネーム:Student)が統計的検定の考え方を発展させたことに由来しています。
その後、ロナルド・フィッシャーが「5%」という基準を広めました。統計的な判断に必要な「信頼できるかどうか」を数値で明確にするために使われています。
具体的な説明
有意水準とは、ある仮説が正しいかどうかを検証するとき、「このくらいの確率で間違っても仕方ない」と最初に決めておく割合のことです。
よく使われる基準は5%(0.05)や1%(0.01)です。
例えば、「この薬は効果があるか」を確かめるとき、たまたま運良くよい結果が出ただけかもしれません。
そこで「5%だけ間違いを許す」と決めておけば、運だけでよい結果が出る確率が5%以内であれば「効果あり」と判断できます。
つまり、「偶然ではない」と自信を持って言うための基準が有意水準なのです。
有意水準(Significance Level、α)は、帰無仮説が真であるにもかかわらず、それを棄却してしまう第一種の過誤(Type I Error)の確率を表します。
一般的には、
- α = 0.05(5%)
- α = 0.01(1%)
がよく使用されます。
仮説検定では、p値と比較して、p値 ≤ αなら帰無仮説を棄却します。
具体的な実験や観察手法と結論
例)薬の効果を確かめる実験
- 100人をランダムに2グループに分ける
- 一方には新薬を、もう一方には偽薬(プラセボ)を与える
- 結果を比較して、統計的に差があるか分析する
- p値が0.03だったとする
- もし有意水準を0.05に設定していたら、0.03 < 0.05なので「新薬は効果あり」と結論づける
結論:「p値が有意水準より小さいなら効果があると判断する」
例文
「このテストの点数が偶然よかっただけじゃないって言うには、有意水準5%以下じゃないとダメなんだって。」
疑問
Q: 有意水準は必ず5%にしないといけませんか?
A: 必ずしも5%である必要はありません。目的に応じて1%や10%に設定することもあります。
Q: 有意水準を低くすると何が変わりますか?
A: 有意水準を低くすると、間違って帰無仮説を棄却するリスクが小さくなりますが、逆に本当の差を見逃すリスクが高まります。
Q: 有意水準とp値はどう違いますか?
A: 有意水準は「許していい間違いの基準」、p値は「実際に得られたデータの結果」です。
Q: 有意水準を設定しないとどうなりますか?
A: 設定しないと、どの程度の結果で仮説を受け入れるか判断基準がなくなり、検定結果の信頼性が下がります。
Q: 有意水準を変えると試験結果も変わりますか?
A: はい、変わります。有意水準を厳しく(小さく)すると、同じデータでも「効果あり」と判断できなくなることがあります。
理解度を確認する問題
有意水準5%とは何を意味するか、正しいものを選びなさい。
A. 5%の確率で正しい結論が得られる
B. 95%の確率で間違った結論になる
C. 5%の確率で間違った結論を許容する
D. 仮説が5%だけ正しいと仮定する
正解
→ C. 5%の確率で間違った結論を許容する
関連論文や参考URL
Fisher, R.A. (1925) 『Statistical Methods for Research Workers』
解説: ロナルド・フィッシャーが、有意水準という考えを科学研究に導入し、検定の結果に対する明確な判断基準を提供しました。
結果: 科学実験において「p値が有意水準以下なら効果あり」とする標準が確立され、今日でも多くの分野で用いられています。
まとめ
有意水準とは、間違った結論を出してしまう確率の上限を決める基準です。
一般的には5%(0.05)や1%(0.01)が使われます。
この基準よりも小さいp値なら、偶然ではないと判断します。


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