E-R図(Entity-Relationship Model)

ER diagram ストラテジ系

データベースにおける情報の関係を図で表したもののこと

簡単な説明

E-R図ってのは、データベース作るときの「登場人物とその関係」をざっくり図にしたやつ。
たとえば「生徒」と「先生」がいて、「担任してるよー」って関係を線でつなぐ感じ。
見える化しておくと、あとで「誰が誰とどう関係してるの?」って迷わなくなる超便利ツール!

由来

E-R図は1976年にピーター・チェン(Peter Chen)が提唱した「Entity-Relationship Model(エンティティ・リレーションシップ・モデル)」に基づいています。このモデルは、複雑なデータの構造をわかりやすく図で表すために生まれました。

具体的な説明

E-R図(Entity-Relationship Diagram)は、データベース設計の初期段階で使用される設計図のようなものです。

以下の3つの要素で構成されます。

要素説明表記
エンティティ(Entity)モノやコトの「主役」四角形で表す
リレーションシップ(Relationship)エンティティ間の関係ひし形で表す
属性(Attribute)エンティティの特徴や性質楕円で表す

例えば、「学校の生徒と担任の関係」を考えてみましょう。

  • エンティティ:「生徒」「先生」
  • 属性:「生徒名」「学年」「先生名」など
  • リレーションシップ:「担任されている」

この情報をE-R図にすると、次のようになります:

[生徒]--<担任されている>--[先生]
|                |
(生徒名)            (先生名)
(学年)

E-Rモデルでは、概念データモデルの一種として使われ、現実世界の対象(Entity)とそれらの間の関係(Relationship)を抽象的に表現します。

エンティティには主キー(Primary Key)が必要で、属性の一意性や多重度(1対1、1対多、多対多)も重要な設計要素です。

E-R図を正規化と組み合わせることで、冗長性を避けた効率的なデータベース設計が可能になります。

実験・観察と結論

観察例: 学校内のクラス管理システムを作成するケースで、50名の生徒と10名の先生の関係性をE-R図で表現。

  • 実験では、「1人の先生が複数の生徒を担任」「1人の生徒には1人の担任がいる」という1対多の関係をE-R図に反映。
  • 結論として、E-R図によりテーブル設計が明確化され、実装においてミスが減少しました。

例文

「新しい社員管理システムを作るために、最初にE-R図を使って社員と部署の関係を整理しました。」

疑問

Q: E-R図はなぜ必要なのですか?

A: データベースの設計ミスを防ぎ、情報のつながりを正しく把握するために必要です。

Q: E-R図はどんなときに使いますか?

A: 新しいシステムを開発する前の要件定義やデータベース設計のときに使います。

Q: 「リレーションシップ」って何のことですか?

A: 2つのエンティティの間にある「関係性」のことです。例:「生徒」と「先生」の「担任」という関係です。

Q: 属性はエンティティに必ずついていますか?

A: はい、属性はエンティティの特徴を表すもので、少なくとも主キーとなる属性が必要です。

Q: E-R図を見ればテーブル設計がすぐできますか?

A: はい。E-R図をもとに、どんなテーブルが必要で、どうつながるかを判断できます。

Q: 「エンティティ」と「テーブル」は同じものですか?

A: 似ていますが違います。エンティティは現実世界のモノやコトの「概念」で、テーブルはそれを具体的に表した「データベースの構造」です。

Q: リレーションシップには種類がありますか?

A: はい、主に「1対1」「1対多」「多対多」の3つの種類があります。関係の数を「多重度」と呼びます。

Q: E-R図における主キーとは何ですか?

A: 主キー(Primary Key)は、エンティティの中で「一意に識別するための属性」です。例:生徒ID、社員番号など。

Q: 属性にはどんな種類がありますか?

A: 単一属性(名前など1つの情報)、複合属性(氏名→姓と名)、派生属性(年齢←生年月日から計算)などがあります。

Q: 多対多のリレーションシップはどう処理しますか?

A: 中間エンティティ(橋渡しテーブル)を作ることで、正規化されたテーブル構造に変換します。

Q: E-R図はどの工程で作成しますか?

A: システム開発の「要件定義」や「論理設計」の段階で作成されます。初期段階で全体像を把握するためです。

Q: 属性の中に主キー以外のキーもありますか?

A: はい、候補キー(主キー候補)、外部キー(他のエンティティと関係するためのキー)などもあります。

Q: 「弱エンティティ」とは何ですか?

A: 弱エンティティとは、主キーだけでは識別できず、他のエンティティとの関係を使って識別されるエンティティのことです。

Q: ITパスポートでE-R図を正しく読むにはどうしたらいいですか?

A: エンティティ、リレーションシップ、属性の関係を読み取る練習をし、どのようなテーブル構造になるかを考えると理解が深まります。

理解度を確認する問題

E-R図における「エンティティ」の説明として最も適切なものはどれか。

A. 情報のやり取りを行うネットワークの構成要素
B. 実世界に存在するモノやコトを表す要素
C. ファイルの中で使われるデータの形式
D. システム開発におけるエラーの記録方法

正解: B

関連論文や参考URL

The Entity-Relationship Model—Toward a Unified View of Data(Peter P. Chen, 1976)

解説: この論文では、E-Rモデルの原型が紹介され、実世界をより直感的にモデル化できる方法として評価されました。リレーショナルデータベースへの影響は大きく、後のSQL設計にも強く関係しています。

結果: 概念データモデルの定番として採用され、現在もソフトウェア開発の初期工程で利用されています。

まとめ

E-R図は、データベースにおける「モノ(エンティティ)」と「関係(リレーションシップ)」を図で表した設計図です。
エンティティは四角形、属性は楕円、関係はひし形で表されます。
情報の構造を視覚的に整理することで、効率的なデータベース設計が可能になります。

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