一緒に買われやすい商品の組み合わせを見つける分析のこと
簡単な説明
バスケット分析ってのは、
「〇〇買った人って、△△も一緒に買ってるよね〜」ってパターンを探すやつ。
例えば「ポテチ買ったらコーラも一緒に買う人多いな!」みたいな発見ができて、
お店の陳列とか、Amazonの「おすすめ」に活かされてるんだよ。
由来
この手法は、1990年代にアメリカの小売業界で広まりました。
スーパーなどで「ある商品と一緒によく買われる商品は何か?」を見つけるために始まりました。たとえば「おむつとビール」が一緒に買われるという有名な例もあります。そこから「マーケット・バスケット分析(Market Basket Analysis)」と呼ばれるようになりました。
具体的な説明
スーパーやコンビニでのレジ情報をもとに、お客さんの「買い物かご(バスケット)」に何が一緒に入っているかを分析します。
目的は、「商品をおすすめする」ことや「売り場の配置を工夫する」ことです。
たとえば、以下のような買い物データがあったとします。
| 買い物回数 | 購入商品 |
|---|---|
| 1回目 | おにぎり、お茶 |
| 2回目 | サンドイッチ、コーヒー |
| 3回目 | おにぎり、お茶 |
| 4回目 | おにぎり、味噌汁 |
| 5回目 | おにぎり、お茶 |
この場合、「おにぎり ⇒ お茶」というパターンが多く見られます。
これを「アソシエーションルール」と呼びます。
使用する3つの指標
| 指標 | 意味(わかりやすく) | 活用イメージ |
|---|
| 支持度(Support) | 全体の取引の中で、特定の組み合わせがどれだけ登場するか(=よく出る組み合わせ) 例:5回中3回「おにぎり&お茶」→ 支持度 60% | 商品AとBが一緒に買われた回数 ÷ 全体の注文数。頻繁に出る組み合わせに注目し、広告・レコメンド戦略に使います。 |
| 信頼度(Confidence) | 「Aを買った人がどのくらいの割合でBも買っているか?」 例:おにぎりを買った4回中3回お茶も → 信頼度 75% | 「この商品を買った人は、こちらも買っています」の根拠として使われる。ターゲティング広告に活用。 |
| リフト値(Lift) | たまたまじゃなくて、本当に関連性があるかを見る。 AとBが一緒に買われる確率 ÷ Bが単独で買われる確率 1より大きい → 関連性アリ | 商品同士がどれだけ強く関連しているかを判断。リフト値が高い組み合わせはセット販売にも向いています。 |
この分析は、データマイニングの中のアソシエーションルールマイニングに含まれます。
代表的な手法に以下のようなものがあります。
- Aprioriアルゴリズム:頻出アイテムセットを見つけ、そこからルールを作成。
- FP-Growth(頻出パターン木):より効率的に大量のデータを処理可能。
これらは、数百万件の取引データでも短時間で分析ができるように設計されています。
例文
「コンビニでおにぎりを買った人は、だいたいお茶も一緒に買ってるみたいだよ。だから、おにぎりの近くにお茶を置いたら売れるかもってお店の人が考える。これがバスケット分析なんだ。」
疑問
Q: バスケット分析はどんな業界で使われていますか?
A: 主に小売業やECサイトで使われていますが、最近では病院で「薬の組み合わせ」や、銀行で「サービスの関連性」を探るのにも使われています。
Q: アソシエーションルールとバスケット分析は違うのですか?
A: 同じものと考えて大丈夫です。アソシエーションルールはバスケット分析の中で使われる理論的な名前です。
Q: リフト値が1より小さいのにルールとして使えることはありますか?
A: 通常は使いません。リフト値が1より小さい場合、逆に関連がないか、買うのを避けている可能性があります。
Q: 分析結果はどう活用されますか?
A: 商品の配置を変えたり、レコメンドシステムで「あなたへのおすすめ」として表示されたりします。
Q: ECサイトでの活用例はありますか?
A: はい、Amazonでは「この商品を買った人は、こちらも買っています」という機能に使われています。
理解度を確認する問題
バスケット分析に関する説明として適切なものはどれか?
A. 顧客の年齢や性別をもとに分析する手法
B. 商品の価格変動を予測する手法
C. 一緒に購入されやすい商品を分析する手法
D. 商品の生産数を最適化する手法
正解: C
関連論文や参考URL
Agrawal, R. et al. (1993) “Mining Association Rules between Sets of Items in Large Databases”
解説: バスケット分析の元祖ともいえる論文。Aprioriアルゴリズムを提案し、商品の組み合わせからルールを効率よく見つける方法を初めて示したものです。
結果: 高速に「重要な商品の組み合わせ」を発見できることで、スーパーマーケットやECサイトでの実利用が拡大しました。
まとめ
バスケット分析とは、一緒に買われる商品を見つける手法です。
支持度・信頼度・リフト値の3つの指標を使って商品間の関連性を数値化します。
小売業だけでなく、EC・医療・SNS分析など幅広い分野で活用されています。


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