ある会社が他の会社を買収するために、その会社の株式を市場外で公開買付けすること
簡単な説明
ある会社が「この会社ほしい!」って思ったときに、
その会社の株を「この値段でまとめて買いますよ〜」って株主に呼びかけるやり方だよ。
ふつうの株の売買よりちょっと特別で、よくある買収テクニックなんだ!
由来
TOB(Take Over Bid)は、もともとイギリスなど欧米の証券取引制度で使われ始めた用語です。企業買収が活発になる中で、「株をまとめて買いたい」と希望する会社が、通常の市場取引(株式市場)ではなく、直接その会社の株主に対して「この価格で買います」と呼びかける方法として発展しました。
具体的な説明
通常、株は証券取引所で売買されますが、TOBは「非公開でまとめて株を買う特別な方法」です。買いたい会社は、何株買いたいか・いくらで買いたいか・いつまでに買うかなどの条件を公表して、広く株主に呼びかけます。
たとえば、ある会社Aが会社Bを買収したいとします。B社の株式は証券取引所で売られていますが、それを1株500円で10万株(=5億円分)まとめて買いたいと思ったとします。A社はB社の株主に対して「500円で買います」とTOBを発表します。株主は「その価格で売ってもいい」と思えば応募できます。
TOBは、証券取引法(現・金融商品取引法)に基づき、一定数以上の株式を取得する際には公開買付けが義務化されており、これにより情報の透明性が保たれ、公平な取引が促進されます。特に発行済株式の3分の1を超える取得ではTOBが必要です。
過去のTOB事例を分析すると、TOBが成功すると買収された企業の株価が急上昇する傾向が見られます。これは、買収価格が市場価格より高いプレミアム(上乗せ価格)で提示されることが多いためです。たとえば、平均的に20〜30%のプレミアムがつくというデータがあります。
例文
「ソフトバンクはあるIT企業を買収するため、1株あたり800円で10万株のTOBを実施しました。株主の多くが応募し、買収は成功しました。」
疑問
Q: TOBは誰でもできますか?
A: いいえ、TOBには金融商品取引法に基づく手続きが必要で、企業や投資ファンドなどが実施します。
Q: 株主はTOBに応募しないといけないのですか?
A: いいえ、株主は自由に応募するかどうかを決められます。
Q: TOBと普通の株取引の違いは何ですか?
A: 通常は市場で1株ずつ売買しますが、TOBはまとめて大量の株を特定の価格で売買する方法です。
Q: TOBがあると会社の株価はどうなりますか?
A: 通常はTOB価格が市場価格より高いため、株価が上昇することが多いです。
Q: TOBが失敗することもありますか?
A: はい、株主が希望する株数を売らなければ成立しないこともあります。
理解度を確認する問題
TOB(Take Over Bid)に関する説明として最も適切なものはどれか?
A. 株主に対して株を売るように強制する制度
B. 株主に対して株式の買付けを公開で呼びかける制度
C. 株価を自由に変更できる制度
D. 企業が市場外で自社株を売却する方法
正解:B
関連論文や参考URL
「日本企業におけるTOB制度の実証分析」
要旨:日本におけるTOBの事例分析を通じて、市場に与える影響と買収成功率との関係性を分析。
結果:プレミアム付きTOBの成功率は約85%、株価上昇幅の平均は25.3%であった。市場はTOBをポジティブに捉える傾向にあることがわかりました。
まとめ
TOB(株式公開買付け)は、企業が他の企業の株を市場外でまとめて買う方法です。
公開買付価格・期間・株数を提示して、株主に直接「売ってください」と呼びかけます。
株価より高い値段(プレミアム)で買うことが多く、買収や経営権取得の手段として使われます。


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