クラウドファンディング

たくさんの人から少しずつお金を集めて、夢やアイデアを実現する仕組みのこと

簡単な説明

クラウドファンディングは、ネットで「これやりたい！」ってアイデアにみんなからお金を集める仕組みだよ。
集まったお金でモノを作ったり、イベントや支援活動を実現できるんだ。
支援するとお礼に商品やサービスがもらえることもあるよ！

由来

「クラウド（Crowd）」は「群衆」、「ファンディング（Funding）」は「資金提供」という意味です。
つまり「不特定多数の人から資金を集める」ことを指します。

インターネットが普及した2000年代以降、個人や小さな団体でもお金を集められるようになり、クラウドファンディングという方法が人気になりました。

具体的な説明

クラウドファンディングには大きく分けて4つのタイプがあります：

購入型：支援すると商品やサービスがもらえる（例：ガジェット、ゲームなど）
寄付型：見返りは求めずに応援（例：災害支援、学校建設など）
投資型：支援の代わりに株や配当がもらえる
貸付型：お金を貸して利息を得る（P2Pレンディング）

クラウドファンディングは、情報の非対称性（資金の出し手と受け手の情報量の違い）をテクノロジーによって解消し、従来の銀行融資に頼らない資金調達の新しい選択肢として注目されています。
日本では「資金決済法」や「金融商品取引法」に基づいて運営されています。

国内最大手「Makuake（マクアケ）」の分析では、目標金額が30万円以下のプロジェクトは約75%が成功しており、「支援者が共感しやすい内容」や「動画・写真付きの紹介」が成功の鍵とされています。

クラウドファンディングと税金（個人の場合）

1. 購入型クラウドファンディングの場合

たとえば、自分で作った商品を支援者に提供する「購入型」の場合、**収入は「事業所得」や「雑所得」**になります。

商品やサービスを提供した ⇒ 売上とみなされます
経費を差し引いて、利益が出ていれば確定申告が必要

💡 例：オリジナルTシャツをクラファンで販売し、支援額30万円。
材料費や発送費など10万円かかった場合、利益20万円が課税対象になります。

2. 寄付型クラウドファンディングの場合

見返りを一切提供しない寄付型で、本当に寄付された場合は、受け取る側の性質によります：

個人が寄付を受け取る場合 → 贈与とみなされる可能性あり
贈与税の基礎控除（年間110万円）を超えた場合は、贈与税の申告が必要

3. 投資型・貸付型の場合

利益や配当が出た場合 ⇒ 雑所得や配当所得
プラットフォームが源泉徴収してくれている場合もありますが、自分で申告が必要なケースも

注意点

見返りのあるクラファンは「売上」扱いになる可能性が高い
プラットフォームの利用明細（取引履歴）を保存しておく
確定申告が必要か不安なときは、税務署か税理士に相談を！

法人がクラウドファンディングで得た資金の扱い

1. 購入型クラウドファンディング（例：製品開発、予約販売）

見返り（商品やサービス）を提供する場合 → 売上に計上
商品が完成する前でも、支援を受けた時点で「前受金（負債）」として計上し、納品時に売上に振替
売上計上と同時に、材料費・開発費などは「費用」として処理

例：
・目標金額100万円 → 支援で120万円集まる
・商品発送時に120万円を「売上」として計上
・そこから仕入や外注費、広告費を差し引いて利益計算

2. 寄付型クラウドファンディング（見返りなし）

基本的に 「雑収入」や「寄付金収入」として計上します
法人がもらったお金であっても、対価がなければ売上ではなく雑収入
社会貢献型プロジェクト（例：NPO法人など）でも収益扱いとなる可能性あり

税務署との事前相談がおすすめです！

3. 投資型・貸付型クラウドファンディング

出資を受けた場合 → 資本として処理（資本金または資本剰余金）
貸付を受けた場合 → 負債として処理し、利息を支払う義務がある
法的・契約的な形式に応じて、仕訳処理が異なります

法人税の対象になる？

はい。法人で得た収入や利益は、原則としてすべて法人税の対象になります。

売上や雑収入 ⇒ 法人税課税対象
経費との相殺後に利益が出れば、23.2%（中小企業の場合）程度の法人税が課税されます（※所得金額による）

例文

新しい環境保護グッズを作るために、クラウドファンディングで資金を集めました。

疑問

Q: 誰でもクラウドファンディングを始められますか？

A: はい、アイデアやプロジェクトがあれば、個人でも簡単に始められます。

Q: 支援するとお金は戻ってきますか？

A: 購入型は商品が届きますが、寄付型は見返りがないこともあります。投資型・貸付型はリスクがあります。

Q: 詐欺のようなプロジェクトもありますか？

A: まれにあります。信頼できるプラットフォームを使い、内容をよく確認することが大切です。

Q: どんな人が使っていますか？

A: 個人クリエイター、スタートアップ企業、NPO団体など多岐にわたります。

Q: クラウドファンディングとネット通販はどう違いますか？

A: 通販は「完成品を買う」のに対し、クラファンは「商品を作るための資金を先に支援」するものです。

Q: プロジェクトが目標金額に届かなかったらどうなりますか？

A: 多くのプラットフォームでは支援金は返金され、プロジェクトは実行されません（All-or-Nothing方式）。

Q: なぜクラウドファンディングを使う人が増えているのですか？

A: 銀行融資を受けにくい個人やスタートアップでも、アイデア次第で資金を集められるからです。

Q: クラウドファンディングを行うのに資格や許可は必要ですか？

A: 多くの場合、特別な資格は不要ですが、金融型の場合は金融庁の登録が必要です。

Q: クラウドファンディングを通じて社会貢献できる例はありますか？

A: はい。被災地支援、障がい者の支援、教育支援など、社会課題の解決に使われることも多いです。

Q: クラウドファンディングで得たお金は個人でも税金がかかりますか？

A: はい。収入とみなされるため、内容によっては所得税がかかり、確定申告が必要になります。

Q: 商品を提供する「購入型クラファン」の収入は何所得になりますか？

A: 商品やサービスを提供するので「事業所得」または「雑所得」に該当します。

Q: 寄付型クラファンで見返りがない場合も申告が必要ですか？

A: 金額が大きければ「贈与」と見なされて贈与税がかかる場合があります。

Q: どのくらいの収入から確定申告が必要ですか？

A: 給与所得者なら副業所得が年間20万円を超えると申告が必要です。無職・専業の人は48万円以上で必要になります。

Q: 経費にできるものはありますか？

A: はい。材料費、送料、クラウドファンディングの手数料など、収入を得るために使ったものは経費にできます。

Q: クラウドファンディングの返礼品として食品を提供するには免許が必要ですか？

A: はい。食品を製造・販売する場合、「食品衛生法」に基づく営業許可や届出が必要になることがあります。

Q: どんなときに免許（営業許可）が必要になりますか？

A: 自宅や施設で食品を製造・加工・販売する場合は、ほとんどのケースで保健所の営業許可が必要です。

Q: 自分で作ったジャムやお菓子を返礼品にしてもいいの？

A: 衛生面の観点から、自宅の台所など営業許可を受けていない場所で作った食品はNGです。専用のキッチン施設が必要です。

Q: 市販品や仕入れた食品を返礼品にする場合は？

A: 既製品をそのまま提供する場合でも、販売目的での取扱いなら届け出が必要です。ラベル表示やアレルゲン表示の義務もあります。

Q: 地元の農家からもらった野菜や果物をお礼にしても大丈夫？

A: 加工していない「生の農作物」は基本的に許可不要ですが、加工（カット・乾燥・調味）すると許可が必要になります。

理解度を確認する問題

クラウドファンディングの説明として最も適切なものはどれか。

A. 大手企業が出資する投資制度
B. 銀行から融資を受ける新制度
C. 多くの人から資金を集める仕組み
D. 通販サイトで商品を安く売る制度

正解：C

クラウドファンディングを通じて会社の株をもらうのは？
A. 寄付型
B. 投資型
C. 購入型
D. 貸付型

正解：B

まとめ

クラウドファンディングは、ネットを使ってたくさんの人から少しずつお金を集める仕組みです。
商品を作ったり、社会貢献プロジェクトを実現したりするための資金調達方法です。
購入型・寄付型・投資型など種類があり、内容によって税金の扱いも変わります。