SNSマーケティングをしていると、必ず気になるのが「自分の投稿がフォロワーの何%に届いているのか?」という疑問です。かつてFacebookでは「フォロワーの約12%に投稿が届く」と言われていましたが、アルゴリズム変更によって現在は大きく状況が変わっています。では、InstagramやTwitter(X)、LinkedInなど他のSNSはどうでしょうか? 本記事では、最新データをもとに主要SNSの平均リーチ率を比較し、なぜその差が生まれるのかをQ&A形式でわかりやすく解説します。これを読むことで、自社にとって最適なSNS活用の方向性をイメージできるはずです。
定義
Facebookの「12%」とは、かつてオーガニック投稿がページフォロワーの約10〜12%に自然に届いていたとされるリーチ率の目安を指します。現在はアルゴリズム変更により1〜3%程度に低下しています。
ざっくり言うと?
昔は「Facebookで投稿すれば、フォロワーの10人に1人以上は見てくれる(=12%)」という感覚があったのですが、今は状況が変わり「1〜3人程度しか届かない」ことが多いです。まるで昔は商店街で大声を出せばみんなに聞こえたのに、今は巨大なショッピングモールで声がかき消されるイメージです。
具体的には?
Facebookの「12%」は、2012〜2013年ごろの平均的なオーガニックリーチ率を指します。当時はフォロワーの10人に1人以上が投稿を自然に目にしていました。しかし現在は、平均リーチ率が 1〜3%程度 にまで低下しています(Social Insider, 2023)。つまり、1000人のフォロワーがいても実際に見ているのは10人前後にとどまるケースが多いのです。
ただし、これは 過去の平均値 であり、現在では Facebook のアルゴリズム変更により大幅に低下しています。実際の調査データでは:
- 2012〜2013年頃:フォロワーの約12%にオーガニック投稿が届いていた
- 2014年以降:平均6%前後に低下
- 2020年代:現在は 1〜3%前後 が標準的(Social Insider, 2023)
つまり、
- 昔はフォロワーの12%に届いた → 今は1〜3%が現実
という変化が起きているのです。
メリット
かつての「12%リーチ率」を知っておくことで、SNSマーケティングの変化を理解できます。特にSEOとSNSは補完関係にあり、検索順位が低いときでもFacebook拡散で流入を確保できました。SNSのトラフィック効果を正しく把握すれば、コンテンツの拡散設計に役立ちます。
デメリット
「12%」という数字を現在の基準と誤解すると、実際の成果とのギャップが生じます。広告投資やKPI設定が非現実的になり、「なぜリーチ率が低いのか?」と不要な混乱を招きかねません。今はオーガニックだけでの集客は難しく、広告活用が前提になっています。
関連論文・メタ分析
& Convert, 2014)
- 概要: Facebookのオーガニックリーチが12%から1〜6%に低下していると分析。
- 結果: ビジネスページは広告依存度を高めざるを得ない状況。
- 解釈: Facebookはプラットフォーム収益化のために自然露出を制限したと解釈される。
“Social Media Reach Benchmarks 2023” (Social Insider)
- 概要: Facebookの平均オーガニックリーチ率をSNS横断で調査。
- 結果: Facebookは平均1.65%、InstagramやTikTokの方が高い。
- 解釈: Facebookにおいて「12%」は過去の数字であり、今は1〜3%を想定すべき。
Google公式の見解など
Googleは直接Facebookリーチ率について発言していませんが、SEO文脈では「SNSシグナルはランキング要因ではない」と明言しています。
“Social signals (likes, shares, followers) are not direct ranking factors.”
(Google Search Central)
ただし、SNSでの拡散は間接的にリンク獲得やブランド検索増加につながり、結果的にSEO効果を生む可能性があります。
Q&A
- QFacebookのオーガニックリーチ12%は今も正しい?
- A
いいえ。現在は1〜3%程度が平均値です。
- Qなぜ昔よりリーチ率が下がったのですか?
- A
Facebookのアルゴリズム変更と広告収益化が主因です。
- Q他のSNSではどう?
- A
Instagramは5〜10%、TikTokはさらに高いリーチ率を持つ傾向があります。
- QInstagram(インスタグラム)は、フォロワーの何%に投稿が届きやすいか?
- A
最新データでは、Instagram の平均オーガニックリーチ率は 約 3.5 % と報じられています。
ただし、業界やフォロワー数・投稿タイプ(画像・リール・カルーセル等)によって上下します。
例えば、あるベンチマークでは、投稿リーチ率でブランド大手は 8 % を目安とする試算もあります。
- QFacebook(フェイスブック)以外の SNS で最もリーチが高いのはどれ?
- A
一部のデータでは、Instagram が Facebook よりも平均リーチ率で優位という報告があります。
ただし、TikTok やリール系の動画主体プラットフォームは「バズりやすさ」の観点ではリーチ拡張の可能性が高いですが、フォロワー基盤を前提とした「確実なフォロワーリーチ率」としてのデータは変動が大きく、明確な平均値を示しにくいです。
- QLinkedIn(リンクトイン)はどうか?
- A
B2Bやビジネス系投稿では比較的高めのリーチを記録する傾向があります。
一部レポートでは、「投稿あたりリーチ率が約 6〜7 %」程度とする記載があります。
とはいえ、業界・投稿ジャンルによって大きなばらつきがあるため、あくまで目安です。
- QTwitter(X)はフォロワーのどのくらいに届く?
- A
明確なフォロワー比でのリーチ率データは公開ベンチマークでは少ないですが、一般的にリーチが難しいプラットフォームとされており、数%以下になることが多いという観察があります。
Twitter(X)は「インプレッション」「タイムライン表示回数」が主指標で、「フォロワーの何%に必ず見えるか」という率は安定しにくいです。
- Qこれらの SNS リーチ率の差はなぜ起きるのか?
- A
各プラットフォームのアルゴリズム(誰にどれだけ表示するかの優先順位付け)
フォロワーのアクティブ率(どれだけログイン・利用しているか)
投稿形式(画像・動画・ストーリー・リール等)
ハッシュタグや拡散機会(“いいね”やシェアで拡がるか)
フォロワー数の大小:少ないアカウントのほうが「割合」で有利なことも多い


コメント