高いモノほど欲しくなる心理のこと
簡単な説明
「めっちゃ高いモノ買いたくなるのって、それ“ヴェブレン効果”やで!ブランド物でドヤりたいとか、まさにそれ!“高い=カッコいい”って思い込んでまう心理のワナやな!」
由来
「ヴェブレン効果」という名前は、アメリカの経済学者ソースティン・ヴェブレン(Thorstein Veblen)に由来します。彼は1899年に『有閑階級の理論』という本の中で、「人は社会的地位を見せびらかすために、わざと高価なモノを買う」という考え方を提示しました。
具体的な説明
ヴェブレン効果とは、商品の価格が高いほど需要が高まるという、通常の経済原則(価格が上がると買わなくなる)とは逆の現象です。
たとえば、あるバッグが10万円のときは誰も買わなかったのに、100万円に値上げしたら売れ始めた、というような現象です。これは、その高価格が「お金がある人しか買えない」「すごい人っぽく見える」などのステータスの証明になるからです。
例えば、普通のTシャツが1000円で売っていてもあまり人気がないのに、「このTシャツは有名ブランドで10万円です」となると、「え!?そんな高いTシャツってすごい!」と感じて欲しくなる現象です。
これは、その服が特別だからではなく、「高いからこそすごそうに見える」という心理的な錯覚です。
例文
「彼は最新モデルの超高級スマホを買ったけど、実はヴェブレン効果で“人に見せたい”気持ちが強かっただけなんだよね。」
疑問
Q: ヴェブレン効果とスノッブ効果の違いはなんですか?
A: ヴェブレン効果は「高いものを買うことで自分のステータスを見せたい」という心理ですが、スノッブ効果は「他人が持っているものは持ちたくない」「珍しいものが欲しい」という心理です。
Q: ヴェブレン効果が働くのはどんな商品ですか?
A: 高級ブランド、宝石、スポーツカー、限定品など、ステータスが伝わりやすい商品です。
Q: ヴェブレン効果は誰にでも起こるのでしょうか?
A: 特に社会的承認を重視する人に強く起こりますが、誰にでも程度の差はあります。
Q: ヴェブレン効果は価格以外の要因でも生じますか?
A: はい、ブランド、希少性、限定性などの要素も影響します。
Q: ヴェブレン効果が働いていることを自分で気づけますか?
A: 気づきにくいですが、「なぜこれが欲しいのか?」を掘り下げると気づくことがあります。
Q: ヴェブレン効果が起きるために「高い価格」以外に必要な条件はありますか?
A: はい、価格が高いだけでなく、その高さが他人からも見えることが重要です。たとえば、高級腕時計やブランドバッグなど「他人に認識されやすいもの」であることが、ヴェブレン効果を強めます。
Q: ヴェブレン効果は現代の若者にも見られますか?
A: はい、現代の若者にも見られます。SNSでブランド品を自撮りで見せるなど、デジタル空間でのステータスアピールにもヴェブレン効果が関与しています。
Q: なぜ「高い=価値がある」と思ってしまうのでしょうか?
A: それは「価格ヒューリスティック」と呼ばれる心理のせいです。人は判断に迷うとき、価格の高さを「品質の良さ」の目安にしてしまうことがあります。そのため高価格が価値あるものと錯覚されやすいのです。
Q: ヴェブレン効果が働かないケースにはどんなものがありますか?
A: 機能性が重視される商品(例:洗剤、文房具)や、価格が高すぎて現実的でない場合などは、ヴェブレン効果が起きにくいです。また、人目に触れにくい商品でもこの効果は弱くなります。
Q: ヴェブレン効果がマーケティング戦略に使われることはありますか?
A: はい、多くの高級ブランドがこの効果を活用しています。わざと値段を高く設定したり、数量限定・希少性を演出することで「高い=特別」と思わせるようにしています。
Q: ヴェブレン効果が強く出やすい人にはどんな傾向がありますか?
A: 他人からの評価を強く気にする人や、自己肯定感が価格や所有物に左右されやすい人は、ヴェブレン効果を受けやすい傾向にあります。また、社会的地位を誇示したい人にも強く現れます。
Q: ヴェブレン効果に気づいて対処するにはどうすればよいですか?
A: 「その商品が欲しい理由は本当に必要だからか?それとも誰かに見せたいからか?」と自分に問い直すことが大切です。自己認識を高めることで、効果をコントロールしやすくなります。
Q: 高いものを買うと満足感が大きいのはヴェブレン効果の一部ですか?
A: 部分的にそう言えます。ヴェブレン効果で買った商品は、「高い買い物をした=自分は価値がある人間だ」という認知的満足が得られるため、満足感が強くなることがあります。
Q: 価格以外でヴェブレン効果を強める要素はありますか?
A: はい、限定性・希少性・有名人の使用・ロゴの強調などが、商品の「見せびらかし価値」を高め、ヴェブレン効果を強化します。
Q: ヴェブレン効果と「見栄消費」はどう違うのですか?
A: 非常に似ていますが、「見栄消費」はより広義で、人からよく見られたいという気持ち全般を指します。ヴェブレン効果はその中でも価格が高いからこそ欲しくなるという、特定のメカニズムを指します。
理解度を確認する問題
次のうち、ヴェブレン効果の説明として正しいものはどれか?
A. 安い商品ほど購買意欲が高まる
B. 他人と同じものを持ちたくない心理
C. 高価格な商品が社会的地位を示すために好まれる現象
D. 商品の機能だけで購入が決定される現象
正解:C
関連キーワード
- 顕示的消費
- ステータスシンボル
- スノッブ効果
- 高級ブランド心理
- 社会的比較理論
- 希少性の法則
関連論文
Han, Y. J., Nunes, J. C., & Drèze, X. (2010). Signaling status with luxury goods: The role of brand prominence. Journal of Marketing, 74(4), 15-30.
概要:
この研究では、高級ブランド商品を使って他者に自分の地位をアピールする傾向(顕示的消費)が、特に富裕層に強いことが示されました。
結果:
ブランドのロゴが目立つほど、「他人に見せたい」という欲求が強いことが分かりました。
覚え方
「ベベベ!ヴェブレンはベラボーに高い!」
→ 「高いから欲しい!」という心理をベベベのリズムで覚えましょう!


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