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自尊感情(じそんかんじょう)

self-esteem 発達・教育

「自分にどれだけ価値があると思えるか」という気持ちのこと

簡単な説明

えーっと、「自尊感情」ってのは、超ざっくり言うと「オレって意外とイケてるかも?」って思える気持ちのこと!
自信があるってこととも近いし、ちょっとやそっと失敗しても「いや、オレ大丈夫っしょ」って思える力だね。
それが高いと生きやすいし、低いと自分を責めがちだから、日々「自分、よくやってるよな〜」って思えるようにしてこ!

由来

「自尊感情」は英語で self-esteem(セルフ・エスティーム) と呼ばれ、アメリカの心理学者 ウィリアム・ジェームズ(William James, 1842-1910)が19世紀に初めて理論的に定義しました。
彼は「自尊感情は、自分が達成したものと、自分が理想としているものとの比によって決まる」と述べています。

その後、ローゼンバーグ(Morris Rosenberg) という社会学者が1965年に「ローゼンバーグ自尊感情尺度(Rosenberg Self-Esteem Scale)」という測定法を開発し、現在でも広く使用されています。

具体的な説明

自尊感情とは、自分自身を肯定的に評価する気持ちのことです。

  • 「私は価値のある人間だ」と感じられる → 高い自尊感情
  • 「私はダメな人間だ」と思ってしまう → 低い自尊感情

この感情は、自己評価・自信・誇り・恥・罪悪感などと密接に関係しています。

心理学的には、自尊感情は「自己概念(self-concept)」の一部です。

自尊感情は次のような観点から分析されます:

  • 特性自尊感情(trait self-esteem):安定した自己評価
  • 状態自尊感情(state self-esteem):状況により一時的に変化する自己評価

また、自尊感情の高さは以下のような心理的・行動的特徴と相関があります:

  • 高い:精神的健康、社会的適応、達成動機が高い
  • 低い:抑うつ、不安、社会的孤立のリスクが高い

具体的な実験や観察手法と結論

【ローゼンバーグ自尊感情尺度(RSES)】

  • 10項目からなる質問に対して「非常に当てはまる」〜「まったく当てはまらない」で回答
  • 例:「私は自分自身に満足している」
  • スコアが高いほど自尊感情が高いとされます

【結論】

  • 自尊感情は年齢・性別・文化により異なる
  • 思春期(10代半ば)は自尊感情が最も不安定
  • 社会的サポートや成功体験が自尊感情を高める

例文

「あの子はテストで失敗しても“自分ならまた頑張れる”って思ってるんだ。自尊感情が高いってことだね。」

疑問

Q: 自尊感情は一生変わらないものですか?

A: いいえ、自尊感情は環境や経験によって変化します。思春期には特に変動しやすいです。

Q: 自尊感情が高すぎると問題ですか?

A: はい、高すぎると自己中心的になったり、他人を見下したりする「ナルシシズム(自己愛)」になる可能性があります。

Q: 自尊感情と自己肯定感は違いますか?

A: 似ていますが、自己肯定感は「どんな自分でも認める気持ち」、自尊感情は「価値があると感じる気持ち」です。

Q: 自尊感情を高めるにはどうしたらいいですか?

A: 小さな成功体験を積み重ねることや、他人との良好な関係づくりが有効です。

Q: 自尊感情が低い子どもに親はどう関わるべきですか?

A: 否定せず、努力や工夫を認めてあげることで、少しずつ自尊感情が育まれます。

Q: SNSをたくさん使うと、自尊感情はどうなりますか?

A:
メタ分析(Saiphoo & Vahedi, 2019)によると、SNSの利用と自尊感情の間には**小さな負の相関(r = -0.08)**が認められています。つまり、SNSを多く使う人はやや自尊感情が低い傾向がありますが、その影響はごくわずかであり、絶対ではありません。

Q: 「いいね」の数が自尊感情に影響しますか?

A:
はい、影響があります。実験研究(Voggenreiter et al., 2023)では、「いいね」の数が少ないと、自尊感情が下がりやすいことが示されました。逆に、多くの「いいね」を受け取ると、社会的な承認を得たと感じ、自尊感情が高まる傾向があります。

Q: SNSのどんな使い方が自尊感情を下げやすいですか?

A:
上方比較(他人の良い部分との比較)です。Huang (2023) のメタ分析では、SNS上で他人の投稿と自分を比較すると、自尊感情が低下しやすいとされています。特に、自分より成功しているように見える人の投稿を多く見ると、劣等感を感じやすくなります。

Q: SNSの利用で自尊感情が上がることもありますか?

A:
はい。SNSを通じて肯定的なフィードバック(いいね、コメント)を得たり、自分を表現する場として活用した場合には、自尊感情が高まることがあります。つまり、使い方次第でポジティブな効果もあります。

理解度を確認する問題

次のうち、「自尊感情」が最も関係するものはどれか。

A. 記憶の容量
B. 自己評価
C. 注意の持続時間
D. 知覚の鋭さ

正解:B. 自己評価

関連キーワード

  • 自己概念
  • 自己肯定感
  • ナルシシズム
  • 自己効力感
  • 状態自尊感情/特性自尊感情

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Saiphoo, A. N., & Vahedi, Z. (2019). Social networking site use and self-esteem: A meta-analytic review. Personality and Individual Differences, 133, 1-12.

概要: このメタ分析では、SNS利用と自尊感情の関連性を検討するため、121の研究(参加者総数91,462人)を分析しました。

結果:

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解釈: SNSの過度な利用は、自尊感情の低下と関連している可能性がありますが、その影響の大きさは小さく、文化や地域によって異なることが示唆されます。

Keles, B., McCrae, N., & Grealish, A. (2020). Self-esteem and social media addiction level in adolescents. Indian Journal of Psychiatry, 62(4), 421-426.

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結果:

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解釈: SNS依存が進むと、自己評価や身体イメージに対する否定的な感情が強まり、自尊感情の低下につながる可能性があります。

Voggenreiter, A., Brandt, S., Putterer, F., Frings, A., & Pfeffer, J. (2023). The Role of Likes: How Online Feedback Impacts Users’ Mental Health. arXiv preprint arXiv:2312.11914.

概要: この実験研究では、参加者がSNS上で受け取る「いいね」の数が自尊感情や社会的つながりに与える影響を調査しました。​

結果:

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解釈: SNS上での他者からのフィードバックは、ユーザーの自尊感情や感情状態に直接的な影響を与えることが示されています。

Huang, C. (2023). A Meta-Analysis of the Effects of Social Media Exposure to Upward Social Comparison on Self-Esteem. Media Psychology, 26(1), 1-25.

概要: このシステマティックレビューでは、SNS上での上方比較(他者との比較)が自尊感情に与える影響を分析しました。​

結果:

  • SNS上で他者と自分を比較することは、自尊感情の低下と関連していました。
  • 特に、理想化された他者の投稿を見ることで、自己評価が下がる傾向が強まりました。​

解釈: SNS上での他者との比較は、自己評価を低下させ、自尊感情に悪影響を及ぼす可能性があります。

これらの研究結果から、SNSの過度な利用や他者との比較が自尊感情の低下と関連していることが示されています。特に、思春期の若者は自己評価が不安定な時期であり、SNS上での他者との比較やフィードバックが自尊感情に大きな影響を与える可能性があります。

覚え方

「じそん=“自分、そんけい”」
→「自分を尊敬できる=自尊感情が高い」

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