人の心や能力を、道具や手順で“測る”方法のこと
簡単な説明
検査法ってのは、性格とか頭の回転とか、心の中を“テスト形式”でのぞいちゃおうって方法だよ!心理士の“道具箱”みたいなもんです。
由来
心理学では、「目に見えない心」を科学的に理解するために、定量的な測定が必要になります。
この目的で開発されたのが「検査法」で、20世紀初頭に**知能検査(ビネー式知能検査)が登場したのが始まりとされています。
具体的な説明
検査法とは、人の性格、知能、適性、興味、精神状態などを、統一された方法と手続きを使って測定する方法です。
心理検査にはいくつかのタイプがあります。
主な検査の種類
| 分類 | 内容の例 | 代表的検査名 |
|---|---|---|
| 知能検査 | IQや思考力を測る | WAIS、田中ビネー式 |
| 性格検査 | 人柄や傾向を測る | MMPI、エゴグラム |
| 投影法検査 | 無意識や内面を映す | ロールシャッハテスト、TAT |
| 発達検査 | 子どもの発達段階を知る | KIDS、新版K式発達検査 |
| 神経心理検査 | 脳の働きを測る | ベントン視覚記銘検査、WCST |
心理検査には標準化(standardization)が不可欠であり、信頼性(reliability)と妥当性(validity)が検査の質を評価する2大要素です。
- 信頼性:同じ人が何度測ってもほぼ同じ結果になる
- 妥当性:その検査が、測りたいものをきちんと測っているかどうか
さらに、心理検査は個別式と集団式に分類され、実施方法・評価方法も大きく異なります。
具体的な検査例と結論
例:WAIS-IV(ウェクスラー成人知能検査)
- 構成:言語理解、知覚推理、作動記憶、処理速度の4指標
- 目的:個人の知能プロフィールを多角的に評価
- 使用例:発達障害や学習障害の診断、就職支援、進学判断
例文
「彼はWAIS-IVという知能検査法を使って、自分の得意・不得意な思考の傾向を知ることができた。」
疑問
Q: 心理検査って、どれくらい正確なんですか?
A: 正確にするために「信頼性」と「妥当性」が検証されています。ただし、検査結果はあくまで“傾向”であって絶対的な真実ではないことも覚えておくべきです。
Q: 検査は一度受ければ一生同じ結果ですか?
A: いいえ、状況・年齢・環境の変化によって結果も変わる可能性があります。特に性格検査などは、時期によって変動しやすい傾向があります。
Q: 誰でも心理検査をしていいのですか?
A: 一部の検査(WAIS、ロールシャッハなど)は、専門の訓練を受けた心理士だけが使用できます。心理職の倫理と責任が求められるからです。
Q: 検査を受けたくないときは断っていいのですか?
A: はい、心理検査もインフォームド・コンセント(説明と同意)が必要です。受けたくない場合は断る権利があります。
Q: 投影法の検査ってなにがすごいの?
A: ロールシャッハなどの投影法は、質問紙に出にくい無意識や内面世界を探ることができるため、深層心理の理解に適しています。ただし、分析には高度な訓練が必要です。
Q: 心理検査の結果はそのまま診断に使われるのですか?
A: いいえ、心理検査の結果だけで診断が確定することはありません。検査結果はあくまで参考資料の一部であり、問診や観察、他の情報と総合的に判断されます。
Q: 心理検査にはどんな倫理的配慮が必要ですか?
A: 検査を受ける人には事前の説明と同意(インフォームド・コンセント)が必要です。また、結果の守秘義務があり、無断で他人に伝えることはできません。
Q: 検査の“標準化”って具体的にはどういうことですか?
A: 標準化とは、どこで誰が実施しても同じ条件・同じ評価方法になるように整備された手続きのことです。これにより、公平で信頼できる結果が得られるようになります。
Q: 質問紙法と投影法の違いは何ですか?
A: 質問紙法は、あらかじめ用意された選択肢に回答する形式で、客観的でスコア化しやすいのが特徴です。一方、投影法は曖昧な刺激(絵や図など)を使って、本人も気づかない内面や無意識の傾向を探る方法です。
Q: 子どもと大人で使う検査は違うのですか?
A: はい、違います。年齢に応じた発達段階や理解力に合わせて検査が設計されています。例えば知能検査なら、子どもには「田中ビネー式」、大人には「WAIS」など、それぞれ適した検査があります。
Q: 発達検査では何がわかるのですか?
A: 子どもの心身の発達の状態(知的・言語的・運動的な発達)が、年齢相応かどうかを測定できます。遅れや得意・不得意の分野が明らかになることで、支援や教育の方向性を考える手がかりになります。
Q: 代表的な発達検査には何がありますか?
A: 日本では以下のような検査がよく使われています:
- 新版K式発達検査(0歳〜成人まで対応)
- 田中ビネー式知能検査
- KIDS(発達スクリーニング)
- 遠城寺式乳幼児分析的発達検査表
それぞれ年齢や目的に応じて使い分けられます。
Q: 検査結果はどのようにフィードバックされるのですか?
A: フィードバックは、検査結果の意味をわかりやすく伝える面接形式で行われます。検査結果の数値だけでなく、行動観察や態度、検査中の反応なども含めて総合的に説明されるのが一般的です。
理解度を確認する問題
次のうち、心理検査における「信頼性」に該当するものはどれか?
A. 検査で得られた結果がどれだけ安定しているか
B. 検査の結果を本人にフィードバックすること
C. 検査が測りたい概念を正しく測れているか
D. 検査者が丁寧に説明したかどうか
正解: A
次のうち、投影法検査に該当するものはどれか?
A. MMPI
B. TAT
C. YG性格検査
D. エゴグラム
正解: B
検査の結果が「どれくらい一貫しているか」を示す用語は?
A. 妥当性
B. 客観性
C. 信頼性
D. 推論性
正解: C
関連キーワード
- 標準化
- 信頼性・妥当性
- 投影法
- 質問紙法
- インフォームド・コンセント
関連論文
Psychological Testing and Assessment: An Introduction to Tests and Measurement
この書籍では、心理検査における標準化手続き・信頼性・妥当性・実施法・倫理問題までを体系的に解説しています。とくに、検査バイアスの排除や文化的配慮の重要性が強調されています。
結果とポイント:
- 妥当な検査は信頼性が高くなければならない
- 投影法と質問紙法は併用が望ましい場合がある
- 実施者の訓練と倫理的姿勢が検査の質に直結する
覚え方
「検査法は心のレントゲン!」
→ 見えない“こころ”を測る、目に見える“測定器”のイメージで覚えましょう。


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